2010年9月20日月曜日

レイクウッドゴルフクラブ・富岡コース=経営破たんの暗い影なし。広く、明るく、美しい丘陵コース

 神奈川県大磯町にある名門「レイクウッドゴルフクラブ」と同じ系列のゴルフ場(群馬県富岡市)。経営主体だった湘南観光開発が平成16年8月、営 業不振から東京地裁に特別清算を申請。その後、みずほ銀行グループの手によって再建の道を歩んでいる。そんな情報を事前に聞いていたので、行くまでは正 直、気が重かった。が、クラブハウスに到着した瞬間、不安は吹き飛んだ。最初の期待値が低かったこともあってか、全てが良く見え、好印象が残った。

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(“ガラスの城”を思わせるほど大きなガラスを用いた現代的なデザインのクラブハウス)

 「新規投資が滞り、ちょっと疲れた感じのクラブハウスなのでは」と予想していた。ところが目の前に現れたのは、現代美術館を連想させるようなオ シャレで、今日的な建物。シームレスの大きなガラスをふんだんに使い、明るく、透明感に溢れている。玄関脇には薄く水を張った“池”まであり、全体にゆと りを感じさせる設計だ。
 入館すると右手前に本格的なプロショップ。その先に整然とした感じの受付。正面の大きなガラス窓からは、コースの緑が目に飛び込んでくる。高く、開放感のある天井。朝の陽光が眩しいくらいだ。

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(レストランの内部。テーブルの間隔が広いのが印象的)
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(レストランから見えるパター練習場。手前にもう一面あり、計3面は広く、快適)

 左手にもゆったりと造られたラウンジ。さらにその奥には縦長のレストラン。緩く湾曲した窓からは眼下にパター練習場が見える。悪い意味ではなく、全体が「ガラスの城」のようだ。
 エントランスが2階部分になっており、階段を降りるとロッカールームや浴室、トイレなどが並ぶ。ロッカーもトイレも幅広で、使いやすく快適。トイレの個室数は11、うち2つが和式。内装や洗面所のアメニティ類も充実している。
 キャディマスター室の近くには大型の自販機が設置され、女性スタッフさんが熱心に拭き掃除をしていた。「おはようございます」。明るく、元気に声を掛けてくれたのも嬉しい。
 開場は平成8年(1996年)4月。コースは「ブルーコース」「ゴールドコース」「オレンジコース」の3つからなり、合計27ホール。
 「ブルーコース」はレギュラーティからの場合、全長3,085ヤード、コースレートが69.0。「ゴールドコース」は同じく全長3,100ヤードで同69.5。「オレンジコース」は同じく3,155ヤードで同69.4。
そう長くはないし、難易度もアベレージゴルファーにはちょうど程良いくらいだ。
 好天にも恵まれ、周囲の景観は美しかった。いずれのコースからも上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)や浅間山を眺めることができ、コース内には池(湖)が巧みに配置されている。まさに「レイクウッド」である。
 パター練習用のグリーンは3面あって十分。プレーしたのは9月の休日だったが、グリーン上では練習に励む若者グループの姿が目立った。地元の方が多いのだろうか?

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(開放感のあるドライビングレンジ。朝の空気が美味しかった)

 そんな様子を羨ましく思いながら、ドライビングレンジへと向かう。5分余り歩いた先にあった練習場は全部で14打席。1コイン24球で273円。線の入った練習場専用ボールとロストボールと思われるボールが混在。
 100ヤードほど先に目印となる特設グリーン。その先にも150ヤードの表示。ネットのない開放的なドライビングレンジで、250ヤード以上の距離がありそうに見えたが、パンフレットには「220ヤード」と記載されていた。気にするほどの誤差ではないが・・・

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(「ブルーコース」の1番ティインググランド。フェアウエーは広く、左右の池は気にならなかった)

 いよいよスタート時間だ。この日は「ブルーコース」と「ゴールドコース」を回る。1番ホールはフェアウエーも広く、伸び伸びと打てる。手前と左右に池が配置されているが、景観を美しく見せるための「装置」で、プレーにはほとんど影響がない。

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(遠くに上州の山並み、クラブハウスに池、そして緑のフェアウエーと美しい景観が広がる1番ホール)

 第2打地点で後ろを振り返ると、豊かな自然に抱かれ、銀色に光るクラブハウスが印象的。周囲には箱庭のようにデザインされた池や樹木が「どうです。綺麗でしょう」と言わんばかりに存在感をアピールしている。
 富士山に近く接待ゴルフ場として知られる神奈川県の「レイクウッドゴルフクラブ」と比べても遜色のいない美しさ。というより、広々とした感じでは上を行くような景観だ。どうしてこんなコースが経営破たんしたのかと疑問が沸く。

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(ホールを移動する際に渡る橋。眼下には田園風景が広がる)

 ただ、この箱庭的美しさは2番ホール以降、しばらくの間、お預けとなった。2番、3番は普通の丘陵コース。4番、5番はレイアウト面で印象に残る部分はあるものの1番ホールほどの美景ではない。

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(「ブルーコース」の6番ホール。池とバンカーとフェアウエーの景観に思わず歓声を上げた)

 「あっ、また池だ。綺麗なホールだな」と感心したのは6番のミドルホール。左サイドの池に沿って続く白いバンカーの砂とグリーン手前の石造りの橋が景観にアクセントを加えている。

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(6番のティインググランド脇には詳細なレイアウト図があった)
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(コース内の茶店。このほか「避雷小屋」が1コースあたり3ヶ所に設置されていた)
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(「ブルーコース」の9番。グリーン手前には綺麗な池があり、小さな滝も造られていた)

 上がりの8番、9番も池がらみで美しい。特に最後の9番ホールは右側の池に滝の演出が加わり、「プレーヤーを目でも楽しませたい」という設計者の意図が伝わってくる。

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(広々としたフェアウエー。ドライバーで思い切り打てる)

 このコースを計者したのは、著名なコースデザイナーのテッドロビンソン氏。ハワイの人気コースを手がけたことなどで知られ、「水使いの名人」とも評される。そう聞けば「なるほど」と納得がいく。

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(「ゴールドコース」の5番ロングホール。豪快な打ち下ろし。左のOBゾーンが近く、結構、難しい)

 景観の美しさでいえば、午後に回った「ゴールドコース」の3番ショートコースや5番と8番のロングコース、9番ミドルホールも強く記憶に残った。

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(アップダウンやドッグレックのあるホールが多いため、こんな表示も見られた)
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(英国「セントアンドリュース」を連想させるような石橋。雰囲気作りには効果を発揮していた)
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(「ゴールドコース」の最終9番ホール。美しい自然の中にも人工的な臭いが感じられる)

 中でも妙義山を右正面に望む8番は池手前のフェアウエー右に傾斜していて、第2打を刻むにしても、刻み方が難しい。9番はクラブハウスに向かって大きく打ち上げていて、同様に2打目の距離感に悩まされる。
 いずれも景観の美しさと戦略性の高さが兼ね備わった名ホールと言って良いだろう
 同伴者は「あちらこちらに池や滝を作って、人工的過ぎるし、過大投資だ」とバッサリ。
 「景観の美しさ」に惚れ込むか、「箱庭的な演出」に疑問を感じるかは人それぞれだろうが、非日常的な空間に身を置いて丸1日を過ごすことは、やはり楽しい。ここは素直に景観の美しさを評価したいと思った。
 粗探しというわけではないが、写真からでは分からない難点を一つ。「ゴールドコース」の3番に来た時、立て続けに「パンパン」「バンバン」と奇妙な音が響いた。
 何事かと尋ねると「近くにクレー射撃場があるようです」と同伴者。そういえば来場する際、ゴルフ場に向かう細い道にクレー射撃場の看板が立っていたことを思い出す。
 音はその後も数ホール続いた。銃声は時々ではなく、連続して鳴り響くので、かえって慣れてしまう面もあったが・・・。
 プレースタイルはかなり自由。私たちの前の組は日曜日だったにもかかわらず2サムプレー(土日祝日は2,100円の追加料金が必要)だった。「1.5ラウンドやスループレーもその日の状況次第で可能」と後でスタッフさんに聞いた。
 移動は全て乗用カート利用だが、「キャディ付」か「セルフプレー」かは選択できる。今回、私たちはセルフプレーを選んだ。若い客が多かったせいか、大半がセルフプレーのように見えた。キャディ付の場合、4バッグで追加料金は平日が3,000円、土日祝日が3,500円。
 ティインググランドは基本的に4つ。レディースティがかなり前で「女性に優しい」設計。メンテナンスの状況は一部のティインググランドとグリーンで荒れた所があったが、概ね良好だった。
 「今夏の猛暑、残暑を思えば、芝も焼けていないし、状態は良い方だ」とメンテナンスにうるさい同伴者も納得していた。
 驚いたのは、乗用カート前面のガラスに堂々と「全ホール特設ティ設置」の表示があったこと。
 コースには「ゴールドコース」の4番や5番ホールのように、所々かなりのアップダウンがあり、OBゾーンや池などのハザードも多く、さらに、セル フプレーを選択する初心者も少なくないことから、進行管理上、特設ティの設置はやむを得ないと考える。だが、「全ホール」というのも、これまた随分思い 切った運営だと感じた。
 昼食をとったレストランは、スタート前に見た時よりもさらにゆったりとした構造に思えた。コースを一望できる大きなガラス窓が効果的だ。
 昼食メニューは13種類。中華料理が自慢のようで、ホームページ(HP=http://www.lake-wood.co.jp/tomioka /course.htm)には「“中華の名人”武田料理長の作る中華料理を是非ご賞味下さい」とある。プレーだけでなく、美味しいランチが楽しみというゲ ストも最近は多い。ぜひ、皆さんもご自分の舌で味わってみて欲しい。
 ビール(生中)は720円。おつまみ類が11種類。「板わさ」「さつま揚げ」「キムチ」などが500円から700円程度。ビールを飲んでいたら、すかさず女性スタッフが手押しカートにおつまみ類を乗せてテーブルまで販促にやってきた。営業熱心である。
 ちなみに、朝食セットも充実し、和定食(1,050円)や豚汁セット(840円)モーニングセット(960円)など。朝も昼も種類は多いが、全体に価格はやや高めのように思える。コンペルームは6室。全体的に明るさと開放感が印象的なレストランである。
 変わっていたのが、プレー終了後に利用した浴室。脱衣場は清潔感があり、デザインも一般的なもので使いやすい。だが、浴室に足を踏み入れ、外を眺めて驚いた。
 窓の外には玄関と同じ様に薄く水を張ったスペースがあり、正面は高い壁。コースや周囲の山並みなどは全く見えない。まるで現代アートの世界に入り込んだかのようだ。バブルの余韻さえ感じる設計である。浴槽は「ぬるめ」「あつめ」に分かれていた。
 入浴後、宅配便でバッグを送ろうと受付場所を探した。1階のスターテイングテラス近くにテーブルが並べてあり、女性スタッフさんが1人で奮戦している。
 暑い外気に当たりながら用紙に記入しているとまた、汗が出てきた。「せっかくお風呂に入られたのに、すみませんねぇ」とスタッフさんも申し訳なさそう。空調の効いた館内に受付スペースを確保することはできないのだろうか。
 細かなことだが、ロッカー内にあったスリッパは底の厚いしっかりしたもので気持がよかった。駐車場もクラブハウスに近く、スペースも十分に確保されている。
 最後に大切な「プレー料金」と「アクセス」について記したい。基本料金はハイシーズンで平日9,300円(4バッグ、セルフプレー、昼食付)、土日祝日が同じ条件で16,800円。オフシーズンで平日が同じく8,800円、土日祝日が13,800円。
 他に「旬の味覚杯」と題したオープンコンペを毎月2回程度実施しており、優勝しなくても「飛び賞」や「残念賞」で景品の果物などをゲットできる。
 3組9人以上なら割安な「コンペパック」プランも利用できる。これらの特別プランや平日料金には割安感が感じられる。
 辛いのは電車で来場する場合のアクセスだ。クラブバスを廃止してしまったので、高崎駅からタクシーを利用するしかない。片道でも30分弱、料金に して4500円ほどかかってしまう。同伴者と待ち合わせて同乗するか、クルマ利用の同伴者に途中でピックアップしてもらわないと負担が大きい。
 受付の周りでアクセスの悪さをぼやいていたら男性スタッフさんが「タクシーで来られる方には補助が出ますよ」と話し掛けてきた。
 「タクシー補助?」。聞けば「予約時に必ず申し出て、当日の朝、受付に領収書を提出すれば一人当たり1,000円の補助金が出る」のだという。これは有り難い。
 1人では1,000円だけが、3人で相乗りすれば3,000円補助されるので実質1500円ほどで済む。
 でも、予約時にそんな制度の説明はなかったし、HPにも補助金のことは何も書かれていない。地元では周知のことなのかもしれないが、もっと積極的に教えて欲しい。
 なお、帰りのタクシー代については「適用外」だそうだから、やはりそれなりの出費は覚悟せざるを得ない。
 富岡市周辺には立派なコースを抱えながら集客に苦しんでいるゴルフ場が多い。高崎駅や本庄早稲田駅から複数のゴルフ場を巡回する送迎バスの共同運行を検討してはどうだろうか。
 群馬県といっても富岡市は埼玉県の直ぐ北側。東京都心からもそう遠くない距離だ。アクセスさえ改善されれば、さらに人気が出るように思われる。

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