2011年7月31日日曜日

丸の内倶楽部=房総半島のほぼ中央に位置。“好スコアが出やすい”と評判の丘陵コース

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(景観の美しい18番ロングホール。大きな池がポイント)
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(バンカーがプレッシャーを掛ける)

 名前に目が留まった。「ゴルフ」とか「カントリー」といったキーワードがない。財界御用達の倶楽部かと思うような名前である。クラブハウスに到着 後、受付スタッフさんに由来を聞いてみた。「周辺の地名が力丸と千代丸なので丸の内。それだけです」。確かにスコアカードの住所欄には「千葉県長生郡長柄 町力丸354」とある。実態は乗用カート利用のセルフプレー主体で、気軽に楽しめるフレンドリーなゴルフ場だった。
 
 ここでプレーしてみようと思ったのは、名前に惹かれたからだけではない。ゴルフ仲間から「好スコアが出やすいコース」と聞いていたからだ。
 最近、どこでプレーしてもスコアが悪く、自信喪失気味。「そろそろ好スコアを出して、少しでも年間平均スコアを改善しておかなければ」との思いもあった。
 朝7時15分、東京駅からJR外房線の特急「わかしお1号(安房鴨川行)」に乗車して茂原駅で下車。自由席利用でも運賃が2,180円掛かるのは痛いが、乗車時間は56分と1時間を切る。
 だが、クラブバスがない。タクシーで約20分、料金は2,690円だった。
 京葉道路などを通り蘇我IC経由で来場したクルマ組によると、都心からの所要時間は約1時間半。比較的便利で、駐車場にはクルマがいっぱい並ぶ。そもそも電車での来場者は少ないのかもしれない。
 それでもタクシー代を考えると、「予約制」でもいいからクラブバスは欲しいと思った。

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(手前がラウンジ、正面が玄関、左側が受付)
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(プロショップの一角にはパターマットも用意されていた)
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(夏を代表する花木「さるすべり」も雨に濡れていた)

 仲間同士、好スコアを出そうと誓い合っていたのに、残念ながらこの日は雨。それも大雨。「キャンセル料なし」ということで、そそくさと帰る地元ゴルファーの姿も見受けられた。
 スタート時間を遅らせて待つこと1時間。「待っていても、今日は止まない」と諦め、INコースの10番ホールへと乗用カートで向かう。

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(10番ミドルホール。右サイドのOBゾーンが気になる)
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(突然の豪雨。コースから人影が消えた)

 雨中のラウンドとなったため写真が暗く、写りも悪いが、本来はもっと見晴らしの良い、ゆったりした感じの丘陵コースである。
 楽天がゴルフコースの様子をネット上で公開している「フォトギャラリー」の中に、この丸の内倶楽部もあるので、レイアウトや景観はこちらを参考にしてもらいたい。
 その代わり、このリポートではゴルフ場全体の雰囲気が伝わるよう、コース以外の写真も数多く紹介する。
 まずはコースだ。結論から言うと、「景観が素晴らしい」と印象に残ったのは18番のロングホールくらい。ここは正面にクラブハウスを見据え、左サイドの池を眺めながら、美しい景観を堪能できる。
 ゴルフ場で頂いたパンフレットのメイン写真も、池と18番グリーン、そしてクラブハウスを3点セットで撮影したもので、ここが景観的に一番の売り物であることは間違いない。
 逆に言うと、他のホールは「美しさ」という面では今ひとつだった。周囲の山々の緑は豊か。池もコース内に大小5つほどあるが、強いインパクトは感じなかった。
 レイアウトやハザード、グリーン周辺の難度等で刺激的だったのは7番、12番、16番など。
 7番は直線的なホールが多い中で、珍しく右ドッグレッグしたロングホール。最短距離を狙ってティショットすると、右側の谷やバンカーに捕まりやすい。勇気と慎重さが求められる。

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(谷越えの12番ミドルホール)

 12番は谷越えのミドルホール。右側に2本の大きな木があり、それを避けてティショットを左サイドに打ち過ぎると、今度は第2打でグリーンが狙えなくなるという寸法。

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(最も印象に残った16番ミドルホール。正面がティインググランド。グリーンは左奥上)

 16番ミドルホールは距離こそ327ヤード(レギュラーティ)と短いものの、グリーンが右サイドの山の中腹に設けられているため、第2打が大きな打ち上げになる。
 しかも、その山の手前には池。距離感、方向性、弾道の高さがピタリ決まらなければパーオンできない難しいホールだ。今回のコースの中では最も強く記憶に残った。

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(中盤、こんな感じのコースが続いた)

 こうした個性的なホールがある一方、似たように雰囲気で、ホールごとの変化が乏しいと感じる場面もあった。

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(グリーン奥のバンカーに特徴がある4番ミドルホール)

 特にOUTコースの2番から6番までは、グリーン奥のバンカーが記憶に残った4番ホール以外、プレー終了後になかなか景観が思い出せなかった。
 このコースの一番の魅力は、景観の美しさや高度な戦略性にあるのではなく、先のゴルフ仲間が話していたように「好スコアが出やすい」点にあるのだろう。

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(フェアウエーは平坦。前4ティがかなり前に置かれていた)
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(しかも、比較的広い。これも好スコアが出やすい理由か)
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(大きなフェアウエーバンカーが単調になりがちなコースに変化をつけている)

 確かにプレーしてみると、花道の広いホールが少なくない。フェアウエーも周囲の山を均して造成したようで、ほとんどが平坦。ティインググランドからピンが見えるホールも多く、初めてでも安心感がある。
 総距離はレギュラーティからなら6,212ヤード。バックティ(6,713ヤード)からと比べると500ヤード以上も短い。
 キャディマスター室の男性スタッフさんにコースレートを尋ねた。「バックティから71.4、レギュラーティから68.8です」。
 「68.8?」。もう少し易しく感じていたので、ちょっと驚いたくらいだった。「自己ベストが出やすい」というのも、うなずける気がする。
 昼食時、クラブハウスの壁に、開場15周年企画として「ベストスコアが出たら、記念にスコアカードをラミネートしてお渡しします」といった趣旨の案内が掲示されているのを発見した。
 本当に「好スコアが出やすいコース」なのだろう。
 ちなみに、腕に自信のある人はバックティからのプレーも可能。「スタート前にキャディマスター室に申請していただければ大丈夫です」と同じ男性スタッフさん。

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(練習場近くの売店とトイレ。無人)
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(自販機にトイレを併設した“売店”)

 コース内には売店・トイレが数ホールおきにあった。練習場近くと4番ホールそばの売店は、自販機を並べた比較的簡単な造り。
 6番と12番のティインググランド近くの売店は無人だが、以前、女性スタッフさんが働いていたことを伺わせる本格的な建物だった。

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(スタッフさんが居なくなった売店。内部は以前のまま)

 12番脇の売店では30分近く雨宿りをした。今にもカウンター越しにスタッフさんがニコニコして現れてきそうな雰囲気。厳しい経費節減のあおりとはいえ、無人の売店は寂寥感が漂う。

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(立派な外観の売店もあった)

 設置場所は全てスコアカードにイラストで明記されているのでとても便利。カードには雷の避難小屋(計6ヶ所)も一緒に掲載されていた。

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(大雨でバンカーにも水がたくさん溜まってしまった)

 大雨でバンカー内に水溜りが出来るなど、コースコンディションは最悪だった。だが、同伴した上級者は「このコースは過去に何度かラウンドしている。以前はベアグランドなどが気になったが最近は改善され、メンテナンスも比較的良好」と話す。
 確かに芝だけでなく、低木の手入れなども行き届いており、全体に綺麗に良くまとまったコースという印象だ。

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(最新型の乗用カートが並ぶクラブハウス)

 乗用カートはヤマハ製の新型5人乗り。好天ならコース内に乗り入れできるルールになっているが、この日はさすがに不可。
 「コース内を走れれば、爽やかなアメリカンスタイルのプレーが楽しめる」(男性スタッフさん)そうなので、次回はぜひ、快晴の下で快感を味わってみたい。

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(乗用カートに搭載されていた「ガイドブック」)

 乗用カートには、各ホールごとのレイアウト図、攻め方、注意点が記された「ガイドブック」が搭載されていた。

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(赤い旗はピンが手前に切ってあることを示す)

 グリーン上のピン位置は、旗の色で、手前(赤)、中央(白)、奥(黄)が分かる仕組み。けっこう大雑把だが、アベレージゴルファー同士、特に不満を漏らす人はいなかった。
 グリーンはベンクロスベントの1グリーン。平均650㎡あり、どこも大きい。日本の歴史ある名門コースには「砲台型で小さな2グリーン」が多いが、そうした所とは好対照だ。
 それだけに、ここで好スコアを出すには3パットをいかに減らすかがカギになる。
 キャディマスター室にいた男性スタッフさんによれば「グリーンの速さは公式には計測していないが、8.0か8.5フィートで、そんなに速くしていません」とのこと。多少軟らかいのか、ピッチマークは目に付いた。

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(植えて間もない細い木も目に付いた)

 開場は1996年(平成8年)7月で、すでに15年が経過している。しかし、まだ幹の細い木もあり、風格が出るまでには至っていない。周辺の山々が自然の豊かさを補い、ラウンド中、猿の姿を真近で目撃した。

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(とにかく緑は豊かだ)
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(ネットのトンネル)
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(乗用カートはここでUターン)
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(防球ネットも所々にあった)

 コース内には2ヶ所、乗用カートがUターンする場所があった。防球ネットも所々に設置されており、開設時、コースレイアウトに相当の工夫が必要だったことを伺わせる。
 コースから離れ、クラブハウスにテーマを移したい。外観は写真で見るように現代的なデザインで、屋根の上の四角い飾り(?)が印象的。
 周囲の景観にも溶け込んだ上質なデザインだが、中に足を踏み入れると、雰囲気はぐっとカジュアルになる。スタッフも「お疲れ様です」と気さくに挨拶。フレンドリーな対応が嬉しい。
 右側に受付、正面にシンプルなデザインの椅子とテーブルを並べたラウンジ。左側には広めのプロショップ。一部の商品は店内からはみ出し、ラウンジや受付周辺にまで進出している。
 PGMグループに所属するパブリックゴルフ場だけに、他のコースと同様、ゴルフ関連商品の販売には極めて熱心だ。
 PGMホールディングスの2011年上期連結決算は、最終損益が20億円の赤字。東日本大震災の影響で入場者数が減少したためで、こうした物販には特に力が入っているのだろう。
 予約時に依頼すれば「キャディ付きプレー」も可能(別途料金3,680円必要)だが、大半の客はセルフプレー。そこで携帯用の「GPSゴルフナビ (Walk along)」を1台525円でレンタル中。最近、中高年の間で人気の中尺パターも1本630円で貸し出している。

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(2階のレストラン)

 2階のレストランに入ると、窓際に千葉県成東町特産の地酒「梅一輪」が樽ごとドーンと陳列されていた。PRにも熱心だ。
 話の順序が違うが、夕方には女性スタッフさんがロビー中央に“出店”し、スイカやナス、キュウリ等の「朝採れ野菜」を販売していた。
 とにかく来場者にはいろいろな形でサービスし、少しでも客単価を上げたいという営業姿勢がはっきり読み取れる。
 別に悪いことではない。豪華な内装や雰囲気を重視し、格調の高さで訴えるゴルフ場も良し。物販やサービスで客に尽くすゴルフ場も良し。それぞれの判断だ。
 レストランからの外の眺めは綺麗だった。目の前に大きな池があり、やや左手には18番ホールの美しいグリーン。雨天でなければ見栄えの良い写真が撮れたはずだが、残念。
 ホームページ(HP)に掲載されている写真で、その計算し尽くされた造形美を確認して頂きたい。
 昼食のメニューは約10種類。ビール(生中)は740円と割高。「ハイボール」の販売に力を入れており、こちらは550円。
 料金はやや高めだが、そう目くじらを立てるほどでもない。「モーニングコーヒー 320円→200円」の嬉しい貼り紙も見つけた。
 全体に綺麗で、初心者にも優しいゴルフ場という印象だが、明らかにもの足りないと感じる場所もあった。練習場である。

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(クラブハウスに隣接する駐車場。練習場はその奥)
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(「鳥かご」練習場。変則的な形をしていた)

 駐車場奥にある「鳥かご」練習場で、打席数はわずか6つ。距離は10ヤード程しかない。ボールは30球で260円。8割方が使い古したものだった
 朝、練習場に向かう途中、同伴者が引き上げてきた。「早いですね」と声を掛けたら「いやぁ、混んでいてね。狭いし、止めちゃったよ。コインをキャディマスター室に返そうと思っているんだ」という。
 雨も本降りになってきたので、自分達も短時間の肩慣らしをしただけでクラブハウスに引き返した。アプローチやバンカーの専用練習場もない。

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(景観の良いパター練習場。1つは「CLOSED」だった)

 パター練習場は2面。うち1面は「closed」。ともに広さは十分にあり、この日使用していた奥の練習場は2段グリーンになっていた。

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(木製のロッカーは高級感があった)

 クラブハウス内部の方が設備は充実していた。ロッカールームは背の高い木製で、高級感もある。間隔がやや狭い嫌いはあるものの、音楽が流れ、外からの光も入って明るい。

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(ロッカールームと脱衣場の間にある休息コーナー)

 ロッカールームの先にある脱衣場は、ちょうど午後のラッシュ時だったこともあり、狭い印象を受けた。通路の途中には中庭のような休憩所がある。
 浴室はオーソドックスな設計。窓の外に白い小石を敷き詰めた日本庭園風のスペースがある。洗い場はパーティションが設けられ利用しやすかった。
 狭いながらも宅配便専用のコーナーがあり、自動精算機も2台並んでいた。トイレは1階に2ヶ所あり、個室の数は5つと2つ。木調で統一され、快適だった。
 大切な料金。最後になってしまったのには訳がある。「アーリーバード」「7時台、10時台スタート限定」「月曜(火曜)サンクスデー」など様々な形での割引プランが多く、肝心の基本料金がはっきり分からないのだ。
 私たちが7月後半にプレーした時も「昼食付」のプランだったので、純粋な「プレー代」をいくらと認識すれば良いのか不明だった。
 後日、ゴルフ場に直接、電話で尋ねてみた。「ハイシーズンとOFFシーズンの基本料金は、それぞれいくらですか」
 「セルフプレー(4バッグ)の場合、例えば10月は平日が9,500円、土曜日が18,800円、日曜日が17,800円。夏季料金の8月は平日が7,800円、土・日曜日が14,800円。いずれも昼食代は別です」という。
 比較してみると、休日と平日との料金格差が大きいことが分かる。平日の来場者を増やすには思い切って値下げせざるを得ないということなのだろう。
 ちなみに割引プランには「昼食付」のものが多く、「昼食代はだいたい1,500円程度」だそうだ。
 今回は悪天候も響いて好スコアを出せなかった。残念ながら「自己ベスト更新」の夢は次回への持ち越しとなった。

2011年7月30日土曜日

ムーンレイクゴルフクラブ=ナイター照明完備。昼も夜もカジュアル感覚で楽しめる美しい丘陵コース

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(この日は6時過ぎに照明が点灯された)

 旧名を「イトーピア千葉ゴルフ倶楽部」という。PGMグループが2009年(平成21年)4月に伊藤忠商事から取得し、名前を現在の「ムーンレイ クゴルフクラブ」に変更した。その名の通りナイタープレーが楽しめ、湖(レイク)の多いゴルフ場だ。PGMグループ入りしたことで雰囲気はカジュアルに、 利用プランは多彩に、料金は割安になった。
 今回(7月下旬の土曜日)は同ゴルフ場ならではのオリジナルプランを申し込んだ。午後2時以降にスタートし、18ホールをスルーで回る「ナイターゴルフ」である。

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(夜間照明灯があるのがコースの特徴)

 プレー終了時間は早くても夕方6時過ぎ。暗くなるが、全ホールにナイター設備があるので心配無用。むしろ幻想的な景観が楽しめるというのが売り物だ。
 午前9時にクルマで家を出た。ゆっくり過ぎてゴルフに行くという感覚ではない。家族も「えっ、これから行くの」と怪訝そうな顔をする。
 都心から京葉道路・千葉東金道路・千葉外房有料道路などを通って約1時間半で到着の予定。
 電車だともっと早い。東京駅発11:00分発の「わかしお7号(安房鴨川行)」に乗ってもJR茂原駅には11:53分に到着する。乗車時間は53分。運賃は片道2180円(自由席利用)。
 送迎用のクラブバスがないのが、このルートの難点だ。パンフレットの交通案内には「タクシー 15分」と記載されているが、念のため電話でゴルフ場に確認してみると、「20分はみて頂いた方が良いかと思います。料金は2,000円程度です」との返事。
 朝の混雑を考え、「余裕を持って来て下さい」と言いたかったのかもしれない。電車だとやはり交通費がかさむ。

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(正面が玄関、右側に受付。コンパクトな設計だ)

 途中の高速道路が混んでいたこともあり、ゴルフ場に着いたのは、ちょうど11時。さすがにこの時間帯はゴルフ場も一服ムード。玄関にも受付カウンターにも、スタッフの姿が見えない。
 エントランスでキョロキョロしていると、人の気配を察したのか、女性スタッフさんが笑顔で現れた。
 「このキャディバッグはどうしましょうか」と指差すと、「ご自分でキャディマスター室前まで運んで下さい」という。いつものゴルフ場とはだいぶ勝手が違う。

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(フロアいっぱいにゴルフ用品が並ぶ)

 正面ロビーにはゴルフクラブやバッグ、手袋、ボールなど関連商品がズラリ。レストランに向かう階段、通路、壁などにも、アパレル商品などが並んでいる。外資系のゴルフ場に良く見られる光景だ。
 「銚子電鉄 いわしの佃煮」「落花生」等、地元の特産品も多く、品揃えは充実している。
 同伴した女性ゴルファーは「私、こういうショップに弱いのよね」と嬉しそう。ポイントを貯めて、しっかり買い物を楽しんでいるという。
 ここではゴルフ場としての風格や高級感を云々するのは野暮で、実利最優先の経営方針に納得するしかない。

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(ちょっと凝った模様が印象的なロッカールーム)

 ロッカーで着替えを済ませ、同伴者と一緒にレストランへ。ゆっくり食事をし、十分練習してからスタートしようという「ゆとり作戦」だ。

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(明るく、カジュアル感のあるレストラン)

 レストランは既に前半の9ラウンドを終えたゴルファーたちで賑わっている。あちらこちらのテーブルから笑い声が聞こえる。

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(注文した「シーフードカレー」はナンとライスが付いて満腹に)

 ランチメニューは1,300円のビーフカレーから1,800円の牛ステーキまで16種類あり、選択肢は豊富。看板メニューは、鉄人シェフ 坂井宏行プロデュースによる「シルクのハヤシライス」(1,480円)。
 全般に値段はやや高め。注文した「シーフードカレー」はボリューム感があった。
 ビール(生中)は680円。ツマミ類は14種類。400円と480円の2種類で、こちらはリーズナブル。
 「新・朝食スタイル」を提案していることもあって、朝食メニューも充実している。
 雑炊、焼き魚定食、うどん・そば、クロワッサンセット、ピザトーストセットなど380円から700円までで種類も多い。

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(窓からはパター練習場とレイクが見えて美しい)

 内装は豪華というより綺麗にまとまっているという感じ。外の景観を楽しむために設置されたピクチャーウインドーから夏の日差しが降り注ぎ、全体に明るい。

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(レストランに隣接するラウンジ)

 隣には広めのラウンジがあった。カジュアル感覚に近いレストランと違って、こちらはやや重厚感がある。近くにマッサージチェアとエスプレッソの自販機(一杯200円)が置かれていた。しばし休憩。

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(スターティングテラスには霧を噴出す大型扇風機「レインボーミスト」が設置されていた)

 普段の慌しいスタート前に比べると、何と時間のゆったりしていることか。スタートまでに、まだ2時間もある。
 受付でコインを購入し、予定通り練習場へと向かう。ドライビングレンジはスターティングテラス近くの階段を降りた所にあった。30球で210円。
 マットが用意されていたのは全部で11打席。いわゆる「鳥かご」で、先までは70ヤード程度しかない。天井も低く、長時間打ち続ける気にはなれなかった。ボールも黄ばんだものが1割近く混ざっていた。

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(「鳥かご」の側にはバンカー練習場があった)

 バンカー練習場が備わっている点は良かった。クラブハウス正面にあるパター練習場も広く、整備状態も良好。
 目の前に大きな池があり、景観が素晴らしい。
 「レイク」は湖の意。他のゴルフ場には湖というより池、あるいは沼と表現した方がいい場所も多々あるが、この池は「レイク」と呼んでもおかしくない大きさだ。
 午後1時を過ぎて、パター練習場にゴルファーが増えてきた。若い人が目立つ。
 「1時30分からナイタープレーの受付を開始します」と言われていたのを思い出し、急ぎクラブハウスへと戻る。
 既に数人が受付カウンター近くに集合している。「スタート券を(自販機で)買って下さい」と男性スタッフさんから指示された。
 他の客は慣れたもので、みなスムーズに手続きを済ませている。ナイターゴルフの常連客なのだろう。
 「用紙にサインして、貴重品ボックスから現金を出し、自販機に並んで・・・」。慣れてしまえば簡単な手順なのだが、初めてだとちょっと戸惑う。不慣れな客にはもう少し早めに、丁寧に仕組みを教えてほしいと思った。

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(季節柄、花は乏しかったが、クラブハウス前には花壇があり、目を楽しませてくれた)

 ここは全て乗用カート利用で、セルフプレーが基本。ハウスキャディは不在だが、予約時に依頼しておけばキャディ付プレーも可能。

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(OUTコースの1番ホール。池とクラブハウスが美しい)

 到着から3時間。やっとスタートの時を迎えた。OUTコース1番ミドルホールのティインググランドに立つ。
 「綺麗なコースだ」というのが第一印象。左サイドに先ほどの「レイク」と、平屋建てで落ち着いた外観のクラブハウス。フェアウエーは思った以上にフラットである。
 空模様が怪しくなり、写真の見栄えが悪くなってしまったのが惜しまれるが、実際は「レイク」だけでなく樹木が巧みに配置され、美しい景観美が演出されている。
 パブリックコースで、開場は2000年(平成12年)4月。まだ10年ちょっとの歴史しかないが、その割に自然が豊かに見えるのは周囲の山々を上手く景観に取り込んでいるためだろう。

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(こんな美しい景観が随所で見られる)

 OUTコースで景観の美しさが際立ったのが、この1番のほか、5番と9番。午後に回ったINコースの10番、17番など。
 いずれも池が効果的に配されている。10番などはクラブハウスを背に、いかにも女性ゴルファーが喜びそうな、穏やかで、絵になる光景が見られる。

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(フェアウエーバンカーも手強かった)
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(池とバンカーがボールを呼んでいるかのように見えた)

 景観より谷越えやバンカーの多さ、難しさで印象に残ったホールも多い。2番、7番、11番、14番、16番、18番などだ。
 各ホールの景観や雰囲気はネットに掲載されている楽天「フォトギャラリー」を参照してほしい。

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(池があると、景観がグッと美しくなる)
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(池は気にしないよう心掛けたが、それでも気になる)
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(コースからそれた所にある池も目立った)

 名前の通り池は多いが、大半はハザードというより景色を美しく演出するための役割を担っているように感じられた。

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(池越えを狙うか、迂回ルートを選択するか、悩ましい)

 厳しい池越えのホールは少なく、安全策を取れば池を避けてプレーすることも出来るので、アベレージゴルファーでも十分に攻略方法はある。
 コースレートはバックティ(旧チャンピオンティ)から71.8(6,742ヤード)、レギュラーティ(旧バックティ)から70.1(6,377ヤード)、フロントティ(旧レギュラーティ)から68.6(5,971ヤード)。

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(フロントティからだと、300ヤードを切る短いミドルホールも登場する)

 この日、プレーしたのは白マークのフロントティから。後で知ったが、レギュラーティ(旧バックティ)からもハンディキャップに関係なく、事前に申し出さえすればプレーが可能だという。
 ただし、バックティ(旧チャンピオンティ)からプレーするには4人のトータルハンディが32以下でないと不可。3サムなら全員が10以下のハンディでないとプレーできない。
 景観の美しさにばかり気を取られたが、元来は距離のある本格的なコースである。

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(池よりもバンカーが厳しいホールもある)

 今回、同伴者は池の存在よりより、むしろ砂のないバンカーに苦戦し、スコアを乱していた。
 上級者からは「砂が少ない時は、(ボールが)目玉状態になっていると思って、上からドンと打ち込むといい」と教えられた。

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(丘陵コースの割にフェアウエーはフラットな所が多い)

 全体は房総丘陵に広がるコースで、適度のアンジュレーションはあるものの、フェアウエーは概ね平坦。歩いていても疲れは少ない。

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(時にはアンジュレーションのきついフェアウエーも)
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(各ホールの看板は意外にシンプル)

 OUTコースに比べINコースの方が1つ1つのホールに個性があって面白く、難易度もやや高いように感じられた。実際、スコアもINコースの方が悪かった。
 ただ、同伴者のうち2人は「INコースの方がスコアが改善した」そうだから、プレーヤーによって感じ方は異なる。その範囲内での違いだ。

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(15番のロングホール。グリーン手前のバンカーにつかまった)
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(16番。ショートホールの中では最も距離があった)
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(大きな砲台グリーンに手こずらされた)

 グリーンはベントのワングリーン。かなり広く、ファーストパットの巧拙がスコアを左右する。速さは「8.0から8.5くらいで、あまり速くない」とマスター室の男性スタッフさん。

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(ボール(ピッチ)マークを直そうと呼びかけるが…)

 表面は軟らかめで、ピッチマークが目に付いた。「必ずグリーンフォークを携帯し、自分で付けたマークは自分で直しましょう」という趣旨の注意書きがたくさん見られたが、その割にマナーが守られていないのは残念。
 極端な傾斜はなく、比較的素直なグリーンなので、パターがしっかり打てれば好スコアも期待できる。

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(ヤード標識は工夫があり、見やすかった)

 フェアウエーはグリーン以上にメンテナンスがしっかりできていた。グリーンまでの残り表示も工夫が凝らされ、分かりやすい。
 ティインググランドは平均4つ。ロングホールには5つ設けられていて全体に広々としたイメージ。ただ特設ティ(前4)がかなり前に設置されているホールもあり、気になった。
 「これじゃあOBの方が楽じゃないの」と同伴者も苦笑い。プレーの進行をスムーズにするための措置とはいえ、「自分では絶対にここまでは飛ばない」という地点からの打ち直しに、本人も気恥ずかしそうだった。

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(夜間照明灯がこのコースの顔だ)
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(高圧線の鉄塔が近くを通る)

 ナイター照明が随所にあるのも、このコースの大きな特徴。空を見上げると、照明設備と高圧線の鉄塔がしばしば目に入る。

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(売店は無人で、自動販売機が並ぶ)

 2ヶ所の売店は共に無人。中は蒸し暑く、店内の自販機で飲料を購入してサッサと外に出た。
 コース内を乗用カートで巡回している男性スタッフさんが、にこやかに会釈してくれたのは好印象。2度3度と同じシーンが続いたので、そうした教育が行き届いているのだろう。

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(GPSカートナビは高機能で便利だった)

 乗用カートには最新型のGPS機能付きナビシステムが搭載されていて便利。時々、画面が変わり、音楽が流れて、ショップの宣伝が始まったのには驚いた。

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(夕闇が迫ると、ライトアップが気になる)

 夕闇迫る中、終盤のホールをプレーした。いよいよナイター照明が点灯する。情景が刻々と変化し、雰囲気が変わる。気温も下がる。「日焼けしないからナイタープレーが好き」と女性の同伴者。
 ナイターゴルフではコースから外れてしまったボールが見つかりにくいという弱点はある。しかし上手く打てた時、真っ暗な空の中を白く輝くボールがスーと飛んでいく様はまさに快感。ナイタープレーの醍醐味だ。
 今回は2時スタートだったので、ナイタープレーは短時間しか体感できなかったが、好きな人は暗くなり始めた夕方からスタートするという。
 「ムーンレイクGC」では3月中旬から11月末までは午後2時以降、順次スタートし、最終スタート時間は1ラウンドの場合が6時30分、ハーフプレーの場合が9時となっている。冬場はハーフプレーのみで、スタート時間も最終が4時となる。
 料金は平日が9,000円(1ラウンド、以下同)、休日が11,000円。時季にもよるが、今回のように早めのスタート時間なら、ほとんど通常のプレーと同じ環境でゆっくり、安くラウンドできる。
 しかも「ナイターは2サム保証で、その割増料金もない」そうだから、近場のゴルファーには有り難い。
 ちなみにランチタイムを挟む通常プレーの場合、ハイシーズンの基本料金は平日が9,500円(昼食別、以下同)、土曜日18,500円、日曜日17,500円。
 これが7月になると、平日8,900円、土曜日16,800円(食事付)、日曜日15,800円(同)になる。8月は平日8,500円、土日曜日がともに15,800円(食事付)。
 ナイタープレーは食事別だが、割安感がある。体力的に18ホールをスルーで回るのが辛いという人でなければ、利用しやすいプランだ。

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(清潔な感じの脱衣場)

 浴室などの設備について紹介したい。脱衣場は一般的な広さだが、明るく、清潔感がある。浴室は窓の外に狭い中庭のようなスペースがあるのが特徴。遠景は見えない。
 トイレは個室が7室。横幅が広く、とても使いやすい。
全体に豪華さはないがコンパクトで、機能的にも過不足のない、整ったクラブハウスという印象だ。
 最後に、予約時にスタッフさんから聞いた興味深い情報があるので、ご紹介したい。
 「ネットで検索すると、例えば9,000円のプレー料金を7,000円で提供しているようなプランが登場します。そのままネット予約をして頂いても構い ませんが、ゴルフ場に電話した際に『ネットで7,000円のプランを見たよ』と言っていただければ、それと同じ料金で予約できます」。
 時季にもよると思うが、知っておいて損のない話。
 他にも様々な割引サービスを取り入れているので、小まめにホームページ(HP)を見てチェックしたい。