2012年1月28日土曜日
市原ゴルフクラブ柿の木台コース=会員制ゴルフ場と見間違う立派なクラブハウス。距離短めで、好スコアの出やすいコース042 (美しい水景が印象的) 056 (大きく育った木々がグリーンをしっかりガード) 109 (派手さこそないが、上質感の漂うクラブハウス) 「パブリックコースですが、コストパフォーマンスは良いですよ」と紹介されて向かったのは、千葉県市原市にある「市原ゴルフクラブ柿の木台コース」。隣に姉妹コース(市原コース)があるが施設などは別々。1973年(昭和48年)開業の「市原コース」の方が古く、「柿の木台コース」は1996年(平成8年)の開場。訪れた1月のプレー料金(土曜日、セルフ)は昼食代込みで14,800円。さて、実際のパフォーマンスはどうなのだろう。 前週末に降雪。車中、同伴者さんと「まだ結構、雪が残っていますね」と心配しながらゴルフ場に到着した。入り口に「すてきなパブリック・柿の木台コース」と書かれたユニークな看板が立つ。 「なかなか立派なじゃないか」というのがクラブハウスの第一印象だった。華やかさには欠けるが、平屋建ての堂々としたデザイン。薄緑色の大きな屋根が日本情緒さえ感じさせる。 171 (クラブハウスの受付。パブリックコースとは思えない落ち着きがあった) スタッフさんの出迎えを受けてエントランスに入ると、高級会員制クラブのような雰囲気。中央通路が広く、天井も高め。スペース全体にゆとりがある。 001 (ロッカールームには窓がない。椅子もない。その代わり、奥にステンドグラスの装飾があった) 019 (清潔感のある洗面所) 左側に受付、右側がロッカールーム。中央右奥にレストラン。その手前にあるラウンジがまた高級感を醸し出す。 007 (ゆったりとしたラウンジ。会員制倶楽部のようだ) 暖炉の前に並んだ黒いソファー。大きな窓。暖炉脇には過去に来場したプロゴルファーやタレントの書いた色紙がズラリ。 奥の突き当りにはパーティルームが4室。コースに向かう出口近くにはプロショップがあり、キャディバッグの品揃えが目立つ。トイレもまずまずの広さで快適。個室は7つ。 木を基調にした壁や扉。そして静かに流れる音楽がクラブハウスに上質感を付加している。 パブリックゴルフ場という言葉のイメージが、「施設は大したことあるまい」という先入観につながっていた。かなり反省。 キャディマスター室で練習ボール用のコインを購入し、ドライビングレンジへと向かう。料金は30球で315円。 022 (練習場は鳥かご) 028 (足元のマットが滑りやすいのか、外して練習する人もいた) スターティングテラス近くに「練習場」の看板を見つけ、矢印の方向を向いて「あれっ」と思った。鳥かごである。 クラブハウスが予想以上に立派だったので、練習場にも期待を寄せていた。やはり、あれもこれも高得点というわけにはいかない。 打席数は10。前方ネットまで約45ヤード。肩慣らし程度で早々と終了。 パター練習場は2面。バンカーやアプローチ専用の練習場はない。 029 (落ち着いた感じのスターティングテラス) 030 (乗用カートにはコースガイドが搭載されている) 043 (バックティから打つと、池が視覚的に重圧を掛けてくる) 048 (コース内に設置されていた簡易型のトイレ) スタートはOUTコースの1番ミドルホールから。まずティインググランドの数が多いのに驚く。バックティとレディースティの間にレギュラーティが3面もある。 近くに立っていた女性スタッフさんが「日によってティマークを移動させ、3面を使い分けているんですよ」と解説してくれた。この日は一番前だ。 230ヤード先に狙い場所を示す黄色いフラッグが見える。グリーンまでほぼストレート。フェアウエーのうねりが気になったが、比較的スタートしやすいホールと感じた。 グリーン近くの「花道」も使える。ベント芝のワングリーンは大きいが、ファーストパットの距離感にさえ注意すれば、何とか対処できそうだ。 スコアカードを見ると、全長距離はバックティから6,508ヤード、レギュラーティから6,154ヤード、レディースティからは5,290ヤード。レギュラーティからだとやや短めで、もの足りなさを感じるかもしれない。 100 (「職場のコンペでも良く利用される」という) スタート前、クラブハウス近くに「コンペ集合場所」と書かれた案内板があったことを思い出す。 大人数のコンペの場合、必ず初心者が混じる。難しいコースでは気の毒だ。コンペが盛んということは「初心者にも優しいコース・・・」。今日は良いスコアで回れそうな予感がした。 035 (大きく打ち下ろすOUT2番のショート。スリリングなホールだ) 続く2番はそんな楽観論を戒めるには十分なレイアウトだった。大きな打ち下ろしのショートホール。左サイドに池。手前にはバンカーが口を開けている。 「高低差26ヤード」と書かれた表示板を見て心が揺れ動く。風はアゲンスト。ピンは中央奥。 062 (コース内には「停点」がたくさんあり、乗用カートが必ず停車。安全第一だ) 064 (飛距離自慢にはバックティからのプレーを勧めたい) 068 (落葉樹が多く、花はツバキくらいしか目に留まらなかった) 070 (売店の窓から前の組が演じる「ドラマ」が良く見えた) 073 (7番ショート。ハンディキャップは「17」。しっかりパーを取りたい) 076 (コース脇に並ぶ切り株。木があると無いとでは難易度がだいぶ違う) 092 (端正な造形美を誇る8番ロングホール。面白くも難しいホールだ) 130 (コース一番の美景が楽しめる13番ホール) このコースにはもう2つ、景観の美しいホールがあった。8番ロングホールと13番ミドルホールである。 ティインググランドから見た8番ホールは平凡で一見、易しそうに思えた。だが、2打目地点に立ってもまだ、ピンが見えない。 迷っていると、常連の同伴者さんが「グリーンは左ですが、かなり右に打つのが正解です」とおかしなことを口走る。 半信半疑でセンター方向に打つ。前進してみて納得した。左サイドに大きな池。その池に向かって急激な下り坂。打ちやすい平らな場所にボールを置くにはフェアウエーの右半分を狙うしかなかったのだ。 事前にコースレイアウト図はチェック、池の存在や、グリーン手前で左にドッグレッグしていることは承知していた。だが、高低差までは頭に入っていなかった。 結局、左足下がりの急斜面からアプローチ。距離が短く(パー5、レギュラーティから461ヤード)、易しいはずのホールを自分で勝手に難しくしてしまった。同伴者さんは2オンを狙って、わずかに届かず「池ポチャ」。 共にスコアは乱れたが、3打目地点から眺めた景観は美しかった。正面に見える高圧線と鉄塔の存在だけが目障りで惜しまれる。 093 (所々に設置されていた<残り>50ヤードの距離表示) 094 (日陰の斜面にはまだ雪が残っていた) 096 (乗用カートで移動中、こんなトンネルを通過する) 13番ホールも、やはり「池」が箱庭的な美しさ演出していた。フラットなコースに突然、現れる噴水池。グリーンに近く配され、どこから打っても厄介な池越えを強いられる。 ホールアウト後、グリーン上から振り返った時の光景が最も美しかった。このコースのハイライトシーンと言っても良いだろう。 「春になり、芝生が青々としてきたらもっと素晴らしいに違いない」と次回への思いを巡らせた。 もう一人の同伴者さんは「隣の市原コースよりも、こちらの柿の木台コースの方が綺麗で好きだ」と感想を漏らしていた。 051 (グリーン50ヤード手前に4本の木が立ちふさがる4番ホール。思わずのけぞる) 097 (9番ホールは左サイドから谷が食い込む。自然をうまく戦略化している) 158 (18番のティインググランドは芝を養生中。ティショットでは人工マットを使用) 美しさより「戦略性の高さ」で印象に残ったのは、グリーン手前に4本の立ち木が待ち構える4番、2段グリーンに悩まされた5番、左サイドの谷がプレッシャーを掛ける9番、池に面し、直角に右ドッグレッグする最終18番など。 この中で、同伴者さんは「面白さで言えば18番がトップ」と強調していた。「ドライバーがしっかり当れば(ボールが正面の)池に入ってしまう。右の山越えはOBが怖い。狙い場所近くにはバンカーもあり、一打目の落とし所が難しい」というのがその理由。 完全なブラインドホールなので、このホールには特別にキャディさんがいて、無線でフォアキャディさんと連絡を取り合いながら安全確認をしていた。 せっかくなので、そのキャディさんにコース戦略を尋ねると「右側の山スレスレを真っ直ぐ230ヤード打って」という。そこまでの腕はない。聞かなくても良かった。 みんな「どこに打つか、クラブ選択は」と悩む。この時、乗用カートが3台並ぶほど渋滞していたが、待ち時間を持て余すことはなかった。 113 (ティインググランドも良く整備されていた) 122 (綺麗だが、ちょっと刺激の少ないホールもあった) こうした印象に残るホールがある半面、プレー終了後にまったく思い出せないホールもあった。全18ホールの中で半分は印象が薄い。 その多くが比較的フラットで、厳しいハザードもなく、一般的な丘陵コースの佇まいだったためだろう。 確かに所々、個性的なホールが配されているが、全体としては「景色が綺麗でラウンドしやすいコース」という印象た。 139 (INコースの売店は窓が大きく快適だった) 142 (雪をかぶった「パンジー」の花。「最近は(学名の)ビオラと呼ぶようです」とスタッフさん) 146 (大型のワングリーンで、パットは距離感の勝負になる) 148 (暖かい房総半島で“残雪ゴルフ”は珍しい) 151 (コース周辺に立つ高圧線の鉄塔。自然美を損ねるシーンも) 152 (女性や初心者でも比較的楽しみやすいコースだ) 結果、スコアも良かった。理由は幾つか考えられる。距離が短く、多くのホールで広い花道が用意されているのは、最初に記した通り。 120 (バンカーのアゴは総じて低く、脱出しやすい) 059 (真冬の割りにコースの状態は良かった) 134 (OBゾーンが多く「前進4打」の特設ティも目立った) 第2にフェアウエーを含め、アゴの高いバンカーがほとんどないこと。第3に冬場の割にコースメンテナンスが良好。第4に一部を除きグリーンが比較的素直。第5にOBゾーンはあるが「前4」で救済されることが多く、スコアが大きく崩れない――などだ。 078 (レディースティはかなり前に置かれていた) 同伴した女性はさらに「レディースティがかなり前だった」ことを好スコアの理由に加えていた。 プレー終了後、キャディマスター室の男性スタッフにコースレートを聞くと「バックティから69.1、レギュラーティから67.7。ここは結構、易しいですよ」という返事。 「雪のため、この3日間は(芝を)刈っていません。グリーンも遅かったでしょう。普段は毎日刈っているので速いのですが、この天気では(遅いのも)しょうがないですね」とも。 ちなみに、ここでのプレースタイルは「乗用カート利用のセルフ」が中心。キャディ付プレーを選択することもできるが、その場合、キャディフィとして3,150円(4バッグ)が必要となる。 067 (外観が目立つコース売店。女性スタッフさんは感じが良かった) 115 (避雷小屋は普通のデザインのものが多かった) コース内の売店は綺麗で、女性スタッフの対応も丁寧だった。「防雷セルター」と呼ばれる避雷小屋も売店以外に4ヶ所設置。 また、希望者は事前にキャディマスター室に申し出れば、ハンディキャップ制限なしでバックティからプレーできる。距離に不満のある人でも、それなら手ごたえを感じるはずだ。 2サムは「混雑する週末は難しいかもしれませんが、基本的にはOK」(受付の女性スタッフさん)という。 ホームページ(HP)を見ると、誰でも参加可能な「オープンコンペ」は毎週のように開催され、3組9人以上なら「コンペパック」(平日500円引き、休日1,000円引き)も利用できる。 「親会社がサンヨー食品なので、(賞品用に)ラーメンを提供させていただいております。カップ入りか袋入りかはその時の在庫次第で変わります」と受付の女性スタッフさん。 改めて「カレンダー料金」を見ると、冬季のプレー代(セルフ、3~4バッグ)は昼食付きで平日8,800円、土日曜日14,800円。2月はこれより各300円安い。 逆に12月は中旬までは昼食なしで平日9,000円、土曜日17,800円、日曜日16,800円と高くなる。 ハイシーズンに入る4月の料金は平日9,000円、土曜日18,000円、日曜日17,300円。「昨年よりやや安い」そうだが、平日と土曜日の価格差が2倍もあるのは、利用者からすれば首をひねりたくなる。 毎週金曜日が「レディースデー」。火曜日の「サービスデー」は同じ9,000円で昼食が付く。シニア向けには「70歳以上の方に利用税400円の割引がある以外は特にない」。 170 (スイング写真を販売。1枚1,300円、木枠は200円) ホールアウト後、冷え切った体を温めたいと浴室に急いだ。脱衣場は一般的な広さ、デザイン。ゴザ感覚の床が気持良い。 005 (内装は一般的だが、外の景色は良く見えた) 浴室もコンパクトな設計。黒い石で縁取った四角い浴槽が窓に面して置かれている。洗い場にはやはり黒い花崗岩(御影石)で出来た仕切り板が並ぶ。黒い石を多く使うことで高級なイメージを出そうというわけだ。 ただし、外の景色は期待外れ。手前に見えるのは従業員用の駐車場。遠くの山並みはごくありふれた景観。 順序が逆になってしまったが、昼食時のレストランについてもここで触れておきたい。 103 (傾斜の付いた天井が印象的なレストラン。外の景色は意外に平凡だった) 105 (家族に喜ばれそうな土産品が多い) 107 (ラウンジには来場した有名人の色紙がズラリ。宮本勝昌プロ、ラサール石井、布施明、陣内智則・・・) 内装ではまず、傾斜を付けた天井のデザインが印象的。椅子などの調度品は木で統一。明るく落ち着いた感じに仕上がっている。 外の庭は雪に覆われ、遠くの山並みも平凡で、特に景観を楽しむという状況ではなかった。女性スタッフさんの対応にも特筆するような言動は見られなかった。 昼食時に選べるメニューは11種類と豊富。昼食付プランだったのでカレーや麺類など7品目は追加料金なしで注文できた。 残り4品目は210円、320円、525円、630円をプラスすれば注文可能。特に珍しいメニューはない。 ビール(生中)は680円。ツマミ類は420円の品が10種類、525円の品が4種類。 窓際には2月2日に開催されるオープンコンペ「節分杯」の賞品と思われる日本酒などの一升瓶がズラリと並べられ、人目を引いていた。 出入り口近くの一角には、良く言えばシックな雰囲気のラウンジ。その側には「お土産にどうぞ」と書かれた大型パネルが立つ。 「フルーツパイ」(1,680円)、「胡麻団子」(1,050円)、「和風ロールケーキ」(1,575円)。おいしそうな写真に思わず食指が動く。 都心からクルマで来場する場合のアクセスはまずまず。京葉道路などを通り館山自動車道の市原ICから国道297号線へ。ゴルフ場までは約70km、所要時間は1時間15分程度。 問題は電車利用の場合だ。今回の同伴者さんは東京駅を7:15分発の特急電車「わかしお1号」(安房鴨川行)に乗車。蘇我駅で内房線の普通電車に乗り換えて、8:06分に五井駅に到着。そこからタクシーで30分近く、5,000円以上かかったという。 実はこのゴルフ場、駅から遠いにもかかわらずクラブバスがないのだ。「以前は運行していたが、数年前に止めてしまった」という。恐らく経費削減のためだろう。誠に残念だ。 同伴者さんは「クルマだとプレー終了後に飲めないので、最近は電車を利用する機会が多い。クラブバスがないと、タクシー代がかさんで大変だ。コストパフォーマンスが良いコースなのに、この点は玉にキズ」と不満タラタラだった。 帰りにクルマで五井駅まで送り、次回のピックアップを約束して、みんなでなだめ続けたことは言うまでもない。 (ゴルフジャーナリスト O氏よりの寄稿)
(美しい水景が印象的)
(大きく育った木々がグリーンをしっかりガード)
(派手さこそないが、上質感の漂うクラブハウス)
「パブリックコースですが、コストパフォーマンスは良いですよ」と紹介されて向かったのは、千葉県市原市にある「市原ゴルフクラブ柿の木台コー ス」。隣に姉妹コース(市原コース)があるが施設などは別々。1973年(昭和48年)開業の「市原コース」の方が古く、「柿の木台コース」は1996年 (平成8年)の開場。訪れた1月のプレー料金(土曜日、セルフ)は昼食代込みで14,800円。さて、実際のパフォーマンスはどうなのだろう。
前週末に降雪。車中、同伴者さんと「まだ結構、雪が残っていますね」と心配しながらゴルフ場に到着した。入り口に「すてきなパブリック・柿の木台コース」と書かれたユニークな看板が立つ。
「なかなか立派なじゃないか」というのがクラブハウスの第一印象だった。華やかさには欠けるが、平屋建ての堂々としたデザイン。薄緑色の大きな屋根が日本情緒さえ感じさせる。
(クラブハウスの受付。パブリックコースとは思えない落ち着きがあった)
スタッフさんの出迎えを受けてエントランスに入ると、高級会員制クラブのような雰囲気。中央通路が広く、天井も高め。スペース全体にゆとりがある。
(ロッカールームには窓がない。椅子もない。その代わり、奥にステンドグラスの装飾があった)
(清潔感のある洗面所)
左側に受付、右側がロッカールーム。中央右奥にレストラン。その手前にあるラウンジがまた高級感を醸し出す。
(ゆったりとしたラウンジ。会員制倶楽部のようだ)
暖炉の前に並んだ黒いソファー。大きな窓。暖炉脇には過去に来場したプロゴルファーやタレントの書いた色紙がズラリ。
奥の突き当りにはパーティルームが4室。コースに向かう出口近くにはプロショップがあり、キャディバッグの品揃えが目立つ。トイレもまずまずの広さで快適。個室は7つ。
木を基調にした壁や扉。そして静かに流れる音楽がクラブハウスに上質感を付加している。
パブリックゴルフ場という言葉のイメージが、「施設は大したことあるまい」という先入観につながっていた。かなり反省。
キャディマスター室で練習ボール用のコインを購入し、ドライビングレンジへと向かう。料金は30球で315円。
(練習場は鳥かご)
(足元のマットが滑りやすいのか、外して練習する人もいた)
スターティングテラス近くに「練習場」の看板を見つけ、矢印の方向を向いて「あれっ」と思った。鳥かごである。
クラブハウスが予想以上に立派だったので、練習場にも期待を寄せていた。やはり、あれもこれも高得点というわけにはいかない。
打席数は10。前方ネットまで約45ヤード。肩慣らし程度で早々と終了。
パター練習場は2面。バンカーやアプローチ専用の練習場はない。
(落ち着いた感じのスターティングテラス)
(乗用カートにはコースガイドが搭載されている)
(バックティから打つと、池が視覚的に重圧を掛けてくる)
(コース内に設置されていた簡易型のトイレ)
スタートはOUTコースの1番ミドルホールから。まずティインググランドの数が多いのに驚く。バックティとレディースティの間にレギュラーティが3面もある。
近くに立っていた女性スタッフさんが「日によってティマークを移動させ、3面を使い分けているんですよ」と解説してくれた。この日は一番前だ。
230ヤード先に狙い場所を示す黄色いフラッグが見える。グリーンまでほぼストレート。フェアウエーのうねりが気になったが、比較的スタートしやすいホールと感じた。
グリーン近くの「花道」も使える。ベント芝のワングリーンは大きいが、ファーストパットの距離感にさえ注意すれば、何とか対処できそうだ。
スコアカードを見ると、全長距離はバックティから6,508ヤード、レギュラーティから6,154ヤード、レディースティからは5,290ヤード。レギュラーティからだとやや短めで、もの足りなさを感じるかもしれない。
(「職場のコンペでも良く利用される」という)
スタート前、クラブハウス近くに「コンペ集合場所」と書かれた案内板があったことを思い出す。
大人数のコンペの場合、必ず初心者が混じる。難しいコースでは気の毒だ。コンペが盛んということは「初心者にも優しいコース・・・」。今日は良いスコアで回れそうな予感がした。
(大きく打ち下ろすOUT2番のショート。スリリングなホールだ)
続く2番はそんな楽観論を戒めるには十分なレイアウトだった。大きな打ち下ろしのショートホール。左サイドに池。手前にはバンカーが口を開けている。
「高低差26ヤード」と書かれた表示板を見て心が揺れ動く。風はアゲンスト。ピンは中央奥。
(コース内には「停点」がたくさんあり、乗用カートが必ず停車。安全第一だ)
(飛距離自慢にはバックティからのプレーを勧めたい)
(落葉樹が多く、花はツバキくらいしか目に留まらなかった)
(売店の窓から前の組が演じる「ドラマ」が良く見えた)
(7番ショート。ハンディキャップは「17」。しっかりパーを取りたい)
(コース脇に並ぶ切り株。木があると無いとでは難易度がだいぶ違う)
(端正な造形美を誇る8番ロングホール。面白くも難しいホールだ)
(コース一番の美景が楽しめる13番ホール)
このコースにはもう2つ、景観の美しいホールがあった。8番ロングホールと13番ミドルホールである。
ティインググランドから見た8番ホールは平凡で一見、易しそうに思えた。だが、2打目地点に立ってもまだ、ピンが見えない。
迷っていると、常連の同伴者さんが「グリーンは左ですが、かなり右に打つのが正解です」とおかしなことを口走る。
半信半疑でセンター方向に打つ。前進してみて納得した。左サイドに大きな池。その池に向かって急激な下り坂。打ちやすい平らな場所にボールを置くにはフェアウエーの右半分を狙うしかなかったのだ。
事前にコースレイアウト図はチェック、池の存在や、グリーン手前で左にドッグレッグしていることは承知していた。だが、高低差までは頭に入っていなかった。
結局、左足下がりの急斜面からアプローチ。距離が短く(パー5、レギュラーティから461ヤード)、易しいはずのホールを自分で勝手に難しくしてしまった。同伴者さんは2オンを狙って、わずかに届かず「池ポチャ」。
共にスコアは乱れたが、3打目地点から眺めた景観は美しかった。正面に見える高圧線と鉄塔の存在だけが目障りで惜しまれる。
(所々に設置されていた<残り>50ヤードの距離表示)
(日陰の斜面にはまだ雪が残っていた)
(乗用カートで移動中、こんなトンネルを通過する)
13番ホールも、やはり「池」が箱庭的な美しさ演出していた。フラットなコースに突然、現れる噴水池。グリーンに近く配され、どこから打っても厄介な池越えを強いられる。
ホールアウト後、グリーン上から振り返った時の光景が最も美しかった。このコースのハイライトシーンと言っても良いだろう。
「春になり、芝生が青々としてきたらもっと素晴らしいに違いない」と次回への思いを巡らせた。
もう一人の同伴者さんは「隣の市原コースよりも、こちらの柿の木台コースの方が綺麗で好きだ」と感想を漏らしていた。
(グリーン50ヤード手前に4本の木が立ちふさがる4番ホール。思わずのけぞる)
(9番ホールは左サイドから谷が食い込む。自然をうまく戦略化している)
(18番のティインググランドは芝を養生中。ティショットでは人工マットを使用)
美しさより「戦略性の高さ」で印象に残ったのは、グリーン手前に4本の立ち木が待ち構える4番、2段グリーンに悩まされた5番、左サイドの谷がプレッシャーを掛ける9番、池に面し、直角に右ドッグレッグする最終18番など。
この中で、同伴者さんは「面白さで言えば18番がトップ」と強調していた。「ドライバーがしっかり当れば(ボールが正面の)池に入ってしまう。右の山越えはOBが怖い。狙い場所近くにはバンカーもあり、一打目の落とし所が難しい」というのがその理由。
完全なブラインドホールなので、このホールには特別にキャディさんがいて、無線でフォアキャディさんと連絡を取り合いながら安全確認をしていた。
せっかくなので、そのキャディさんにコース戦略を尋ねると「右側の山スレスレを真っ直ぐ230ヤード打って」という。そこまでの腕はない。聞かなくても良かった。
みんな「どこに打つか、クラブ選択は」と悩む。この時、乗用カートが3台並ぶほど渋滞していたが、待ち時間を持て余すことはなかった。
(ティインググランドも良く整備されていた)
(綺麗だが、ちょっと刺激の少ないホールもあった)
こうした印象に残るホールがある半面、プレー終了後にまったく思い出せないホールもあった。全18ホールの中で半分は印象が薄い。
その多くが比較的フラットで、厳しいハザードもなく、一般的な丘陵コースの佇まいだったためだろう。
確かに所々、個性的なホールが配されているが、全体としては「景色が綺麗でラウンドしやすいコース」という印象た。
(INコースの売店は窓が大きく快適だった)
(雪をかぶった「パンジー」の花。「最近は(学名の)ビオラと呼ぶようです」とスタッフさん)
(大型のワングリーンで、パットは距離感の勝負になる)
(暖かい房総半島で“残雪ゴルフ”は珍しい)
(コース周辺に立つ高圧線の鉄塔。自然美を損ねるシーンも)
(女性や初心者でも比較的楽しみやすいコースだ)
結果、スコアも良かった。理由は幾つか考えられる。距離が短く、多くのホールで広い花道が用意されているのは、最初に記した通り。
(バンカーのアゴは総じて低く、脱出しやすい)
(真冬の割りにコースの状態は良かった)
(OBゾーンが多く「前進4打」の特設ティも目立った)
第2にフェアウエーを含め、アゴの高いバンカーがほとんどないこと。第3に冬場の割にコースメンテナンスが良好。第4に一部を除きグリーンが比較的素直。第5にOBゾーンはあるが「前4」で救済されることが多く、スコアが大きく崩れない――などだ。
(レディースティはかなり前に置かれていた)
同伴した女性はさらに「レディースティがかなり前だった」ことを好スコアの理由に加えていた。
プレー終了後、キャディマスター室の男性スタッフにコースレートを聞くと「バックティから69.1、レギュラーティから67.7。ここは結構、易しいですよ」という返事。
「雪のため、この3日間は(芝を)刈っていません。グリーンも遅かったでしょう。普段は毎日刈っているので速いのですが、この天気では(遅いのも)しょうがないですね」とも。
ちなみに、ここでのプレースタイルは「乗用カート利用のセルフ」が中心。キャディ付プレーを選択することもできるが、その場合、キャディフィとして3,150円(4バッグ)が必要となる。
(外観が目立つコース売店。女性スタッフさんは感じが良かった)
(避雷小屋は普通のデザインのものが多かった)
コース内の売店は綺麗で、女性スタッフの対応も丁寧だった。「防雷セルター」と呼ばれる避雷小屋も売店以外に4ヶ所設置。
また、希望者は事前にキャディマスター室に申し出れば、ハンディキャップ制限なしでバックティからプレーできる。距離に不満のある人でも、それなら手ごたえを感じるはずだ。
2サムは「混雑する週末は難しいかもしれませんが、基本的にはOK」(受付の女性スタッフさん)という。
ホームページ(HP)を見ると、誰でも参加可能な「オープンコンペ」は毎週のように開催され、3組9人以上なら「コンペパック」(平日500円引き、休日1,000円引き)も利用できる。
「親会社がサンヨー食品なので、(賞品用に)ラーメンを提供させていただいております。カップ入りか袋入りかはその時の在庫次第で変わります」と受付の女性スタッフさん。
改めて「カレンダー料金」を見ると、冬季のプレー代(セルフ、3~4バッグ)は昼食付きで平日8,800円、土日曜日14,800円。2月はこれより各300円安い。
逆に12月は中旬までは昼食なしで平日9,000円、土曜日17,800円、日曜日16,800円と高くなる。
ハイシーズンに入る4月の料金は平日9,000円、土曜日18,000円、日曜日17,300円。「昨年よりやや安い」そうだが、平日と土曜日の価格差が2倍もあるのは、利用者からすれば首をひねりたくなる。
毎週金曜日が「レディースデー」。火曜日の「サービスデー」は同じ9,000円で昼食が付く。シニア向けには「70歳以上の方に利用税400円の割引がある以外は特にない」。
(スイング写真を販売。1枚1,300円、木枠は200円)
ホールアウト後、冷え切った体を温めたいと浴室に急いだ。脱衣場は一般的な広さ、デザイン。ゴザ感覚の床が気持良い。
(内装は一般的だが、外の景色は良く見えた)
浴室もコンパクトな設計。黒い石で縁取った四角い浴槽が窓に面して置かれている。洗い場にはやはり黒い花崗岩(御影石)で出来た仕切り板が並ぶ。黒い石を多く使うことで高級なイメージを出そうというわけだ。
ただし、外の景色は期待外れ。手前に見えるのは従業員用の駐車場。遠くの山並みはごくありふれた景観。
順序が逆になってしまったが、昼食時のレストランについてもここで触れておきたい。
(傾斜の付いた天井が印象的なレストラン。外の景色は意外に平凡だった)
(家族に喜ばれそうな土産品が多い)
(ラウンジには来場した有名人の色紙がズラリ。宮本勝昌プロ、ラサール石井、布施明、陣内智則・・・)
内装ではまず、傾斜を付けた天井のデザインが印象的。椅子などの調度品は木で統一。明るく落ち着いた感じに仕上がっている。
外の庭は雪に覆われ、遠くの山並みも平凡で、特に景観を楽しむという状況ではなかった。女性スタッフさんの対応にも特筆するような言動は見られなかった。
昼食時に選べるメニューは11種類と豊富。昼食付プランだったのでカレーや麺類など7品目は追加料金なしで注文できた。
残り4品目は210円、320円、525円、630円をプラスすれば注文可能。特に珍しいメニューはない。
ビール(生中)は680円。ツマミ類は420円の品が10種類、525円の品が4種類。
窓際には2月2日に開催されるオープンコンペ「節分杯」の賞品と思われる日本酒などの一升瓶がズラリと並べられ、人目を引いていた。
出入り口近くの一角には、良く言えばシックな雰囲気のラウンジ。その側には「お土産にどうぞ」と書かれた大型パネルが立つ。
「フルーツパイ」(1,680円)、「胡麻団子」(1,050円)、「和風ロールケーキ」(1,575円)。おいしそうな写真に思わず食指が動く。
都心からクルマで来場する場合のアクセスはまずまず。京葉道路などを通り館山自動車道の市原ICから国道297号線へ。ゴルフ場までは約70km、所要時間は1時間15分程度。
問題は電車利用の場合だ。今回の同伴者さんは東京駅を7:15分発の特急電車「わかしお1号」(安房鴨川行)に乗車。蘇我駅で内房線の普通電車に乗り換えて、8:06分に五井駅に到着。そこからタクシーで30分近く、5,000円以上かかったという。
実はこのゴルフ場、駅から遠いにもかかわらずクラブバスがないのだ。「以前は運行していたが、数年前に止めてしまった」という。恐らく経費削減のためだろう。誠に残念だ。
同伴者さんは「クルマだとプレー終了後に飲めないので、最近は電車を利用する機会が多い。クラブバスがないと、タクシー代がかさんで大変だ。コストパフォーマンスが良いコースなのに、この点は玉にキズ」と不満タラタラだった。
帰りにクルマで五井駅まで送り、次回のピックアップを約束して、みんなでなだめ続けたことは言うまでもない。
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