2011年10月2日日曜日
かすみがうらOGMゴルフクラブ=大小13の池を配した全27ホールの林間コース。冠の「霞ヶ浦」は見えず残念
(フラットな地形。池が戦略性を高める)
(池が印象に残るホールが多い)
(木々の種類も多い。落ち着いた感じの林間コースだ)
景勝の地「霞ヶ浦」の湖畔にはゴルフ場が集中している。首都圏からも比較的近いとあって、人気が高い。「かすみがうらOGMゴルフクラブ」もその 一つ。1981年(昭和56年)11月の開場で、すでに30年の歴史を持つ。コース内から「霞ヶ浦」の景観が見えないのには少々ガッカリしたが、その分、 13もの池が配置され、水には十分親しむことができる。フラットなコースで好スコアも出やすいそうだ。
名前のOGMは「オリックス・ゴルフ・マネジメント」とのこと。長く「霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部」として営業してきたが、2007年(平成19 年)7月に経営破たん。東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。以来、オリックスグループの支援を受けながら再建に努めてきた。現在の名前に変更したの は2008年1月。
東日本大震災の際には老朽化していたクラブハウスが傷つき、8月中旬まで約5ヵ月間、プレハブでの営業を強いられてきた。今回、訪れたのは「補強工事などが全て完了。リニューアルオープンした」と聞いたからだ。
暑い夏が去り、季節もベストの状態に戻った10月上旬の休日、仲間と共に一路、霞ヶ浦を目指した。
移動手段にはクルマを選択した。JR常磐線の神立(かんだつ)駅からクラブバスが出ていることは承知していたが、同駅には特急電車が停車せず、東京からだと思った以上に時間が掛かると判断したからだ。
当日は常盤自動車道路を走り、土浦北ICへ。ここまでは極めてスムーズ。
ホームページ(HP)によると「土浦北ICより17㎞、約25分」とある。
事前にゴルフ場に電話してみたところ、「今年2月に新道が開通し、10分近く早く到着できるようになりました」と教えられたので、アクセス面は楽観していた。
実際は初めての道を走ったこともあり35分かかった。帰りは一部渋滞があり、同ICまで45分を要した。クルマの場合、常にスムーズに走れるとは限らない。常に余裕を持って動くことが大切だ。
「神立駅からはクラブバスで約15分」だという。朝は平日2便、休日3便。結果的にはクルマでも電車でも、時間距離には大差なかったのかもしれない。
到着したクラブハウスは震災から完全復活しているように見えた。建物は2階建てで、昔のゴルフ場によくみられる構造。ただオリックスグループとして再出発した2008年春に一度、大規模な改修工事が施されている。
今回の補強工事で再度、手が加えられたため、一部厚化粧の感はあるものの、リニューアル直後ということもあり内部は綺麗。全体としてはスッキリした印象を受ける。
(リニューアルされた受付。スタッフィさんも親切だった)
(1階のラウンジにはテレビや雑誌が置かれていた)
エントランスを入って右側に受付。正面にプロショップ。左側がラウンジ。天井が吹き抜けになっているのと、プロショップの商品が通路にはみ出さず整然と並べられていたことが、狭い空間を広く感じさせている。
レストランに向かう階段脇に「ワンコイン朝食メニュー」の看板を見つけた。「豚汁納豆定食」「クロワッサンセット」など6種類が全て500円で食べられる。全てコーヒー・紅茶付。これは嬉しいサービス。
(スターティングテラス。華やかさはない)
(手前がパター練習場。その奥に「鳥かご」のドライビングレンジ)
(ボールは大半が中古品。白いボールは数えるほど)
スターティングテラス前のトンネルをくぐった先にパター練習場とドライビングレンジが縦に並んであった。
打席は11(うち1つはサウスポー用)。ボールは30球で350円。いわゆる「鳥かご」なので、先までは40ヤード程度しかない。
この日ラウンドしたのは「南コース」と「中コース」。他に「東コース」があり、「南コース」は開場後、暫くたってから追加されたコースだという。「開放感のあるアメリカンタイプのコース」というのがキャッチフレーズだ。
設計思想が近い「中」と「東」を回るより、後から追加されたとはいえ、タイプの異なる「南」を入れた方が、コース全体のありようが分かるかもしれないと期待した。
乗用カートに揺られながら、その「南コース」1番ホールへと向かう。進行が遅れているようで、別のカートが3台も待っている。
(南コースの1番ホール近くにはバンカー練習場がある)
(南コース側のパター練習場のグリーンは荒れ気味)
「これだと20分以上、待たされるね」と同伴者。だが、近くに簡単なパター練習場とバンカー練習場があるのに気付き、皆、クラブを抱えてそちらへ。おかげで時間を持て余すことはなかった。
(乗用カートには各ホールごとのレイアウト図などが搭載されていた)
(南コースの1番ホール。「しっかり振り抜く」ことだけを考えてティショット)
1番ロングホールは右サイドの林(OBゾーン)が気になるものの、平坦で、フェアウエーも結構、広い。左サイドの池は適度の緊張感と景観の美しさを演出するための舞台装置のように感じられた。
この第一印象は結局、9番ホールまで続いた。キーワードは「林」「フラット」「広い」「池」。
(南コースは総じて平坦。フェアウエーも広い)
(青ティがレギュラー、白はフロント、赤がレディース。青の後ろに黒のバックティとチャンピオンティがある)
(後ろの組に付いていたキャディさん)
(ティインググランドから230ヤード付近に立つ目印のフラッグ)
(所々に深いバンカーも用意されていた)
(南コースのコース売店は老朽化が気になった)
(南コース6番ショートホール。難しいが、美しいホールだった)
(南コース8番ホールに向かう途中には長い防球ネットがある)
(大きな池越えの8番ホールには「前4」があった)
(南コースはアプローチしやすいホールが多かった)
(フェアウエーサイドに池が続く南コース9番ホール)
(クラブハウスとコースの間の移動ではこんなトンネルも通る)
各ホールのレイアウトや雰囲気は、楽天が提供している「ゴルフ場フォトギャラリー」=http://gora.golf.rakuten.co.jp/doc/guide/ria/ibaraki.html=で詳しく見ることが出来るので、ぜひそちらを参照して頂きたい。
実際に「南コース」をラウンドしてみて、上記のキーワード以外に気がついた点が幾つかあったので、まとめておきたい。
①ティインググランドは概ね5つ。競技会用の「チャンピオンティ」と「バックティ」「レギュラーティ」「フロント(シルバー)ティ」「レディース ティ」だ。ティインググランドの数を増やして、各自のスキルや事情に合わせてプレーが出来るよう工夫されている。バックティの利用は事前申請が必要で、 「4人の合計ハンディが60以下」というのが条件。ちなみに「前方特設ティ」があるのは南コースでは7番と8番のみ。全部ではない。これは妥当な措置と感 じた。
②「南→中」コースの場合、全長距離はバックティからで6,593ヤード、レギュラーティからで6,225ヤード。「東→中」コースの方がそれぞれ 数十ヤード長くなるが、距離的にはやや短め。しかも休日で入場者数が多かったせいか、表示よりもかなり前にティマークが置かれているケースが目立った。例 えば5番ミドルホールはレギュラーティから343ヤード。実際はフロイントティ(321ヤード)の近くに置かれ、本来の表示より20ヤードも短かった。
ラウンド中、コースを易しく感じたのは、この距離の短さも関係していたようだ。
③ショートホールを除き、フェアウエーが左右にカーブしているホールが多い。ティインググランドからピンが見えないため、常に230ヤード地点に立っている目印の旗を狙ってショットすることになる。
④「池」以外のハザードが少ない。フェアウエー上に立ち木はほとんどなく、深く厳しいバンカーも数える程度。谷やクリークはなし。池がらみは1番、 2番、6番、8番、9番。このうち最も印象的だったのは、池越えのティショットが求められる8番ホール。最初の1番と最後の9番がロングホール。共に左サ イドに池があり、似たような印象。
(グリーンコンディションが細かく表示されていた)
⑤グリーンは全コース、ベント芝の1グリーン。クラブハウス近くに「本日のグリーン状況」として刈り高(4.2㎜)やコンパクション=グリーンや フェアウェーなど土壌の硬さを表すために使われる尺度で 硬くなるほど数値が大きくなる(9.5)、速さ(8.5フィート)を表示した看板が出ていた。「しっかりメンテナンスしていますよ」というアピールだろ う。ピッチマークの付き具合からしてグリーンは確かに軟らかめ。速さは表示数字より、もう少し遅い感じがした。ピン位置にもよるが、きついアンジュレー ションはなく、素直なグリーンという印象。アプローチもしやすかった。グリーンの50ヤード手前に残り距離を示す杭があるのは、とても有り難かった。
(池の多くは板でしっかり縁取られていた。水面の汚れが惜しまれる)
⑥コースのメンテナンスもまずまず。「素晴らしい」という感じではないが、特段、気になるような粗もなかった。9月に関東地方を直撃した台風で、大 木を何本もなぎ倒された林間コースがあるが、ここの被害は比較的軽微だったようだ。折れた枝も少ない。ただ、名物である「池」の水が一部汚れたままの状態 だったのは残念。
⑦期待していた「霞ヶ浦」は林に遮られ、その姿を見ることが出来なかった。それでも景観的には綺麗にまとまっているホールが多いと感じた。長い歴史 を経て樹木に独特の味わいが出てきたのに加え、ここでは高圧線の電線や鉄塔が視界に入ってこないことがプラスに働いている。終盤の数ホールには夜間照明設 備があり、暗くなるとコースが美しくライトアップされる。
戦略的にも景観的にも「池」の存在が大きい。池嫌いの人には難儀だろうが、それさえ克服できれば、全体としては素直な設計で、のびのびプレーできるコース。そんな感想を抱いて午前中のプレーを終了した。
午後、「中コース」を回った。基本的には同じ林間コースだったが、面白さや趣、個性といった点で「中コース」の方がより魅力的に感じた。
一つひとつのハザードに意味が感じられるし、景観的にも「絵になるシーン」が増えてきた。
(中コース1番ホール。フェアウエーがうねり、難度が増す)
(グリーンセンターまで50ヤードの地点に置かれた杭。アプローチの際、とても役に立った)
例えば1番ミドルホール。広く、平坦だった「南コース」の1番ホールに比べると、フェアウエーは狭く、微妙なアンジュレーションもある。「落ち着いた本格的な林間コース」。そんな雰囲気が漂う。
池はフェアウエー右サイドに加え、グリーン手前にも配されている。この場所の方がハザードとしては厳しい。左右の池には美しい石橋が掛かり、ひと目で「造り込んだコース」と直感した。
(中コース2番のグリーンからは、ちょうどクラブハウスが正面に見える)
2番ホール以降も上質な感じのホールが続いた。同伴者は「ティショットの落とし所近辺にハザードがあるし、手強いバンカーもある。ちゃんとした林間コースだ」と感想を漏らしていた。
(古木の佇まいからは、コースの風格が感じられた)
(各コースの終盤には「夜間照明設備」が整っていた)
(自慢の樹木にはネームプレートが付いている)
(毎日のコースメンテナンスが欠かせない)
(中コースの売店はリニューアルされていた)
(最近は女性ゴルファーも増えてきた)
(林の中でボールを探していたらクモに遭遇。大きく、とても元気だった)
(グリーン近くにある池は要注意)
(スコアの差が歩き方にも表れる?)
(フェアウエー上の池を越すにはキャリーで195ヤードが必要)
(グリーンを外すとリカバリーが大変だった)
ロングホールが最後の8番、9番と続くなど、コース設計はやや変則的。詳しくは「南コース」同様、楽天の「ゴルフ場フォトギャラリー」を参照して頂ければ思う。
そのギャラリーで、もう一つの「東コース」を見ると、佇まいは「中コース」と似た感じがした。
キャディマスター室にいた男性スタッフさんは「東は距離も長く、オーソドックスな林間コースで、中コースとはまた別の面白さがありますよ」と強調するのだが・・・。
次回はぜひ「東コース」をラウンドし、この目で、実際のところを確かめてみたい。
コースレートは「南中コース」でレギュラーティから69.2(バックティから70.8)、「中東コース」で同じく69.7(同71.0)、「東南コース」で同70.0(同71.7)。
(2階のレストラン。高い天井が印象的)
コースとは別に好印象を持ったのが「ランチ」だった。震災からの「復活リニューアル」を記念した「ランチバイキング」はすでに終了していたが、「土日昼食・1ドリンク付」プランは実施中。
この日、ゴルフ場に支払った「土日祝料金」は15,000円。その中に単品で注文すると1,500円から1,650円するメニューの昼食代が含まれ、「1ドリンク付」ではビール(生中で650円)などのアルコール類もOK.という内容だった。
男性の担当者さんは「昼食付サービスを実施しているゴルフ場はたくさんありますが、うちは1ドリンク付き。それもビールでも焼酎でも日本酒でもOKなので、かなりお得だと思いますよ」。
同伴者らと注文したのは「牛タン煮込み膳」「うらがすみ膳」など。味の好みは人それぞれなので断定的なことは言えないが、少なくとも仲間内での評価は高かった。
パーティメニューは1,000円、1,500円、2,000円の3コースが基本(ドリンクは別料金)。価格設定としてはリーズナブルな水準だ。「スイーツ」類も充実、これは女性に喜ばれそうだ。
「1コイン朝食メニュー」と合わせ、食事面には力を入れていることが分かる。ゴルフ愛好者の裾野が広がってきたこともあり、最近は「食事の充実しているゴルフ場が好き」という人も少なくない。コースの面白さとはまた別の魅力になりそうだ。
ただそのレストランは、外の景色が今ひとつ。待機している乗用カートと普通の林が見えるだけ。窓のブラインドを下ろしていたのも、単に日差しを遮るためだけが理由ではなさそうだ。
(鏡はロッカーの側面だけでなく、各扉の内側にも付いていた)
(綺麗で清潔な洗面台。やや幅が狭い)
ここで他の施設についても簡単に記しておきたい。ロッカーは木製で綺麗だが、やや細身。扉の内側に小さな鏡があり便利。トイレは個室が6つ。やはり木製で、こちらは横幅が広くて利用しやすい。
(こじんまりとした感じの脱衣場。正面のドアが浴室への出入り口)
浴室はリニューアルされ、古い感じは全くしなかった。窓の外に庭園風のスペースはあるものの、その先は白い壁で覆われており、遠景は楽しめない。レストラン同様、外の景色はつまらない。
1階のプロショップは品揃えが充実。貴重品ボックス近くのガラスケースには立派なトロフィーが並び、歴史と格式を演出。宅配便の専用コーナーでは女性スタッフさんが愛想よく対応してくれた。
(駐車場にはクルマがぎっしり。出し入れが大変そうだ)
駐車場は一部、窮屈に感じられるところがあり、同伴者の1人は「隣のクルマとの間隔が狭く、あれではトラブルが起きそう」と心配していた。
「ランチ」紹介の際にも触れたが、料金体系は比較的受け入れやすい水準に抑えてある。
年末年始やお盆の時期など特別の期間を除いて年間ほぼ同額で運営しており、ゲスト料金は基本的に平日が8,500円、休日が15,000円。
繰り返しになるが、この料金は基本的に「昼食・1ドリンク付」なので、平日なら実質的なプレー代は6,500円程度になる。
ただし、これは「乗用カート利用のセルフプレー」の場合。「キャディ付プレー」を選択すると、4バッグで3,200円、3バッグで4,200円、2バッグで6,400が加算される。
キャディ付プレーを希望する時は、予約時に申し込んでおく必要がある。ちなみに予約は電話の場合3ヵ月前から。割安プランの多いネット予約は2ヵ月前から。いずれもキャンセル料は取らない。
精算時、受付の女性スタッフさんに冬季料金を尋ねると「1月以降の料金は未定です。多分、今と変わらないと思いますが、日によっては通常価格よりさらに安い料金を設定することもありますので、小まめに問い合わせてみて下さい」と話していた。
帰りの車中では皆、機嫌が良かった。本来、実力はバラバラなのだが、この日はハーフで50以上叩いた人が誰もいなかったからだ。
自己ベストに近い数字を残したメンバーは、「良いスコアの出るコースが良いコースだ」と満足そう。なるほど、そういう考え方も確かにある。
0 件のコメント:
コメントを投稿