2011年7月30日土曜日
ムーンレイクゴルフクラブ=ナイター照明完備。昼も夜もカジュアル感覚で楽しめる美しい丘陵コース
(この日は6時過ぎに照明が点灯された)
旧名を「イトーピア千葉ゴルフ倶楽部」という。PGMグループが2009年(平成21年)4月に伊藤忠商事から取得し、名前を現在の「ムーンレイ クゴルフクラブ」に変更した。その名の通りナイタープレーが楽しめ、湖(レイク)の多いゴルフ場だ。PGMグループ入りしたことで雰囲気はカジュアルに、 利用プランは多彩に、料金は割安になった。
今回(7月下旬の土曜日)は同ゴルフ場ならではのオリジナルプランを申し込んだ。午後2時以降にスタートし、18ホールをスルーで回る「ナイターゴルフ」である。
(夜間照明灯があるのがコースの特徴)
プレー終了時間は早くても夕方6時過ぎ。暗くなるが、全ホールにナイター設備があるので心配無用。むしろ幻想的な景観が楽しめるというのが売り物だ。
午前9時にクルマで家を出た。ゆっくり過ぎてゴルフに行くという感覚ではない。家族も「えっ、これから行くの」と怪訝そうな顔をする。
都心から京葉道路・千葉東金道路・千葉外房有料道路などを通って約1時間半で到着の予定。
電車だともっと早い。東京駅発11:00分発の「わかしお7号(安房鴨川行)」に乗ってもJR茂原駅には11:53分に到着する。乗車時間は53分。運賃は片道2180円(自由席利用)。
送迎用のクラブバスがないのが、このルートの難点だ。パンフレットの交通案内には「タクシー 15分」と記載されているが、念のため電話でゴルフ場に確認してみると、「20分はみて頂いた方が良いかと思います。料金は2,000円程度です」との返事。
朝の混雑を考え、「余裕を持って来て下さい」と言いたかったのかもしれない。電車だとやはり交通費がかさむ。
(正面が玄関、右側に受付。コンパクトな設計だ)
途中の高速道路が混んでいたこともあり、ゴルフ場に着いたのは、ちょうど11時。さすがにこの時間帯はゴルフ場も一服ムード。玄関にも受付カウンターにも、スタッフの姿が見えない。
エントランスでキョロキョロしていると、人の気配を察したのか、女性スタッフさんが笑顔で現れた。
「このキャディバッグはどうしましょうか」と指差すと、「ご自分でキャディマスター室前まで運んで下さい」という。いつものゴルフ場とはだいぶ勝手が違う。
(フロアいっぱいにゴルフ用品が並ぶ)
正面ロビーにはゴルフクラブやバッグ、手袋、ボールなど関連商品がズラリ。レストランに向かう階段、通路、壁などにも、アパレル商品などが並んでいる。外資系のゴルフ場に良く見られる光景だ。
「銚子電鉄 いわしの佃煮」「落花生」等、地元の特産品も多く、品揃えは充実している。
同伴した女性ゴルファーは「私、こういうショップに弱いのよね」と嬉しそう。ポイントを貯めて、しっかり買い物を楽しんでいるという。
ここではゴルフ場としての風格や高級感を云々するのは野暮で、実利最優先の経営方針に納得するしかない。
(ちょっと凝った模様が印象的なロッカールーム)
ロッカーで着替えを済ませ、同伴者と一緒にレストランへ。ゆっくり食事をし、十分練習してからスタートしようという「ゆとり作戦」だ。
(明るく、カジュアル感のあるレストラン)
レストランは既に前半の9ラウンドを終えたゴルファーたちで賑わっている。あちらこちらのテーブルから笑い声が聞こえる。
(注文した「シーフードカレー」はナンとライスが付いて満腹に)
ランチメニューは1,300円のビーフカレーから1,800円の牛ステーキまで16種類あり、選択肢は豊富。看板メニューは、鉄人シェフ 坂井宏行プロデュースによる「シルクのハヤシライス」(1,480円)。
全般に値段はやや高め。注文した「シーフードカレー」はボリューム感があった。
ビール(生中)は680円。ツマミ類は14種類。400円と480円の2種類で、こちらはリーズナブル。
「新・朝食スタイル」を提案していることもあって、朝食メニューも充実している。
雑炊、焼き魚定食、うどん・そば、クロワッサンセット、ピザトーストセットなど380円から700円までで種類も多い。
(窓からはパター練習場とレイクが見えて美しい)
内装は豪華というより綺麗にまとまっているという感じ。外の景観を楽しむために設置されたピクチャーウインドーから夏の日差しが降り注ぎ、全体に明るい。
(レストランに隣接するラウンジ)
隣には広めのラウンジがあった。カジュアル感覚に近いレストランと違って、こちらはやや重厚感がある。近くにマッサージチェアとエスプレッソの自販機(一杯200円)が置かれていた。しばし休憩。
(スターティングテラスには霧を噴出す大型扇風機「レインボーミスト」が設置されていた)
普段の慌しいスタート前に比べると、何と時間のゆったりしていることか。スタートまでに、まだ2時間もある。
受付でコインを購入し、予定通り練習場へと向かう。ドライビングレンジはスターティングテラス近くの階段を降りた所にあった。30球で210円。
マットが用意されていたのは全部で11打席。いわゆる「鳥かご」で、先までは70ヤード程度しかない。天井も低く、長時間打ち続ける気にはなれなかった。ボールも黄ばんだものが1割近く混ざっていた。
(「鳥かご」の側にはバンカー練習場があった)
バンカー練習場が備わっている点は良かった。クラブハウス正面にあるパター練習場も広く、整備状態も良好。
目の前に大きな池があり、景観が素晴らしい。
「レイク」は湖の意。他のゴルフ場には湖というより池、あるいは沼と表現した方がいい場所も多々あるが、この池は「レイク」と呼んでもおかしくない大きさだ。
午後1時を過ぎて、パター練習場にゴルファーが増えてきた。若い人が目立つ。
「1時30分からナイタープレーの受付を開始します」と言われていたのを思い出し、急ぎクラブハウスへと戻る。
既に数人が受付カウンター近くに集合している。「スタート券を(自販機で)買って下さい」と男性スタッフさんから指示された。
他の客は慣れたもので、みなスムーズに手続きを済ませている。ナイターゴルフの常連客なのだろう。
「用紙にサインして、貴重品ボックスから現金を出し、自販機に並んで・・・」。慣れてしまえば簡単な手順なのだが、初めてだとちょっと戸惑う。不慣れな客にはもう少し早めに、丁寧に仕組みを教えてほしいと思った。
(季節柄、花は乏しかったが、クラブハウス前には花壇があり、目を楽しませてくれた)
ここは全て乗用カート利用で、セルフプレーが基本。ハウスキャディは不在だが、予約時に依頼しておけばキャディ付プレーも可能。
(OUTコースの1番ホール。池とクラブハウスが美しい)
到着から3時間。やっとスタートの時を迎えた。OUTコース1番ミドルホールのティインググランドに立つ。
「綺麗なコースだ」というのが第一印象。左サイドに先ほどの「レイク」と、平屋建てで落ち着いた外観のクラブハウス。フェアウエーは思った以上にフラットである。
空模様が怪しくなり、写真の見栄えが悪くなってしまったのが惜しまれるが、実際は「レイク」だけでなく樹木が巧みに配置され、美しい景観美が演出されている。
パブリックコースで、開場は2000年(平成12年)4月。まだ10年ちょっとの歴史しかないが、その割に自然が豊かに見えるのは周囲の山々を上手く景観に取り込んでいるためだろう。
(こんな美しい景観が随所で見られる)
OUTコースで景観の美しさが際立ったのが、この1番のほか、5番と9番。午後に回ったINコースの10番、17番など。
いずれも池が効果的に配されている。10番などはクラブハウスを背に、いかにも女性ゴルファーが喜びそうな、穏やかで、絵になる光景が見られる。
(フェアウエーバンカーも手強かった)
(池とバンカーがボールを呼んでいるかのように見えた)
景観より谷越えやバンカーの多さ、難しさで印象に残ったホールも多い。2番、7番、11番、14番、16番、18番などだ。
各ホールの景観や雰囲気はネットに掲載されている楽天「フォトギャラリー」を参照してほしい。
(池があると、景観がグッと美しくなる)
(池は気にしないよう心掛けたが、それでも気になる)
(コースからそれた所にある池も目立った)
名前の通り池は多いが、大半はハザードというより景色を美しく演出するための役割を担っているように感じられた。
(池越えを狙うか、迂回ルートを選択するか、悩ましい)
厳しい池越えのホールは少なく、安全策を取れば池を避けてプレーすることも出来るので、アベレージゴルファーでも十分に攻略方法はある。
コースレートはバックティ(旧チャンピオンティ)から71.8(6,742ヤード)、レギュラーティ(旧バックティ)から70.1(6,377ヤード)、フロントティ(旧レギュラーティ)から68.6(5,971ヤード)。
(フロントティからだと、300ヤードを切る短いミドルホールも登場する)
この日、プレーしたのは白マークのフロントティから。後で知ったが、レギュラーティ(旧バックティ)からもハンディキャップに関係なく、事前に申し出さえすればプレーが可能だという。
ただし、バックティ(旧チャンピオンティ)からプレーするには4人のトータルハンディが32以下でないと不可。3サムなら全員が10以下のハンディでないとプレーできない。
景観の美しさにばかり気を取られたが、元来は距離のある本格的なコースである。
(池よりもバンカーが厳しいホールもある)
今回、同伴者は池の存在よりより、むしろ砂のないバンカーに苦戦し、スコアを乱していた。
上級者からは「砂が少ない時は、(ボールが)目玉状態になっていると思って、上からドンと打ち込むといい」と教えられた。
(丘陵コースの割にフェアウエーはフラットな所が多い)
全体は房総丘陵に広がるコースで、適度のアンジュレーションはあるものの、フェアウエーは概ね平坦。歩いていても疲れは少ない。
(時にはアンジュレーションのきついフェアウエーも)
(各ホールの看板は意外にシンプル)
OUTコースに比べINコースの方が1つ1つのホールに個性があって面白く、難易度もやや高いように感じられた。実際、スコアもINコースの方が悪かった。
ただ、同伴者のうち2人は「INコースの方がスコアが改善した」そうだから、プレーヤーによって感じ方は異なる。その範囲内での違いだ。
(15番のロングホール。グリーン手前のバンカーにつかまった)
(16番。ショートホールの中では最も距離があった)
(大きな砲台グリーンに手こずらされた)
グリーンはベントのワングリーン。かなり広く、ファーストパットの巧拙がスコアを左右する。速さは「8.0から8.5くらいで、あまり速くない」とマスター室の男性スタッフさん。
(ボール(ピッチ)マークを直そうと呼びかけるが…)
表面は軟らかめで、ピッチマークが目に付いた。「必ずグリーンフォークを携帯し、自分で付けたマークは自分で直しましょう」という趣旨の注意書きがたくさん見られたが、その割にマナーが守られていないのは残念。
極端な傾斜はなく、比較的素直なグリーンなので、パターがしっかり打てれば好スコアも期待できる。
(ヤード標識は工夫があり、見やすかった)
フェアウエーはグリーン以上にメンテナンスがしっかりできていた。グリーンまでの残り表示も工夫が凝らされ、分かりやすい。
ティインググランドは平均4つ。ロングホールには5つ設けられていて全体に広々としたイメージ。ただ特設ティ(前4)がかなり前に設置されているホールもあり、気になった。
「これじゃあOBの方が楽じゃないの」と同伴者も苦笑い。プレーの進行をスムーズにするための措置とはいえ、「自分では絶対にここまでは飛ばない」という地点からの打ち直しに、本人も気恥ずかしそうだった。
(夜間照明灯がこのコースの顔だ)
(高圧線の鉄塔が近くを通る)
ナイター照明が随所にあるのも、このコースの大きな特徴。空を見上げると、照明設備と高圧線の鉄塔がしばしば目に入る。
(売店は無人で、自動販売機が並ぶ)
2ヶ所の売店は共に無人。中は蒸し暑く、店内の自販機で飲料を購入してサッサと外に出た。
コース内を乗用カートで巡回している男性スタッフさんが、にこやかに会釈してくれたのは好印象。2度3度と同じシーンが続いたので、そうした教育が行き届いているのだろう。
(GPSカートナビは高機能で便利だった)
乗用カートには最新型のGPS機能付きナビシステムが搭載されていて便利。時々、画面が変わり、音楽が流れて、ショップの宣伝が始まったのには驚いた。
(夕闇が迫ると、ライトアップが気になる)
夕闇迫る中、終盤のホールをプレーした。いよいよナイター照明が点灯する。情景が刻々と変化し、雰囲気が変わる。気温も下がる。「日焼けしないからナイタープレーが好き」と女性の同伴者。
ナイターゴルフではコースから外れてしまったボールが見つかりにくいという弱点はある。しかし上手く打てた時、真っ暗な空の中を白く輝くボールがスーと飛んでいく様はまさに快感。ナイタープレーの醍醐味だ。
今回は2時スタートだったので、ナイタープレーは短時間しか体感できなかったが、好きな人は暗くなり始めた夕方からスタートするという。
「ムーンレイクGC」では3月中旬から11月末までは午後2時以降、順次スタートし、最終スタート時間は1ラウンドの場合が6時30分、ハーフプレーの場合が9時となっている。冬場はハーフプレーのみで、スタート時間も最終が4時となる。
料金は平日が9,000円(1ラウンド、以下同)、休日が11,000円。時季にもよるが、今回のように早めのスタート時間なら、ほとんど通常のプレーと同じ環境でゆっくり、安くラウンドできる。
しかも「ナイターは2サム保証で、その割増料金もない」そうだから、近場のゴルファーには有り難い。
ちなみにランチタイムを挟む通常プレーの場合、ハイシーズンの基本料金は平日が9,500円(昼食別、以下同)、土曜日18,500円、日曜日17,500円。
これが7月になると、平日8,900円、土曜日16,800円(食事付)、日曜日15,800円(同)になる。8月は平日8,500円、土日曜日がともに15,800円(食事付)。
ナイタープレーは食事別だが、割安感がある。体力的に18ホールをスルーで回るのが辛いという人でなければ、利用しやすいプランだ。
(清潔な感じの脱衣場)
浴室などの設備について紹介したい。脱衣場は一般的な広さだが、明るく、清潔感がある。浴室は窓の外に狭い中庭のようなスペースがあるのが特徴。遠景は見えない。
トイレは個室が7室。横幅が広く、とても使いやすい。
全体に豪華さはないがコンパクトで、機能的にも過不足のない、整ったクラブハウスという印象だ。
最後に、予約時にスタッフさんから聞いた興味深い情報があるので、ご紹介したい。
「ネットで検索すると、例えば9,000円のプレー料金を7,000円で提供しているようなプランが登場します。そのままネット予約をして頂いても構い ませんが、ゴルフ場に電話した際に『ネットで7,000円のプランを見たよ』と言っていただければ、それと同じ料金で予約できます」。
時季にもよると思うが、知っておいて損のない話。
他にも様々な割引サービスを取り入れているので、小まめにホームページ(HP)を見てチェックしたい。
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