2012年4月1日日曜日

東ノ宮カントリークラブ=青木プロが好んだ本格的丘陵コース。広く雄大だが、バンカー嫌いには辛いレイアウト

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(アゴが垂直に立つバンカー。ピンまでの距離が長いと難度がぐっと増す)
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(傾斜の厳しいグリーンも目立った)
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(青木功プロ関連のポスターや写真が目を引く)
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(ティ・マーカーには「ORIX Golf Management」の頭文字)

 セベ・バレステロス、トム・ワトソン、グレッグ・ノーマンといった世界のビッグネームが揃った「ドリームマッチ」(青木功プロ主催)、日本プロゴ ルフマッチプレー選手権、関東オープン選手権などの舞台として栄光の歴史を持つ。今でも「伝統」が金看板だ。2006年に経営破たんし、オリックスグルー プ入り。最近はプレー代もぐっとリーズナブルになった。今回は腕自慢3人と一緒に、この伝統あるチャンピオンコースに挑んだ。

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(常磐線友部駅前のロータリーには周辺ゴルフ場のバスがたくさん並んでいた)

 住所は栃木県芳賀郡茂木町。JR常磐線友部駅から予約しておいたクラブバスで北西へ約30分。茨城県から栃木県に入った県境近くに立地する。
 東京からはかなり遠いイメージ。しかし、実際には上野駅発7:30分の特急「フレッシュひたち5号」に乗車すると8:39分に友部駅に到着(運賃は自由席利用で片道3,190円)。8:50分発のクラブバスに接続しているので9:20分にはゴルフ場に到着できる。
 4月に入れば、10時過ぎの遅いスタート時間でも日没の心配はない。自宅を出たのは普段ゴルフ場に行くよりも遅いくらいだった。

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(クラブハウスの正面車寄せ。堂々とした構えだ)
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(右がクラブハウス。左の建物が“青木プロの別荘”)

 クラブハウスの隣にもう一棟、同じような豪華な建物が見える。渡り廊下に「通行不可」の表示。何だろうと思って女性スタッフさんに尋ねてみた。
 「以前、青木プロが何度も宿泊し、プレーをされていましたので“青木プロの別荘”呼ばれています。その後、レストランに改装されましたが、今は使用していません」という。
 「このコースは青木プロの設計ですか」と重ねて聞くと、「設計は富澤誠造、富沢廣親の親子コンビで、青木プロはいわば監修役」との答えが返ってきた。
 1978年から15年間続き、テレビでも全国放映された「ドリームマッチ」はそんな青木プロとの絆なくしては実現しなかった、まさに夢のイベントだった。クラブハウス内には今も青木プロの写真が掲示されている。

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(「あおい」「さつき」「おばな」コースの方向を示す庭石)

 早速、コースを紹介しよう。全体は「さつき」「あおい」「「おばな」と名づけられた3コース(27ホール)からなる。
 ティインググランドは「フルバック」「セミバック」「レギュラー」「シニア&レディース」の4つ。
 コースレートは「さつき×あおい」で72.9(フルバック=以下同)、「あおい×おばな」で71.7、「おばな×さつき」で72.3。
 レギュラーティからでも「さつき×あおい」で70.2、「あおい×おばな」で68.8、「おばな×さつき」で69.4。いずれも堂々とした数字だ。
 距離は「さつき×あおい」が6,917ヤード(フルバックの場合)、「あおい×おばな」が6,768ヤード(同)、「おばな×さつき」が6,861ヤード(同)。
 今回プレーした「あおい×おばな」のセミバックティからは6,433ヤード。アベレージゴルファーにとっては申し分ない距離である。
 山間部に近い丘陵コースだが、フェアウエーは思った以上に広い。「雄大なコース」というのが第一印象だ。

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(「あおい」のスタートホール。池はあまり気にならなかった)
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(谷越えの2番ホール。どのクラブを選択するか、しばし迷う)
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(3番ホール、グリーン手前に重なるバンカー。こんなシーンに何度も出合う)
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(グリーンの状態は良かった。嬉しいバーディに足取りも軽く)
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(右ドッグレッグした4番はティショットの落とし所が難しかった)
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(ピン位置を示す紙は乗用カートのハンドルに)
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(乗用カートに搭載された「コース案内」)
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(グリーンまでの残り距離を示すボード。シンプルだが見やすかった)
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(バンカーを恐れていてはゴルフにならない)
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(「あおい」コースには立派な売店があった)
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(「あおい」の5番ホール。フェアウエーに現れた3段構えのバンカー)
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(ホールの案内板は新しく、ちょっとカッコいい)
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(太くて見栄えの良い木も育ってきた)
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(ティショットの狙い場所には黄色のフラッグが立っていた)
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(乗用カート利用のセルフプレーが中心)

 「あおい」コースの1番は池越え、2番は谷越え、3番はグリーンをバンカーがぐるりと囲む。4番は癖のある右ドッグレッグ、5番はフェアウエーに 並んだトリプルバンカーが印象的、6番は179ヤード(レギュラー)の長いショートホール・・・といった具合に、どのホールも個性的。
 プレー終了後、各ホールの景観やハザードなどを鮮明に思い出せるのは、単に苦戦したからというだけではなく、コースそのものが戦略的で、変化に富んでいるからだろう。
 午後は「おばな」コースを回った。

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(ティインググランド周辺には所々で藤棚が作られ、春を待つ)
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(フェアウエーに並ぶ大きなバンカー。慣れるしかない)
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(「おばな」5番ホールのクリーク。水が少なく綺麗ではなかった)
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(防球ネット。必要とされる個所はそれほど多くはなかった)
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(ティインググランドを小まめに移動させていることが分かる)

 各ホールの様子は楽天がネット上で展開している「フォトギャラリー」で見ることができる=http://gora.golf.rakuten.co.jp/doc/guide/ria/tochigi.html=ので、そちらを参照して頂きたい。
 
 ここでは特に印象の強かった「おばな」コースの4番ホールと、最も景観の美しかった同9番ホールについて紹介したい。

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(「おばな」の4番。クリークが絡む印象的なミドルホール)

 4番ホールは右ドッグレッグした後、急な下り傾斜が続くミドルホール。ドライバーで飛ばすと左足下がりの斜面から2打目を打つことになるので、みなアイアンで賢くティショット。
 それでも同伴者の1人は左サイドのフェアウエーバンカーに捕まり、もう1人は右側の谷へ。平坦なフェアウエーセンターにボールを置いた2人を今度はグリーン周りの長いクリークと厄介なバンカーが待ち構える。
 距離は短く(レギュラーティから348ヤード)、ハンディキャップも「7」と楽なはずだが、4人とも初めての来場だったこともあり、トリッキーな景観に戸惑い萎縮してしまった。
 個性的なホールが多いが、実は「美しい」と感じるところは少なかった。桜前線がまだ到達していない栃木県の4月初旬という時季の影響もあるかもしれない。
 しかし、植物の名前が付いているほどには花木が目に止まらない。コースに変化はあるが、周囲の景色は似た感じだ。

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(「おばな」の最終ホール。景観的にはここが最も美しかった。手前の建物が、あの“別荘”)

 そんな中、最終の9番ショートホールは美しさが際立っていた。正面に綺麗なクラブハウス。グリーンはその手前の谷底にある。右サイドに池。明らかに意識して造った「美しいホール」である。

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(バンカーを克服できるかどうかが、スコアメイクの鍵を握る)

 全体を通してみると、このコースの最大の特徴は「バンカーの厳しさ」だ。数は多いし、グリーン周りにはアゴの高いバンカーが随所に出現する。
 一見、平凡そうに見えるレイアウトもバンカーの巧みな味付けで一転、印象的なホールに様変わりする。
 前日の雨で砂が重くなっていたことも脱出を難しくしていた。同伴した上級者さんは「バンカーtoバンカー」を繰り返し、「おかしい、おかしい」とぼやき続けた。
 フェアウエーバンカーやグラスバンカーも要所に配され、一段と難易度を高めている。バンカーが苦手だという人にはちょっと辛いコースである。
 ラウンドしながら、攻略するにはパターとアプローチの「技」が不可欠と感じた。まさに強い青木功プロのイメージ。

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(池はあるが、厳しいハザードにはなっていないものも多い) 

半面、立ち木や池はほとんど気にならない。池はあってもコースから離れていたり、よほどボールを曲げない限り心配のない個所に置かれている。谷越えホールも自然な流れの中で登場する。
 アップダウンは思ったほど大きくない。小手先の仕掛けで難しくしたようなホールはなく、「威風堂々」という言葉が似合うコースだ。

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(フェアウエーには大小のうねりがあり、面白くも難しかった)

 キャディマスター室近くにいた男性スタッフさんは「昔はもっと起伏があり、大変だった。何度か改造し比較的フラットなコースになった」と教えてくれた。相当の難コースだったのに違いない。
 かつての2グリーンを1グリーンに改造した跡も見受けたれた。近年は小さめの2グリーンを大きな1グリーンに改める動きが盛ん。個人的には小さな2グリーンの方が好きなのだが・・・。
 同じロング、ミドル、ショートでもホールによってかなり距離が違う。これもこのコースの特徴。それだけ使用するクラブも種類が増える。名コースの条件の一つである。

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(フェアウエーの一部は修理中。まだ荒れた個所もあった)
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(冬場のフェアウエーはメンテナンスが難しい)

 残念だったのがフェアウエーのメンテナンス。長い冬を過ごし、芝もまだ冬眠状態。最も管理の難しい時季ということを承知で言えば、一部に荒れた所が残っていた。
 窪地を中心に青杭で囲まれた修理地も目に付いた。クリークや池も水の汚れが気になった。春以降の改善に期待したい。

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(グリーンの状態を示すボード。メンテナンスには自信があるようだ)

 グリーンのメンテナンスはさすがに良かった。速さは2.6m(8.5フィート)でアベレージゴルファー向け。
 これで短く刈り、ローラーをかけて固めればプロでも手こずる高速グリーンに変貌すると、勝手に想像をめぐらせる。

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(ちょっと疲れた感じだが、レイアウトの案内版が設置されている)

 大半のホールに「レイアウト図」を記した表示板が置かれていたのは好印象。このコースではキャディ付のプレー(4Bで1人プラス2,600円)も可能だが、今では大半の利用者がセルフプレーを選択する。
 乗用カートにはホールごとの攻略法や当日のピン位置を印刷した紙も搭載され、必要な情報を提供している。
 コース内の売店は「あおい」と「おばな」では全く違った。「あおい」コースの売店は堂々とした構えで女性スタッフさんが親切に対応してくれる。

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(「おばな」コースの元売店(?))
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(「おばな」では売店がない代わりに、こんな専用トイレがあった)

 ところが「おばな」コースには売店がない。正確に言えば売店らしき建物は見かけたが、遠くから見ると廃墟のよう。
 本コースは「さつき」「あおい」だと後で知った。「おばな」は距離的にも短く、売店の様子からしても他の2コースとはやや違った感じがする。ホールが接近している所があり、珍しく防球ネットを見かけた。
 今回ラウンドした「あおい」「おばな」とも「避雷小屋」や独立した「トイレ」が少ない。歴史あるコースは概してこうした付帯設備が弱い。新しいコースの方が充実している。残念だ。

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(昼食バイキング。料理の種類は多かった)

 緊張したプレーの中でひと時、ホッとした気持ちにさせてくれたのがお昼のバイキングだった。
 2階レストランの窓には「中華フェア」の横断幕。中央のテーブルを見渡すと中華料理以外にも様々なメニューが30種類以上。野菜や果物類も豊富だ。
 女性スタッフさんによると「(ゴルフをしないで)バイキングだけを食べに来られる方もいらっしゃる」そうで、料金は大人で1,500円、中学生で900円、小学生で600円。ビール(生中)は別料金で700円。
 このバイキングは3月からスタート。当面は5月11日まで開催。「評判を聞いて、夏に再開するかどうかを改めて検討します」(男性スタッフさん)。ぜひ、継続してほしい。
 「今から30年近く前にこのゴルフ場に来た時、コース内に青木やバレステロスが放ったティショットのボール位置を示すボードがあった。飛距離の凄さに驚いたものさ」
 食事中、近くの席からはそんな会話が聞こえてきた。今でもアマチュアゴルファーにとって、ここは夢舞台なのだ。
 コーヒーを飲んでいると、女性スタッフさんが「(ショートホールで)ワンオンチャレンジをしませんか。1人1,260円です」と営業に回ってきた。
 「前半、コース内に担当スタッフさんがいなかった」と指摘すると、「セルフプレーの方は自己申告でOKです」という。「それでは4人全員ワンオンしちゃいますよ」というと「構いません」。
 不思議なやり取りだった。
 ちなみに、ここでは朝食メニューにも力を入れている。「おにぎり御前」と「フレンチトースト」は500円。「洋風朝食」「和風朝食」が840円。

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(レストランからの眺め。広々とした感じだ)
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(ラウンジから見た外の様子。パッティング練習用のグリーンがよく見えた)
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(ラウンジのソファーには高級感があった。奥がパーティルーム)
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(展示されたトロフィーが本格コースであることをアピール)

 レストランと隣のラウンジから見える外の景観は良好。大きな窓からコースがワイドに眺められる。

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(2階から見たエントランス。正面が受付。広々とした感じだ)

 1階のエントランスは広々としていた。最近は1階フロアがゴルフ関連商品で埋め尽くされたゴルフ場も少なくない。
 オリックスグループの「東ノ宮CC」は、明らかにそれらとは一線を画したデザイン、雰囲気である。

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(プロショップもスペースに余裕があった)

 プロショップが貧弱なわけではない。玄関そばの一角にはクラブやバッグ、ウエアなどが一通り並ぶ。入り口付近に置かれた看板には「10%OFF」の文字が躍る。

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(「試打コーナー」があるのは珍しい)

 感心したのは側に「クラブの試打コーナー」があったことだ。クラブハウスは全体的にスペースに余裕があり、ゆったり感が漂う。コースの雰囲気と似ている。

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(独立した宅配便コーナー)
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(半個室のロッカールーム。通路にはシューズの湿気を取るための新聞紙が丸めて置いてあった)

 トイレやロッカールームも同様。トイレの個室数は12。2階のパーティルームも大小6室。最大で100人近い大パーティにも対応が可能だという。

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(朝覗いたら清掃の真っ最中だった。浴槽は右側長方形の部分。洗い場中央の「中庭」には小石が敷き詰めてあった)

 面白かったのが浴室。洗い場の中央に楕円形の「中庭」があるのだ。白い石が敷き詰められ、大き目の庭石が鎮座している。

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(浴室と脱衣場の外には簡単な中庭。遠景は見えない)
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(脱衣場はコンパクトながら、明るく、快適だった)

 浴室、脱衣場とも広さは普通。天井まである窓から陽光が降り注ぎ、疲れが癒される。
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(ドライビングレンジ。ネットに打ち込む感じだ)

 「狭いな」と不満に感じたのがドライビングレンジだった。坂を下った所にあり、全部で9打席。狭いのは打席数よりも前方のネットまでの距離だった。20ヤードもない。ボールがすぐにネットに当たる。
 「スライスかフックかも分からない。ダメだ」。前打席で打っていた若者3人組はそそくさと引き上げてしまった。
 古い資料では「練習場 230ヤード、打席数13」とある。明らかにコースの一部を切り取り、ネットを張ってドライビングレンジに改造した練習場なので、この変更はもったいない気がした。
 手前でなく、コースの左右にネットを張れば、ロングドライブも楽しめる豪快な練習場になるはずだが・・・。
 バンカー、アプローチの専用練習場には高級感があり、充実していた。パター練習場もまずまず。
 「1時間 1,000円で練習場使い放題」というサービスもあるが、詳しく聞いてみると「1コイン(25球)、315円で5コイン(125球)まで」というルール。「打ち放題」というのは誤解を招く表現である。
 プレー料金はどうだろうか。実はこれがチャンピオンコースの割に安いのだ。冬場の1、2月の基本料金は昼食(1,500円相当)付で平日5,900円、休日9,800円。昼食代を差し引けば4,400円と8,300円という低水準。
 さすがに5、6月のハイシーズンになると値上がりするが、それでも平日は6,900円、休日でも14,900円止まり。昼食代を除いた実質的なプレー代金は、平日5,400円、休日13,400円。
 さらに、ネット上には「早い時間優待限定」「遅い時間優待限定」「組み割り・4人プレーでお得」「平日27H完全制覇、追加ハーフ無料」といった割安プランが並ぶ。
 冬の寒さと、東京からの距離、特にJR友部駅からの距離の遠さが価格設定に影響していると思われる。友部駅周辺には他の有力ゴルフ場が“関所”のように控え、大きなハンディキャップになっている。
 しかし冒頭にも記したように、特急電車を利用した時間距離は意外に近い。コースの面白さを考えれば、東京近郊の方も選択肢から除外する必要はないと思われる。
 ただ、クルマ利用だと「距離感」に悩まされそうだ。常磐自動車道から北関東自動車道に入り友部ICで降りて一般道を30分あまり。都心からは2時間以上掛かる。
 帰りの交通渋滞などを考えると、ドライブ好きでない人はちょっと腰が引けるかもしれない。
 そういう人は思い切って「宿泊パック」を利用してしまうのも手だ。ゴルフ場までクルマで3分という近場にある宿泊施設「心の宿」と提携しており、割安料金で利用できる。
 「宿泊パック」ではないが、尋ねれば他の近隣ホテル、旅館も紹介してくれる。
 オープンコンペなども盛んなので、前日1ラウンドしてコースに慣れ、宿泊後、2日目にオープンコンペに参加して上位入賞を狙うなんていうのも良いかもしれない。
 人数が集まり、大型コンペを開催するようなら「バスパック」がある。人数が増えるほど割安になる料金体系を設定しているので、幹事さんは一度チェックしてみてもいい。
 コンペパーティプランも「カジュアルプラン」(プレー料金+700円)、「丸ごとプラン」(同1,500円)、「デラックスプラン」(同2,000円)と比較的手ごろ。「1人予約制度」も新たに採用、利用方法が広がった。
 今回は本コースの「さつき」コースをラウンドできなかった。「さつき」にはトム・ワトソンが2オンした「伝説のホール」(5番ロング、フルバックティより600ヤード)がある。
 次回までに体を鍛え直し、飛距離を伸ばして、華麗な3オンを目指したい。

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