2011年7月10日日曜日

利根パークゴルフ場=取手駅近くでアクセス良好。50年の歴史を誇るA級河川敷ゴルフ場

091
(JR取手駅に近いのは大きな魅力)

 「ダッコちゃん」が大ブームになった昭和35年(1960年)。関東では「桜ヶ丘カントリークラブ」や「大利根カントリークラブ」「飯能ゴルフク ラブ」「小山ゴルフクラブ」「袖ヶ浦カンツリークラブ」といった名門コースが続々誕生、ゴルフ人気が大いに高まった。利根川の河川敷にある「利根パークゴ ルフ場」(茨城県取手市)も、これら名門コースと同じ年の開場。ラウンドしてみると、他の河川敷ゴルフ場にはない歴史の厚みを感じ取ることが出来た。
 利根PGは過去にもプレーした経験がある。その時は真冬で枯れ木が目立ち、寒風にさらされた思い出が残る。
 
 今回は7月。梅雨明け直後の猛暑日だ。スタートホール(INコース10番)のティインググランドに立つ。両サイドに樹木が生い茂り、冬のイメージとはまったく違う光景に驚く。

106
(OUTコースの1番ミドルホール。夏場、木が生い茂ると林間コース風の景観に)

 クラブハウスから来る途中、OUTコースの1番ホールを覗いたが、10番ホール以上に林の密度が濃く、河川敷コースというより林間コースのような佇まい。これは嬉しい誤算だった。
 開場は50年以上も前。当時、この河川敷に障害となるようなものは何もなく、設計者は自らの思いをそのままコースに表現させることができたのだろう。

155
(フェアウエーはフラットで、河川敷コースとは思えないくらい広い)

 まず、フェアウエーは総じて広く造られている。10番ホールは「馬の背」のように中央から右傾斜がきつくなっていて、ティショットを右に曲げると、フェアウエーに落ちても、ボールはラフまで転がってしまう。横幅の狭いコースでは造りにくい設定だ。

092
(数は少ないが、河川敷コースにしてはしっかりしたバンカーがある)

 バンカーもそうだ。数は少ないが2グリーンの間に本格的なものがあったり、河川敷コースにはあまりないフェアウエーバンカーも所々に配してあった。

130
(ポプラの木が多いのが、このゴルフ場の特色)

 樹木も多彩だった。ポプラといえば北海道のイメージが強いが、このコースでは何度も見ることができる。3番ミドルのようにフェアウエー中央に林立し、コースの「顔」になっているホールもある。
 他に松、シロ、竹、ツツジ、杉、もみじ、藤、柳・・・。特にシロの木をゴルフ場で見ることは珍しく、強く印象に残った。太く、立派な木も多く、歴史を感じさせる。

141
(所々に草花も。猛暑でさすがにぐったりしていたが…)

 ティインググランド周辺の植樹が良く手入れされているのも、並みの河川敷コースにはない魅力だった。
 
 河川敷では一般に横幅が狭いため、各ホールが平行して設定されている。ホール間に余分なスペースはなく、景観も殺風景になりがちだ。

126
(コース内には日本庭園風に手入れされたコーナーがあった)

 利根PGでは、場所によっては日本庭園風の植樹コーナーが設けられ、ちょっとした高級感さえ味わうことができる。
 ティグランドも3面あり、ティマークは4つ(フルバック、バック、レギュラー、レディース)置かれている。
 距離もレギュラーティからなら6,031ヤードと平凡だが、バックティからは6,471ヤード、フルバックティからは6,750ヤードに伸びる。真っ直ぐでフラットなコースとはいえ、これだけ長いと相当、苦労しそうだ。
 初心者の利用が多い河川敷コースにしては前方特設ティ、いわゆる「前4」がないのも特徴。

035
(12番のショートホール。河川敷の割には池が目に付いた)
065
(16番のショートホール。池には事故防止用に浮き輪が整備されていた)

 池が多いことも河川敷コースでは珍しいかもしれない。INコースでは12番、13番、16番で池が絡む。
明らかに人工的な造りだが、それでも景観に刺激を与え、平坦で単調になりがちなコースに変化を付けている。
 「コースレートは計測していない」(男性スタッフさん)ので、難易度ははっきりしない。しかし、レギュラーティからプレーしている限りは比較的易しいというのが実感だ。
 同伴者は冗談めかして「日本一のリハビリコース」と呼んでいた。

054
(コース内には太い、立派な立ち木が多かった)
081
(とにかくフラットで、真っ直ぐなホールが多い)

 確かに河川敷コースらしからぬ池、バンカー、林というハザードはあるものの、基本的にはフラットで素直なコース。大きく曲げさえしなければケガは少ない。

148
(OUTコース5番ロング。フェアウエーセンターに林がある印象的なホール)

 「厄介だな」と感じたのは、前述した3番の“ポプラホール”と、同じくフェアウエーセンターに高い木の林が出現する5番ロングホールくらい。

100
(グリーンは大半が砲台型)

 ただし、大半が砲台グリーンなので、アプローチを苦手とする人は大変。高麗グリーンが嫌いな人も、スコアメイクに悩みそうだ。

033
(距離表示は分かりやすかった)
039_2
(コースレイアウトと攻略法を書いた紙がハンドルに挟まれていた)
131
(ティインググランドから230ヤード地点に黄色い吹流しが置かれていた)
166
(当日のピン位置は、赤い小さなフラッグで分かりようになっている)
162
(多くのホールでこうした設備があった。暑さ対策や急な雨の時には有り難い)

 一番心配したのがメンテナンス。前回、冬場にプレーした時の記憶から、厳しい状態にあるのではないかと心配した。
 だが、今回は印象が違った。少なくともフェアウエーとグリーンはまずまずの状態。
 気象条件等が厳しい河川敷コースなので、素晴らしいとまでは言えないが、初心者やアベレージゴルファーが気軽に楽しむ分には、まず問題ない。
 スターティングテラスには「刈り高3.5㎜、グリーンカラー8.0mm、アプローチ25.0mm、フェアウエー15.0mm、ティインググランド8.0mm、ラフ25.0mm」と非常に細かい数字が表示されていた。
 芝の伸びが速いこの時季、この通りの状態なのだろうかという疑問はあるが、「ここまで丁寧に芝を管理しているんですよ」というゴルフ場側の矜持と受け止めたい。
 年間を通じて、この心意気と水準は維持してもらいたいと願う。
 もっとも、ある男性スタッフさんは「グリーンの速さ? 計測していません。そんなには速くはないと思いますよ」と結構、アバウトな返事だった。
 全体として、河川敷コースにしてはスペースに余裕があり、樹木が美しく、今ではなかなか造れないであろうAクラスの河川敷コースと言っていい。
 優れた面を多く列記したが、「やっぱり河川敷コースだ」と感じさせる点もあるので触れておきたい。

078
(ホール間には溝があり、ボールを見失いやすい)

 1つはホール間に横たわる溝だ。前回ラウンドしたときは泥水がたまり、周辺はぬかるんでいて、ボールを幾つも無くした記憶がある。
 今回は炎天下でのプレーで泥水こそなかったが、溝による線引きは、やはり安っぽい印象を与える。

037
(フェアウエーは比較的よく整備されていたが、ラフは様々な雑草で、一部、変色していた)

 ラフの雑草も気になった。様々な雑草が元気良く生えていて、所々変色が目に付いた。英国のリンクスコースを思えばかわいい雑草だが、単に放置してあるだけようにも見えた。
 一流コースと最も違ったのが、コース内の「売店」と「トイレ」だ。売店はクラブハウスから上流に向かって最も遠く離れたところに1ヶ所あるだけ。

046
(コース内に唯一ある売店。周囲の植栽がきれいだったのが印象に残る)

 大きなテントの下に椅子とテーブルが並べてあり、隣の小屋で女性スタッフさんがビールや清涼飲料など販売している。
 OUTコースを回っている人も、INコースを回っている人も一緒に利用するので賑わっているが、一流コースの売店に比べると、見劣りするのは確か。特別なサービスもない。「いかにも河川敷」といった光景だ。

066
(コース内トイレは、ほとんどが簡易型)

 トイレは練習場との間に設置されたものを含め、コース内に合計6つある。しかし、大半が簡易型(水洗式)。女性にはちょっと気の毒な感じがした。

050
(手前左は男性用の簡易型トイレ。奥に女性用のトイレが新設されていた)

 さすがに「売店」裏には女性専用のトイレが新設され、以前より改善されていた。他のトイレもぜひ、リニューアルしてほしい。

001_2
(JR取手駅前から出るクラブバス)

 アクセスは良好。今回は同伴者と待ち合わせ一緒に電車で向かうことにした。JR常磐線の取手駅までは上野駅から快速電車で42分。クラブバスが朝夕とも15分おきに出ており、しかも乗車時間が約3分と短い。

086
(18番ホールのすぐ先には国道6号線とJR常磐線が平行して走る)
163
(ゴルフ場のすぐ側までマンションが建つ)

 駅からは歩いても行ける距離だ。周囲はすっかり商業地や住宅街になっていて、「50年前でなかったら、こんな便利な場所にゴルフ場は造れなかっただろう」と仲間同士の意見が一致。
 東京在住の人は茨城県と聞くと遠く感じるかもしれないが、この時間距離の近さは大きな魅力である。
 クルマ組は常盤自動車道の柏ICから国道16号線経由で来場。東京近郊からやはり1時間ちょっとで到着できたという。

008
(乗用カートで土手を下りコースへ。右側がコース。左側が駐車場とドライビングレンジ)

 駐車場は河川敷にあり広く、200台以上が収容できる。夏の強い日差しを避けようと、みな陸橋の影の部分にクルマを並べている。

005
(土手の上けから見たクラブハウス。朝、ここで乗用カートにバッグを積み込む)
114
(クラブハウスの内部。右側がラウンジ、正面が玄関。その右に売店と受付)

 クラブハウスは平成7年(1995年)に建て直された。全体にこじんまりとした造りだが、まだ、比較的きれい。
 「女性に優しい利根パーク」をキャッチコピーに掲げているだけあって、ホームページ(HP)で見た女性用ロッカールームやパウダールームは、清潔で使いやすそうだった。

002_2
(ロッカー自体はごく普通のデザインだが、壁に絵画が掛かり、文化性を演出)

 男性用のロッカールーム(利用料210円が別途必要)は地下1階にあり、スチール製のロッカーが並んだだけの平凡なデザイン。常時、クラッシック音楽が流れている。トイレは個室が5つ(うち和式が2つ)。

112
(コンパクトな脱衣場。奥が浴室)

 ロッカールーム隣の脱衣場や浴室もコンパクトな設計だった。ともに清潔感はあるが、豪華さや開放感はない。上部の窓から光は入るものの、外の景色は全く見えない。

118
(クラブハウス2階のレストラン)

 同じくコンパクトな設計だが、レストランは2階にある分、明るく、居心地が良かった。窓の外に目を向けると、土手を挟んでコースが眺められる。
 気象条件が良ければ「富士山や東京スカイツリーが見える」(女性スタッフさん)という。この日は晴れていたが、全く見えなかった。残念。
 また左を向きすぎると、近くの陸橋の上をトラックや乗用車がひっきりなしに走り、日常の世界に引き戻されてしまう。ゴルフに没頭したいなら、あまり向き過ぎないように注意したい。
 昼食のメニューは選択肢が多かった。特別高級なものはないが10種類以上。価格も780円から高くても1,360円までとリーズナブル。人気の高い冷やし中華は1,100円、ビール(生中)が660円。
 お盆休みやゴールデンウイーク等の大型連休には割安な「ランチバイキング」を実施しており、利用者に好評だという。
 朝食も充実。「ワンコインセット」(全て500円)で和・洋定食やハーフカレーなど5種類が食べられる。

120
(レストラン入り口には氷と冷水が置かれていた。隣にはオープンコンペ用の賞品があった)

 コンペなどの際に利用するパーティメニューは1人1,050円(ドリンク代別)から2,630円(同)まで4種類のコースがある。
 アルコール類は生冷酒、紹興酒、黒生ビール、ウイスキー、ワインなど多彩。ツマミ類も大半が500円以下と抵抗感の少ない価格水準。
 「食事が楽しみ」という人にはもの足りないだろうが、仲間同士でワイワイ楽しむゴルフなら、これで不都合なし。味の好みは別にして、飲食面の充実ぶりは利根PGの隠れた良さである。

013
(河川敷に広がる練習場。ラウンドしない人もたくさん来ていた)

 レストランと並んで“想定以上”だったのがドライビングレンジ。駐車場を挟んでコースの反対側にあるのだが、打席数が何と60。前方は200ヤード以上あり、距離的にも不満はない。
 ボール代は1箱(24個)200円。中古ボールが大半とはいえ、この価格は安い。
 打席料(名目は河川整備費)200円を払えばラウンドしない人でも練習できる。ボール代はバケツ小(72球)で600円、バケツ大(120球)で1,000円。「バケツ」というのが凄い。
 もっとも、この日は朝から気温が急上昇。屋根のない河川敷ではすぐに汗が滴り落ち、体力を消耗する。バケツで何杯もボールを打つのは大変だろう。

104
(パター練習場。2グリーンとも高麗芝なので、スタート前に練習しておきたい。アプローチは禁止)
 このコースはグリーンが高麗芝なので、普段ベントに慣れている人はショット練習よりパター練習に時間を割く方が賢明とも感じた。

105
(スタートホールの手前には、こんな看板も。初心者についつい指導。進行の遅れには要注意だ)

 ちなみに、レッスンプロによる「ワンポイントレッスン」(10分、1,050円)や予約制の「プライベートレッスン」(50分、5,250円)、 「スクール」(4回コース、8回コース)、「ラウンドレッスン」(1ラウンドコース、ハーフコース)など、レッスン事業にも熱心に取り組んでいる。
 もう一つ、想定以上だったのが「セグウェイ」の登場だ。立ち乗り型の電動二輪車で、「平成20年、首都圏のゴルフ場の中では真っ先に導入した」(男性スタッフさん)という。
 6台あり面白そうだったが、一時間ほどの事前講習が必要なうえ、1ラウンド1人5,250円のレンタル料金が掛かると聞き、今回は断念した。

069
(キャディは不在で、全てセルフプレー。手引きカートで回ることも出来る)

 ラウンド中、「炎天下では(屋根付きの)乗用カートが一番だよね」と話し合っていたら、隣のホールを「歩き」でラウンド(手引きカート利用)している年配者の組に遭遇。「あれが河川敷ゴルフの本来の姿」と同伴者。その逞しさに感心させられた。
 ここでは乗用カートを使ったラウンド(すべてセルフプレー)が一般的だが、利用する場合、通常のプレー料金に加え1人1,575円の乗用カート代が必要となる。
 ただし今回は、HPにある「ラウンドパック優待料金」券をコピーして持参したので、525円引きの1,050円で済ますことが出来た。
 以下、重要なプレー料金について記したい。「正規料金(税込)」は平日が9,410円、土日祝日が14,975円。
これが先ほどの優待券を活用すると、平日7,500円、土曜日11,000円、日曜祝日が10,000円と安くなる。
 今回活用した「夏季優待券」が有効なのは7月19日から9月末まで。しかし、利根PGをよく利用する同伴者によると、「他のシーズンでも感心するぐらい、特別優待券が自宅に送られてくる」という。
 別の同伴者は5月に「春季優待料金」(平日7,800円、土曜日12,800円、日曜祝日11,800円)でプレーしたという。正規料金は正規料金として、実際にはこの優待料金でプレーする人が多そうだ。
 精算時には受付のスタッフさんが、その「ラウンドパック優待券」を来場者全員に配っていた。
 無料で登録できる「スマイルクラブ」という会員組織もあり、さっそく加入したところ、数日後には自宅に「乗用カート無料パスポート」が送られてきた。営業熱心である。
 料金面での不満を言えば、土日祝日にプレーする場合、事前に予約金3,000円を支払わなければならないこと。これは実に面倒くさい。キャンセルした時は返ってこない。
 毎月1回開催される「シニアオープン」、月曜日と木曜日の「レディースデー」、1人2,000円で済む「ジュニア料金」(平日)など、集客のため の工夫はたくさん実行しているのに、どうして過去の遺物のような「予約金」制度が未だ存在するのか。これだけは不思議でならない。

2011年7月3日日曜日

千葉カントリークラブ・川間コース=“日本一のセルフプレーゴルフ場”を目指す。土・日の基本料金は24,300円

123
(南コース9番ホール。黄色マークからグリーンまでは残り100ヤードだ)

 「千葉カントリークラブ」には主なコースとして「梅郷」「野田」「川間」の3つがある。このうち「梅郷」と「野田」はプロのトーナメントを開催す る本格的チャンピオンコース。「川間」はキャディ不在で、完全セルフ方式のコース。その分、野田、梅郷に比べて水準が落ちるのではないかと懸念したが、訪 れてみると堂々たる林間コースで、遜色なし。一般ゴルファーにとってはセルフで楽しめる貴重なゴルフ場である。
 千葉県の最北部、野田市に千葉CCはある。国道16号線沿いに南から「梅郷」「野田」「川間」と並び、川間コースの西側はもうすぐ埼玉県、東側は利根川を挟んで茨城県に接するという立地。都心からでも50㎞弱、クルマで1時間10分ほどの近さだ。
 電車利用なら東武野田線川間駅が便利。朝は7:00から9:30分まで30分おきに送迎バスが出ている。時季によってはさらに朝昼3便が追加される。帰りの便も同様。タクシーでも10分弱で到着する。
 千葉CCは本格的な会員制のクラブで「メンバーの紹介、ないし同伴がないとプレーできない」のが原則。ただし川間コースは「平日なら紹介なしでもプレーが可能」という。
 どういうことか。受付スタッフに詳しく聞くと「一度ゲストとして来場された方は受付の際に名前が自動登録され、次回以降、メンバーさんの紹介なしでもプレーできるのです」。
 「平日だけというのが残念ですねぇ」と口を尖らせたら、「最近は休日でも空いていれば大丈夫です」という嬉しい返事が返ってきた。
 メンバーさんには申し訳ないが、敷居が低くなったのは一般ゴルファーにとっては有り難い情報だ。
 今回は電車で向かったので宅配便を利用。外のバッグ置き場にゴルフシューズを取りに向かうと、目の前にパッと美しい林間コースが現れた。

004_2
(東コース、南コース、西コースの計27ホール)

 手前に広々としたパター練習場。その先に左から「東コース」「南コース」「西コース」(計27ホール)の各スタートホールが放射線状に広がる。
 どのコースもフラットで、背の高い木々によってしっかりセパレートされ、堂々とした佇まいだ。「こんな綺麗なゴルフ場がセルフプレー専門なの」というのが第一印象だった。

001_2
(簡素なロッカールーム。ゆったり出来ていて、使いやすかった)

 着替えを済ませて練習場へ。専用受付でコインを購入。25球で210円。安い。思わず2コインを購入。

019
(屋根のある本格的なドライビングレンジ。奥に「クラブ工房」があった)

 クラブハウス脇に設けられた練習場は屋根付、椅子付で17打席。距離は250ヤード以上もある。
 正面30ヤードと50ヤード地点に網で作られたカゴが斜めに置かれ、アプローチ練習の格好の標的になっている。
 その先にも100ヤードから250ヤードまで50ヤードごとに看板があって、飛距離の確認に役立つ。
 各打席には高さの異なるティが複数本用意してあり、練習場の左奥には「プロショップ クラブ工房」が併殺されていた。
 敢えて不満を言えば、使い込んだ感じのボール(専用ボール2種類)が多かったことか。それでも時間があれば何球でも打っていたくなるような練習場である。

014_3
(バンカー練習場。砂まみれになって長時間練習している会員さんがいた)

 ネットで仕切られた右手奥にはアプローチ練習場とバンカー練習場があった。バンカーはなかなか練習する機会がないので、こうした本格的な練習場があると、とても嬉しい。
 近くにいた男性スタッフに「川間は練習場が素晴らしいですね」と言ったら「野田、梅郷はもっといいですよ」と自慢された。練習設備が充実しているのは千葉CCの大きな特色だろう。

027
(広々としたパター練習場。正面の池の手前にも2段グリーンの練習場がある)

 パター練習場も大きく、近くには花壇があって、小さな花が目を楽しませてくれる。周辺の樹木は美しく刈り込まれ、日本情緒を漂わす。
 ちなみに予約しておけば所属するレッスンプロの指導が受けられる。練習場でのレッスンは30分で1人2100円。ラウンドレッスンの場合、レッスン料は1人では8400円かかるが、2人なら7350円、3人なら6300円。

033
(ティインググランドには各ホールのレイアウト図が完備)
038
(目土用の砂が入った容器が各ホールに用意されていた)

 この日回ったのはメインの「東コース」と「南コース」。東の1番ホールは右手に池を配した美しいホール。景観に見とれていたら若い男性スタッフが近づいて来た。
 「乗用カートは本日、フェアウエー乗り入れ可能です。グリーン近くでは自動運転に切り替えて下さい」と丁寧に話し始めた。
 池がラテラルウオーターハザードの指定になっていること、希望者はバックティから打てる(フルバックは不可)こと、グリーンまでの残り距離は両サイドの表示杭ではなく、フェアウエー上のマーク(青、赤、黄)で示されていることなどを細かく説明してくれた。
 乗用カート内にはコース全体の俯瞰図が置かれ、飲料ケースには冷えたミネラルウオーターが4本入っていた。「夏場だけの特別サービス」だという。
 「乗用カート利用・完全セルフ方式」のコースなので、このあたりの段取り、配慮はしっかり行き届いている。
 「バックティからのプレーがOK」との説明を受け、全員一致でバックティを選択した。
 東・南コースを回る場合、レギュラーティからだと全長6,218ヤード、コースレート69.5だが、バックティからは同6,622ヤード、同71.2に大きく変わる。

110
(東コース1番ホールのグリーンから見た光景。クラブハウス奥のネットは練習場)
041
(東コース2番。グリーンの直ぐ先は池。ピン近くまで突っ込むには勇気がいる)

 1番ホールに続き2番のショートホールも池が絡んでいた。ティインググランドからは見えなかったが、グリーン奥はすぐに池。

045_2
(東コース3番。グリーン手前はバンカー、奥は池。綺麗なコースだが、油断できない)

 3番ロングホールもグリーン周辺に池が迫り、美しくも冷静な判断が必要な難所が続く。
 5番ホールにも池が2つ。「川間は池の多い林間コースだ」という印象を決定づけたのは7番のショートホールだった。何とグリーンを取り囲むように4つの池があり、名物ホールになっている。
 ガイドブックには「グリーンが広くて安心して打てるパー3」と記されていたが、実際にティグランドに立ってみると、4つの池のプレッシャーを感じないわけにはいかない。
 「グリーン周辺はどうなっているのか」――。右サイドの小山に登ってレイアウトを再チェック。池とグリーンの間に思った以上にスペースのあることを確認し、気持を落ち着けてティショットに臨んだ。
 以前、上級者から「鳥の目でコースを見れば安心できる」と教えられたことがある。そのアドバイスが今回生きた。

051_2
(フェアウエーには所々でこんな表示を見かけた)

 開場は昭和32年(1957年)。54年という長い年月が太い樹木を育て、コース全体に落ち着きと風格をもたらしている。

059
(密集度の高い松林。こうした場所では無理せず、横に出すしかない)

 逞しく枝振りのいい松。密集度の高い林間。ソテツや桜など木の種類も豊富。いずれも並の林間コースにはない魅力だ。

055
(東コース脇には大きな池があった。釣り堀客で賑わっていた)
063
(東コース6番。グリーンまで40ヤード近くあり「絶対に入れてはいけない」といわれたバンカー)

 コースの外側だが、6番ホールのティグランド近くには大きな池があって、ボートが浮かび、釣りを楽しむ人たちで賑わっていた。「つり堀野田幸手園」だそうだ。

068
(池に囲まれた東コース7番ショートホール)
079
(以前は2グリーンだったが、2008年に1グリーンに改修。不自然さはまったく感じなかった)

 「林間コースの美しさ」と並んで印象的だったのがグリーンの状態だった。パター練習場の近くに「本日のスティンプメーター9.0、コンパクション9.0」との表示があったのを思い出す。
 「前回の速さは10.0フィートだったので、今日は遅めだ」と同伴してくれた会員氏。コンパクションも軟らか目なので、ちょっと楽観した。
 しかし、ボールの転がりは思った以上にスムーズで、集中力を欠くと、すぐ3パットを強いられた。グリーン上のピッチマークもセルフコースの割には少なかった。

082_2
(「コースメンテナンスには特に力を入れている」という)
113
(グリーンの周辺には夏場、芝を守るために独特の扇風機が設置されていた)

 フェアウエーにできたディボットにもきちんと砂が入っていて、コンディションはかなり良好と感じた。夕方、コース整備に動き回るスタッフさんの姿を何人も目撃した。
 完全セルフ方式のコースだけに、各ホールのティインググランドには「コースレイアウト図」が必ず設置され、初めての来場者でも戸惑わずに済むよう工夫されている。
 ブラインドホールも少ないので、前の組の位置も分かりやすい。また、フェアウエーには所々にグリーンまでの残り距離を表示したプレートが埋め込まれていて、参考になった。
 ティグランドは「チャンピオン」「バック」「レギュラー」「フロント」「レディース」の5つ。
 5つもあると、グランドがあるだけでティマークが無かったり、逆に1ヶ所に2種類のマークが並んで置かれていたりといったケースが多いが、このコースは一部を除いて5つ、しっかりセットされていた。
 ティマークが前後にずれることなく、それぞれの「距離表示板」近くに正確に置かれていたのも好印象。

076
(乗用カート内のGPSナビシステムの端末。プレーヤーのスコア計算までしてくれる優れものだ)

 乗用カートはプレーヤーに優しい最新型だった。GPSシステムを採用し、ピンまでの残り距離が1ヤード単位で表示されるほか、各自のスコアも自動計算され、仲間内での会話が途絶えることがない。
 「これだけ正確に残り距離が分ければ、キャディさん失業の危機だね」と口の悪い同伴者。

047
(独立して建てられたトイレ。中は広く快適で、申し分なかった)
048_2
(コース内の売店。立派なトイレに比べると、多少疲れた感じも)
067
(避雷小屋はシンプル)

 コース内のトイレや避雷舎などもきちんと用意されているので、緊急事態に対しても安心だ。設置場所はスコアカードに記載されていて便利。
 完全セルフ方式という前提が、様々な面での配慮、工夫につながっている。「“日本一のセルフプレーゴルフ場”を目指している」(男性スタッフ)というのは、嘘ではなさそうだ。

090_2
(高い木と距離のあるバンカーに囲まれた南コース1番。難易度や雰囲気は、南も東コースと変わらない)
096_2
(太い樹木が長い歴史を感じさせる)
097_2
(フラットで景観の美しい林間コース)
098
(南コース4番ホールにあった立派な避雷舎。中に入ると、冷水機が用意されていた)
100_2
(ティインググランド脇の花壇。プレーヤーを目で楽しませようという配慮を感じる)
106_2
(風格のある林間コース。フェアウエーの整備状態も良かった)
119
(南コース9番ロングホール。バックティからだとロングホールは全て500ヤードを超えた)
120
(フェアウエーバンカーもしっかりある。コースマネジメントがスコアに直結する)
083
(堂々とした構えのクラブハウス。やや色あせた感じがしたのは曇天のせいか)

 コースに比べると、クラブハウスの印象は今ひとつだった。2階建ての建物は大きく堂々とした構えだが、年数を経て壁がややくすんだ感じ。建設当時の華やかさは影を潜めている。一部の壁は黄ばんでいるようにも見えた。

026
(レストランの内装は普通だったが、窓際はとても明るかった)

 改装された2階レストランは1階とは違って明るく、華やかだった。階段を登ると二手に分かれる。以前は「禁煙」「喫煙」別にしていたそうだが、今は「全席禁煙」。
 大きな窓からは「東コース」「南コース」「西コース」の各スタートホールが眺められる。朝、バッグ置き場近くで見た景観をもう一度、上から楽しめるというわけだ。

024_2
(レストランの外にあるテラスで綺麗な林間の景色を楽しむ)

 レストラン前のテラスに出て、スタートまでの時間をゆっくり過ごす若者グループもいた。
 レストランを運営受託しているのは洋食専門店の「アラスカ」。ホームページ(HP=http://www.chibacc.co.jp /course/course_kawama_profile.html)にも「1928年開業。関西の名門老舗西洋料理店」と明記、特別感をアピールし ている。
 聞けば「梅郷コース」のレストランは鰻屋さん、「野田コース」は中華料理屋さんがそれぞれ受託。食事面でもコースごとの違いを演出しているそうだ。
 ハンバーグやシチューなどのランチメニューは15種類。価格は1,680円から420円(ミックスサンド)まで。
 「おすすめ洋食弁当」は1,575円。ビーフカレーは945円、ビール(生中)は683円。ビールを頼んだら、お皿一杯にポテトチップスが付いてきたのには驚いた。
 レストランの一角にテレビとソファーのある小さなラウンジ。奥にはコンペルームが6室。ちょっと覗いてみたが、明るく上質感があった。

003
(浴室は正面奥。脱衣カゴの位置が低いのが印象的)

 浴室は天井が六角形の珍しい形。半分近くが大きな窓で明るく、気持がいい。遠景はさえないが、手前に見える庭は日本庭園風に整えられ、ちょうどアジサイの花が満開だった。
 トイレはまずまず。個室は7室。売店では「地たまご」や「宇都宮餃子」なども販売。
 館内の「ラウンジ」と「プロショップ」が充実していればもっと良かったが、歴史あるクラブハウスにそこまで望むのは無理な相談かもしれない。
 スタッフの対応も概ね良好だった。朝の混雑時には男女4人のスタッフがテキパキと来場者をさばき、近くの自動販売機が現金でしか利用できない不便さを訴えると、用紙にサインをするだけで「自動販売機積立金」200円をサッと立て替えてくれた。
 帰りに「遠方から来るゲストが宿泊するのに都合の良いホテルを」と尋ねたら、メモ用紙に3軒のホテルの名前と電話番号を記載。「交通の便が良いホテルはここ」「一番高級なホテルはここ」と詳しく案内してくれた。
 最後の、そして最大の問題がプレー料金だ。ゲストの「平日利用料金」が16,300円、「土日基本料金」が24,300円。
 確かに風格ある立派な林間コースだが、キャディなしのセルフプレーで、この水準はどうか。特に2万円を大きく超える土日曜日の料金。
 同伴者の一人は「休日は料金が高いので、安い平日にプレーしたい。それが無理ならOFFシーズンか、“準平日扱料金日”が狙い目」と教えてくれた。
 OFFシーズン(1,2月と8月)の料金は、平日で14,300円、土日曜日が19,300円。
 さらに祝日などに時々、特別料金(18,300円)でプレーできる“準平日扱料金日”があるのだという。
 精算後に「一番安くプレーできる条件」をスタッフに尋ねた。答えは「8月の準平日扱日(13日、14日)に“午後スルー”で1ラウンド回って12,300円」。土日基本料金のほぼ半額。これならかなり割安だ。
(ゴルフジャーナリスト O氏よりの寄稿)