2011年5月1日日曜日

レイクウッドゴルフクラブ=名前の通り“湖と樹木”が美しい高級コース。好天に恵まれれば富士山の絶景も

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(景観の美しさが最大の魅力)

 「レイクウッドゴルフクラブ」は名前の通り、「レイク」と「ウッド」(湖と樹木)に囲まれた美しい丘陵コース。好天に恵まれれば、雄大な富士山を 思う存分、眺めることができる。ただしプレー代は高い。ハイシーズンの休日なら飲食代を含め4万円前後の出費を覚悟しなければならい。接待向きのゴルフ場 なので、プライベートでプレーする場合はオフシーズンの平日や割安な特別プランのある日が狙い目となる。
 予約は平日の場合が6ヶ月前から、土日祝日は3ヶ月前からできる。ただし、受付は電話のみ。ネット予約は不可。
 原則として会員の同伴ないし紹介が必要だが、「空きがあればゲストのみでもプレーできます」と受付のスタッフさん。
 「ハイシーズンの休日は難しいかもしれませんが、それでも遅いスタート時間なら予約可能な場合もあります」とも。
 そう聞いて、実は2月と5月の2回、このゴルフ場を訪れた。2月に回ったのは「西コース」。好天に恵まれ、冠雪の富士山と、美しい「レイク」 「ウッド」コースを堪能したが、後日、会員さんに「東コースの名物18番ホールをプレーしないで、ここの評価はできないよ」と言われ、改めて5月上旬の休 日に「東コース」をラウンドしたという次第だ。

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(手前が駐車場。奥がクラブハウス)
 
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(JR二宮駅から出るクラブバスはやや大型)

 アクセスは比較的良い。東京方面からだと東名高速道路の秦野中井ICで降りて約6Km。
 電車だとJR東海道線の二宮駅と小田急線の秦野駅からそれぞれクラブバスが出ている。朝3便、夕方4便(土曜日は遅い時間にさらに1便)。両方面から同時刻に出発する。所要時間はいずれも20分弱。
 ただし、ほぼ1時間に1本しかないので、スタート時間によってはタクシーを利用せざるを得ない。今回、JR二宮駅からタクシーに乗ったが、クラブバスとは異なる近道を通り10分程度で着くことができた。
 まず、最初の2月の様子から。到着したクラブハウスは大きく、重厚な雰囲気。内部も広々とし、大理石とクルミ科の建材「ウォールナット」を組み合わせた独特のくすんだ色合いが、落ち着いたムードを演出している。
 右手に受付。左手にプロショップ。ゴルフ用品だけでなく「小田原産かまぼこ」や「桜えび」など、地元特産品の品揃えが充実。壁面の棚に「LAKEWOOD」のマークが入ったオリジナル帽子(2,940円)を発見したので、つい衝動買いしてしまった。
 1階フロアで特筆すべきは、ゆったりとした「カフェ」の存在だ。ラウンジの奥にあり、大きな窓からは日本庭園のような西コース練習グリーンと、堂々たる富士山が眺められる。
 それはまさに絶景。富士山自慢のゴルフ場は多々あるが、どこと比べても引けを取らない素晴らしい富士山だ。
 この日も好天に恵まれ、その雄姿を心行くまで堪能できた。「あぁ、今日は来て良かった」と思わず声が出た。だが、この時はうかつにもカメラを持参せず、写真を撮りそこなった。
ホームページ(HP)の「グループ インフォメーション」ページに美しい写真が掲載されているので、それを見て、素晴らしい情景を想像してみて頂きたい。

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(スチール製のロッカーは細く、高級感には欠けていた)

 1階左奥のロッカールームもスペースが広かった。コースは東西合わせて36ホール。来場者が多くても混雑しないようにとの配慮だろう。
 だが、ロッカー本数を増やしたため、ロッカー自体はやや細めで、使い勝手はいま一つだった。
 トイレは快適。個室は8室。この日は洗面所に置かれたユリの花が、派手な色彩と香りで存在をアピールしていた。
 貴重品ボックスは受付の直ぐ側。かつてボックス内の貴重品が盗まれる事件があったそうで、それ以降、預ける仕組みがより厳重に、安全になった。
 駐車場はクラブハウスに隣接し、広い。近くに第2駐車場もある。「運転手控室」が特別に用意されているのも接待ゴルフ場ならではか。

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(練習場は本格的。屋根付きなので、雨でも心配ない)

 寸暇を惜しみ、駐車場をグルッと回って練習場へと向かう。屋根のある本格的なもので、距離も正面のネットまで200ヤード。全部で19打席。ボールは新旧混在。
 事前にコインをキャディマスター室で購入する。料金は30球で315円。側面ネットの外には小さなバンカー練習場もある。
 約20分間練習していたが、打席は比較的空いていた。「今日こそ良いスコアで回ろう」としゃかりきになるのではなく「スタート前はカフェなどでゆっくり過ごす」。ここではそんなプレーヤーが多いのかもしれない。
 「西コース」のプレースタイルは、以前は「歩き」のみだったが、2009年春に乗用カートを導入した。「先に乗用カートを導入した東コースの方に人気が集まったので、西コースにも導入したのです」とキャディさん。
 「西コース」のコースレートはバックティからで70.4。距離は同6,556ヤード(ベントAグリーンの場合)。「レギュラーティからのコースレートは分からない」(男性スタッフ)が、距離は6,177ヤードある。
 レイクウッドGCはコース全体が良く整備され、美しく爽快なホールが多い。西コースも美しいホールが連続している。
 緩やかなアップダウン、歴史を感じさせる太い樹木、巧みに配された池やバンカー。ホールごとに変化があるので、景色を見ているだけでも楽しい。所々で霊峰・富士山も雄大な姿を覗かせる。
 コースメンテナンスはかなり良好。フェアウエーは広く、それでいてパーオンを狙うには落とし所が限られる高い戦略性もある。
 ドッグレッグしたホールも目立つ。人気は東コースの方が高いが、変化があって飽きないのは、むしろ西コースの方かもしれない。
 なお、西コースには毎月1回、割安な「セルフデー」(月曜日。プレー代は4月が13,000円、5,6月が15,000円)があるので、覚えておきたい。
 5月にラウンドした「東コース」に話を移す。今回は写真をしっかり撮ったので、写真に合わせてコースを紹介しよう。
 ただ、快晴だった2月と違って、この日は曇天。というより今にも泣き出しそうな荒れた空模様。
 富士山は終日、顔を隠し、コース写真も美しさが半減してしまった。ゴルフ場には申し訳ないが、これも現実。「ありのまま」として受け入れてほしい。

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(東コースOUTの1番ミドルホール。平坦だが、グリーンはやや砲台型)

 まずOUTコースの1番。真っ直ぐで、素直な感じのミドルホールだ。桜は既に散り、どことなく“宴の跡”といった気配も漂うが、ちょっと雨に濡れた新緑が若々しいパワーを感じさせてくれる。
 グリーンの上からクラブハウス方向を振り返って眺めた景観が特に美しい。落ち着いてスタートできるホールだ。
 2番ホールはレギュラーティからなら451ヤードと短い“サービスロング”。やや右にドッグレッグしていて、2打地点まで来て、やっとホールの全体像が分かる。
 東コースは全て「キャディ付プレー」なので、レイアウト図のようなものは用意されていないのだ。
 コースの案内板があるとセルフプレー主体のゴルフ場のように思われ、景観的にも落ち着かない。そんな名門コースとしてのプライドがあるのかもしれない。
 しかし、全体図があれば、ホールごとの風向きなどは判断しやすいし、コース全体を“鳥の目”で確認できるなどの利点がある。
 昼、受付スタッフに「コースガイドありますか」と尋ねたところ「ありません」との返事だった。代わりに「これでどうですか」と出してくれたのが1枚のパンフレット。裏面にコースの全体像が印刷されている。有り難く頂戴した。

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(「レイク」と「ウッド」が美しい)
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(移動中、こんな橋を渡る)
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(5番ホールから7番ティインググランド方面をみる。新緑が綺麗だった)
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(ユーカリの大木が2本。異彩を放っていた)
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(各ホールごとに「担当」者の名前があった)
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(打ち下ろしの6番ホール。グリーン左の池がプレッシャーになる)

 横道にそれたが、東コースの圧巻は6番ミドルホールからだった。真っ直ぐな打ち下ろし。はるか先にグリーンが見える。その側には箱庭のような池と橋。
 フェアウエーの左サイドからは山が張り出し、右サイドにはバンカーが待ち受ける。ティショットの落とし所が狭い。
 ティインググランド脇の売店前で、キャディさんが「(左サイドの)山すそ狙いですよ」と教えてくれる。「山の向こう側は結構、広いから」。

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(トイレは売店とは別に設けられていた)
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(設計者はテオドール・G・ロビンソン。米国の著名設計家だが、こんな日本庭園風な所も)
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(7番のショートホール。箱庭的造形美が印象に残る)

 続く7番はまさに箱庭のようなショートホールだった。グリーン近くをクリークが走る。幅は狭いのだが、クリークに向かってグリーン周りが傾斜しているので、ちょっとでもショートすると「ボールは転がって水の中へ」という寸法。

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(草花で四季の変化を楽しませようという配慮が伝わる)
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(右手前のグリーンからクリークに向かって傾斜があり、ボールが転がり落ちやすい)

 8番ミドルホールは307ヤード(レギュラーティから)と短いものの、上り傾斜と大きなバンカーがいやらしく、思わぬ大タタキをする危険性がある。ハンディキャップは18なので、普通に打てれば問題ないはずだが。

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(OUTコースでは特に避雷小屋の数が目立った)
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(東コース9番ロングホール。緩やかに右にカーブした手強いホールだ)

 OUTコース最後の9番は手強いロングホール。「右に緩やかにカーブしているので、左、左と打って下さい」とキャディさん。同伴者も真剣な目つきだ。いずれも美しく、印象に残るホールである。

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(INのスタート10番ホール。ティインググランドは3つ、ないし4つ)

 同様に、INコースで強く記憶に残ったのが10番、12番、そして最後の17番と18番ホールだった。
 スタートの10番は左サイドに池が続き、美しさと危うさが同居するミドルホール。12番は真っ直ぐに打ち下ろす豪快なロングホール。「皆さん2オンを狙いたがるので、よく詰まる所」(キャディさん)という。

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(正面が秦野の市街地。大山の頂上は雲に隠れていた)

 それでも眼下に秦野の市街地や東海大学湘南校舎が見え、遠くには大山がそびえ、雄大な景色を眺めていればイライラすることはない。

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(開場は昭和45年<1970年>10月。40年以上の歴史が樹木を逞しく育てた)
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(バンカーの中に大きな木。これがなかなかの曲者だ)
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(池越えの17番ホール。短いミドルなので、左サイドから迂回してもパーオンは十分可能だった)

 丘陵コースの視界がパッと開けたのが17番ホールだった。綺麗な池が目に飛び込んでくる。池を避けて左の安全地帯を狙うか、思い切って池越えに挑むか。結果は様々だったが、全員が池越えルートを選択した。

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(名物の18番ホール。素晴らしい景観なのだが、ちょうど雨が降り出し、暗くなってしまったのは残念)

 続く最終18番ホールは、まさに「名物ホール」だ。ティインググランドに立つとフェアウエーの両サイドが池。何とかフェアウエーをキープしても、左ドックレッグしているので、第2打はまた池を越さなければならない。
 左サイドはグリーン近くまで池とクリークが入り込み、それを恐れると、右サイドのOBゾーンへという厄介なロングホールである。

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(八重桜が最後の力を振り絞って咲いていた)
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(18番ホールのフェアウエーから見たクラブハウス。「絵になるシーン」が多いゴルフ場だ)

 実は昼食時、「湖畔亭」というレストランの窓から、この18番を眺め、戦略を立てていた。「レイアップしよう。ピン位置は3段グリーンの一番下だ。手前から攻めるぞ」。
 そんな構想がほとんど意味をなさなかった現実に、「以前、会員さんが18番をプレーしてみてから、このゴルフ場の評価をすべき」と話していた訳がやっと分かった。

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(東コース側にある「湖畔亭」)

 クラブハウスから少し離れた所に位置する「湖畔亭」は、地魚を用いた高級和食が売り物。テーブル席とは別に寿司カウンターがあり、店内には水が流れる。凝った内装にバブル時代の余韻を感じる。
 料理は美味だが、値段はやや高め。湖畔亭の2階には和室3室、洋室8室の特別室もある。浴室付だというので興味を持ったが、別途、室料(和室の終日利用で24,000円)とサービス料が掛かると聞き、接待用と理解した。
 もちろん、この別館を使わずクラブハウス2階のレストランで昼食を取ることもできる。晴れた日に富士山を堪能したいなら、こちらの方がいい。名物の「焼肉丼」が1,600円。

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(この日のキャディさんは常に目土袋を持っていた)

 2月と5月の2回とも、キャディさんは基本動作がしっかりしていて感じが良かった。
 「目土をほとんどしない」方や「目土を実に小まめに実行する」方などの違いはあったが、朝の挨拶から始まって最後のクラブ本数の確認まで、大きな失点がない。
 グリーン上の読みも正確で、自信を持ってアドバイスしてくれた。接待需要が多いせいか、キャディ教育には力を入れているようだ。
 プレー終了後、キャディさんの「採点表」を記入したが、そうした工夫もキャディさんに緊張感をもたらしていたのかもしれない。
 終了後、ロッカールームに戻ると、スタートホールで撮影したティショットの分解写真を販売していた。1枚1,890円。他に4人の集合写真が1,050円。分解写真と合わせたセット料金が2,100円。
 値段の高さもさることながら、チラッと見た自分のフォームに愕然として購入しなかった。購入した同伴者は「フォームの欠点が分かるから、下手な人ほど購入した方がいい」と言うのだが・・・。
 六角形の浴室は広く、夕日が燦燦と降り注ぐ設計。「泡風呂」「ぬるめ」(39~40℃)「熱め」(41~42℃)の3種類の湯が中央部分で1つにまとまっている。窓からは滝と池を配した和風の中庭が見える。
 クラブハウス2階のレストランは、夕方近くまで賑わっていた。特に焼酎などのアルコール類の品揃えが充実し、つまみ類も豊富。「名物メニュー」もある。帰り際に紙の手提げ袋を渡し合う光景が見られた。接待客なのだろう。
 気になるのは、やはり「経費」だ。ハイシーズンの場合、ゲストプレー料金(キャディ付、乗用カート利用)は、火・金曜日が22,100円(水・木曜日は24,100円)なのに対し、土曜日は39,010円へと跳ね上がる(日曜・祝日は36,100円)。
 7月、8月の夏季でも火・金曜日は20,100円(同22,100円)だが、土日祝日はハイシーズンと変わらない高水準。
 「夏場でも安くならないのですか」と尋ねると「今年はまだ未定ですが、これまでのケースではハイシーズンと同額でした」と担当スタッフ。
 それでも法人需要が落ち込む中で、「レディースコンペ」や「シニア(60歳以上男性)・レディースデー」のほか、時季にあわせた特別プランも増えてきた。
 まだまだ敷居は高いが、季節や曜日、各種キャンペーンなどを上手く組み合わせて来場し、もう一度、あの富士山を眺めてみたい。予約したら後はその日、好天に恵まれることを祈るのみだ。

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