2012年5月12日土曜日

富士桜カントリー倶楽部=男子プロトーナメント「フジサンケイクラシック」の舞台。間近に迫る富士山。難グリーンは一流コースの証

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(富士山を背にコース戦略を練る)
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(ガードバンカーは、アゴの高さより数と大きさが厄介だった)
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(池の水は綺麗だった)
168
(富士山の噴火を連想させる岩石が随所に)
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(ハンディキャップ「1」の8番ホール。バンカーと立ち木でとても狭く感じた)
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(前方特設ティからでも容易ではない=9番) 

 2009年12アンダーで圧勝。2010年プレーオフで薗田峻輔をプレーオフで破り連覇達成--。石川遼の活躍の舞台として「富士桜カントリー倶 楽部」は多くのゴルフファンの脳裏に焼き付いている。1996年から2003年までは「フジサンケイレディースクラッシック」の開催コースとしても実績を 重ねてきた。そのメンバーさんからの誘い。今回は出費を度外視して参戦した。
 改めてホームページ(HP)を開いてみた。冒頭の「Cover Story」にはこう書いてある。
 「名前や格式だけの名門ではなく、“世界基準”の一流コースでありたいと私たち富士桜カントリー倶楽部は考えています」
 さらに「ゴルファーにとってよいコースとはなんでしょうか?私たちは、まずはコースセッティングこそもっとも重要な要素であると考えています。単に距離があってタフなコースというのでは飽きてしまいます」。
 挑戦的な宣言文だ。「世界基準」という表現に心が躍る。当日の朝、男性スタッフさんに「世界基準」の根拠を尋ねてみた。要約すると以下の5点になる。
①トーナメントティからは全長7,437ヤード(2011年大会)。これは国内男子トーナメントのパー71では日本最長のロングコース。
②しかも、どのホールにも考え抜かれたレイアウトと微妙なアンジュレーションがあり、プレーヤーに高度な技術と戦略性を求める。
③グリーンの芝は密度が濃く、低く刈り込むことの出来るニューベント「A2」。トーナメント時には13フィートの高速グリーンを実現する。
④池やバンカーなどが効果的に配置され砲台グリーンも多く、アプローチの難易度が特に高い。
⑤赤松を中心とした豊かな自然と、日本を代表する雄大な富士山を背景にした美しい景観。
 確かにこれだけの条件を備えたコースはそうないかもしれない。問題はプロでなく、上級者でもないアベレージゴルファーが同様に楽しめるかどうかだ。「難し過ぎて、もうコリゴリ」となったら終わりである。

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(コースコンディションを明示。自信の表れだ)
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(スターティングテラス。落ち着いた佇まいだ)

 早速、コースに出てみた。スタートはOUTコース1番から。しかし、今回はトーナメントで実際にテレビ中継される終盤の14番からリポートを始めたい。

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(14番脇には売店。ここからテレビ中継が始まる)
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(14番、振り返ると富士山。徐々に雲が切れてきた)

 14番は富士山を背に真っ直ぐ伸びたミドルホール。右側に売店。ひと休みしていると、キャディさんが「さあ、ここからが勝負ですよ」とハッパを掛ける。
 13番までは4人とも接近したスコアできた。が、この先の4ホールでそれぞれがドラマを演じ、明暗が分かれた。14番、最初の主役はKさんだった。
 3打目、グリーン側の急斜面から打ったアプローチは大きくフックし、グリーン左下に止まった。ピンは反対、右サイドの奥。20ヤード以上の長いパットが残る。「上って下りのラインですよ。速いですよ」とキャディさんが叫ぶ。
 午前中を14パットで凌いできた堅実派のKさんも、「力加減が分からない」。
 開き直り「届かなければ入らない」と打ったボールは大きくオーバー。返しをショート。詰めの1m弱を外して4パット。これで気落ちしズルズル後退。
 この日のグリーンの速さは11フィート。速さもさることながらアンジュレーションが実に複雑。「下りのラインですね」と聞き、キャディさんに「いえ、上りです」と言われ、目を丸くしたことが何度もあった。
 「富士桜の“グリーンマジック”と呼ぶんです。左右への曲がり方も皆さん、間違われます。グリーン周辺の景色に騙されるからです。ピンの周りだけを45度斜め上から見て下さい」。キャディさんも懸命だ。
 「ピン過ぎてから速いなぁ」「こんなに曲がるのか」「どうしてここは止まっちゃうの」・・・。皆、ボヤキが収まらない。
 フェアウエーにいる時間よりもグリーンにいる時間の方が長いと思われるほどの苦戦。グリーン(ワングリーン)の難しさは富士桜CC最大の特徴である。

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(14番が終わった所で河口湖がチラッと見えた)
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(富士山に向かって打つ15番ホール。雲が取れるまでもう少しだ)

 15番の主役はNさんに代わった。正面に富士山の広大な裾野を眺める美しいロングホール。プレーしたレギュラーティからは517ヤード。後ろのトーナメントティからは565ヤード。
 ここのティインググランドは「トーナメントティ」「オレンジティ」「ブルーティ」「ホワイトティ」「レッドティ」の5つ。
 レギュラーティに相当するのが「ホワイトティ」で、「ブルーティ」から打てるのは4人の合計ハンディキャップ40以内というのが原則。「オレンジティ」はプロが使用するティという位置づけだ。
 Nさんは珍しくティショットを曲げ、右の林の中から第2打。さらに左サイドのフェアウエーバンカーからラフへ、ラフへと渡り歩き、設計者(志村和也氏)の思惑通りに叩き続けた。最後にスコアカードを見つめ「今日は終わりました」。

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(午後は風も少し出てきた)
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(16番。岩、池、バンカー・・・)

 続く16番は「池」と「バンカー」と「岩」の構成が美しいショートホール。富士山は後方にそびえる。
 「テレビ中継の時はグリーン奥にカメラがセットされるので、背景の富士山が良く映るんですよ」とキャディさん。思わず振り返る。
 最大のハザードは「池」だった。グリーン近くに置かれ、エッジから池に向かって急な下り斜面。綺麗に刈り込まれているので、確実にオンしないと「池ポチャ」が必至だ。
 この池の構造は他のホールでも同じ。縁の傾斜だけでも他のゴルフ場とは難易度が違うと感じる。テレビで見る欧米の一流トーナメントコースを連想した。

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(富士山を背に「ナイスパー」)

 幸いこのホールは3人がワンオンし、嬉しいパー。一人ドラマを演じたのはWさんだった。

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(トーナメントティからは568ヤードに伸びる)

 Wさんは次の17番でも準主役だった。この日、ショットは朝から絶好調。ドライバー、アイアンとも自信を持って飛ばしていた。
 だが、この右ドッグレッグした17番ロングホールでは第2打を左サイドの松の木にぶつけた。5人で探し回るも見つけられず、結局「ロストボール」に。
 「富士桜には魔物が住んでいます。最後まで何が起きるか分かりません」とキャディさんも申し訳なさそうな様子。

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(下りのラインは特に速かった。上につけると大変)

 ここでの主役は実力派のOさんだった。構想通り2打目を刻んだものの、3打目がグリーンをオーバー。難しいライにボールが止まる。砲台型の受けグリーン。下りは特に速い。「難しいグリーン回り」を象徴するような場面だ。
 「あっ、強い」。が、勢い良く飛び出したボールはピンに当たって、そのままカップイン。バーディだ。本当に最後まで何が起きるか分からない。

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(18番ティインググランド。富士山の稜線と樹林とが綺麗に重なり合う)
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(18番、第2打は富士山に向かってショット。この後、20cmに付け「OKバーディ」)
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(18番、グリーンの手前にはクリークが走る。この日、水は流れていなかった)

 最終18番は左ドッグレッグしたミドルホール。2打目地点で正面に富士山が登場するドラマチックな景観。
砲台グリーンの手前にはクリークが配され、トーナメントでも数々のドラマを生んできた名舞台である。
 ティインググランド近くでの待ち時間。キャディさんが「石川遼は左のバンカーから8番アイアンでピン側に寄せ、バーディで優勝を決めたんですよ」と話してくれた。
 その満面の笑みに気持ちが和む。ホスピタリティのあるキャディさんだ。メンバーのOさんは「グリーン上のアドバイスも極めて的確。(キャディとしての)レベルが高い」と感心していた。
 「あのプロはミスショットに切れて、クラブを地面に叩きつけていました」「あのプロは格好が良く、とても優しい人」「あのプロは気が弱くてキャディと話も出来ない」・・・エピソードには事欠かず、待ち時間も飽きさせない。
 最終ホールでの主役は「今日は終わった」はずのNさんだった。何と第2打があわや直接入るかという見事な当たり。もちろんバーディ。劇的幕切れにすっかり機嫌を直していた。
 「実はキャディさんのアドバイスがあったんです」。後で聞いてみると「ショットの際に右肩が下がっていると注意された。私の悪い癖で、最後にそこを修正したら上手く打てたんです」。
 “ひと言アドバイス”もキャディさんの大きな力だ。

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(1番ホールのティインググランド。左右対称の景観が美しい)
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(1番ホール。グリーン周辺はバンカーだらけ)
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(フェアウエー上にある黄色いマーク。グリーンエッジまで残り100ヤードを示す)
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(3番ホール。「振り切ればボールは曲がらない」)
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(OUTコースの売店。女性スタッフさんが明るく話しかけてきた)
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(立ち木とバンカーがセットになったハザードも登場=6番)
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(6番グリーンには「エプロン」があった。歴史あるコースでないと見られないレイアウト)
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(7番は池越えのショートホール。右に逃げるとバンカーにつかまりやすい)
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(7番ホールの地点が一番高い)
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(緩やかに右ドッグレッグした10番ミドルホール。レギュラーティからでも404ヤードと長い)
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(「まだ、咲いていたぞ」。葉桜の中に可憐な富士桜の花を見つけた)
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(乗用カートには各ホールのレイアウト図がきちんと搭載されていた)
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(グリーンフロントエッジからピンまでの距離は常にキャディさんが教えてくれた)
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(砂が濡れたり飛散しないよう工夫されていた)
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(13番ショートホール。トーナメントティからは225ヤード。難度が跳ね上がる)
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(海抜1,000m。白樺が高原ムードを醸し出す)
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(富士山の裾野はいつ見ても美しい=13番)
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(コースメンテナンスには手が抜けない)
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(コース内の立ち木。太い幹は迫力十分)
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(ヤーデージ杭はシンプル)
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(要所に立つ松。当たったボールは行方不明。「ロストボール」は痛かった)
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(岩石を模したデザイン)
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(エアガン置き場には和風の屋根が設置されていた)

 ドラマに満ちたコースだが、全体的な特徴を整理しておきたい。
 場所が富士山の麓だけにアップダウンや急傾斜が想像されるが、実際は平坦で、フェアウエーも比較的広い。斜面に悩まされるのは5番と11番くらいだ。

130
(この傾斜ではボールは絶対に止まらない)

 5番は石川遼が「今季(2009年)最も厳しかったホール」ベスト3に挙げたほどの看板ホールだ。グリーン手前に池があり、その池越えショットを左足下がりのライから打たされるレイアウト。
 
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(11番ホールからは前面に「12のコブを持つ」山が見えた)
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(11番。2打目地点からは急激な下り)

 11番ホールは長く、深い下り傾斜に気持ちが負け、ミスショットを繰り返してしまった。
 キャディさんは「INコースはドッグレッグが多く、少しトリッキー」と紹介したが、回ってみると堂々とした正統派のレイアウトで、トリッキーな感じは全くしなかった。
 2番目の特徴は「芝」だ。

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(ショートパットにも神経を使う=8番グリーンで)

 高速グリーンについては既に紹介したが、フェアウエーの芝も好感触。「絨毯のよう」という形容詞があるが、まさにそれに近い。
 メンバーさんは「グリーンでも使われる芝(ニューベントのL93)を張っている。だからフワフワ感がある。ターフが取れてディボットができやすいのが悩みかな」と話していた。
 3つ目は何と言っても「富士山」だ。好天にもかかわらず山頂近くに雲がかかり、プレー中、すっきりとした富士山は拝めなかったが、存在感は圧倒的。やはり大きい。

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(もう少し晴れてくれると「逆さ富士」が望めるのだが、残念)
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(6番でこの日、初めて富士山を見た。近くで眺めると、やはり大きい)

 快晴なら「逆さ富士」が見られる“絶景ポイント”もある(6番ホール)。

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(10番ホールから見えた富士山。これからはもっと美しい姿が見られそうだ)

 プレーしたのは5月中旬の休日。山梨県の県花でもある「富士桜」(2万本)は既に散り、残念ながらコース内に花木は目立たなかった。
 しかし、ここは海抜1,000mの富士桜高地に立地し「夏でも平均気温が23度くらいで涼しく、とても快適」と男性スタッフさん。さらに秋は紅葉が素晴らしいという。「高原ゴルフ」の楽しみはこれからが本番だ。
 ただし、冬は雪が積もりクローズになるので要注意。プレーできるのは4月から12月中旬までの約9ヶ月だ。
 4番目の特徴は「ホール設定」がちょっと変則的なこと。OUTコースは2番ホールからパー「3」「5」「3」「5」「5」「3」と続く。パー「4」は1番と8番、9番しかない。
 3番のように「ホワイトティ」(462ヤード)と「オレンジティ」(585ヤード)で123ヤードもの大差があるホールも存在する。ティインググランドの場所が全然違う。
 5つ目の特徴はフェアウエーサイドのヤーデージ杭が「グリーンセンター」でなく「グリーンフロントエッジまで」であること。
 普段「グリーンセンター」でプレーする機会が多く戸惑っていたら、キャディさんが「トーナメントコースはどこもこうです」とピシャリ。それはそうなのだが・・・。
 なお、ティインググランドにある距離表示は「グリーンセンターまで」。頭の中で数字の整理が必要だ。

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(14番ではコースを改造中。グリーン手前にバンカーが造られていた)

 余談だが、「オーナーさんがコース改造に熱心で、しばしば改修工事を行っている」(メンバーさん)という。今回もちょうど14番ホールが工事中だった。グリーン近くに砂の入っていない大きなバンカーを目撃。
 14番といえばテレビ中継が始まる最初のホール。さらに難しくして、視聴者に新たなドラマを見せようという魂胆なのだろうか。

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(「昔よりかなり切った」そうだが、まだまだ木の密度は濃い)

 キャディさんは「改造を繰り返し昔に比べると随分、木を切りましたよね」という。しかし、初めての来場者にとっては十分な数。ボールを探し出したり、フェアウエーに戻すのだけでも大変だった。
 プレー終了後、キャディマスター室でコースレートを聞いてみた。ちょっと驚いた。
 トーナメントティで75.6、オレンジティで72.3、ブルーティで70.1というのは納得できるのだが、ホワイトティ(レギュラーティ)は68.9という(レディースティからは68.0)。
 この数字を見る限り、特段に難しいコースというわけでもないのだ。
 さらに突っ込んで尋ねてみると「レギュラーティからは6,185ヤード。距離が短いですから」という答え。
 「皆さん苦戦されるのはグリーンです。アンジュレーションを錯覚しやすく、悩み始めると立ち直れません」。
 キャディさんは「ほとんどのティインググランドにトラップが仕掛けられ、それで失敗する方も多いようです」と話していた。
 「ティマーカーが右を向いていたり、左を向いていたり。微妙な傾斜も付いています」。とにかく気の抜けないコースなのだ。

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(クラブハウス周辺には落ち着きと風格があった)

 施設に目を向けよう。最初はクラブハウス。HPには「入母屋、方形、切妻を取り入れた日本伝統を見事に調和させた平安朝風のクラブハウス」と記されている。
 確かにその通りの日本情緒ある佇まいだが、開場は1975年(昭和50年)。今年で37年目を迎える。
 良く言えばシック、悪く言えばちょっと古臭い印象も。平屋建て特有の低い天井。暗めのエントランスは落ち着いた雰囲気の演出か、それとも単に節電のためなのか。

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(ロッカーはスチール製。豪華さはない)
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(真ん中に四角い湯船のある浴室。意外に平凡な造りだった)

 受付も小ぶり。ロッカーはスチール製、トイレは清潔だがコンパクト(個室は6)。浴室も昔風の構造でパーティションはない。窓の大半が曇りガラス。外の景色は楽しめない。
 華やかな「フジサンケイ」のイメージとはかなり違う。しかし考えてみれば「フジサンケイレディースクラッシック」トーナメントが始まったのが1996年。開場後、だいぶ経ってからのことである。

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(プロショップ。「売らんかな」という雰囲気ではない)
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(ラウンジ。ビリヤード台が置かれていた。利用者がいるのだろうか?)
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(通路の壁や柱には名場面を写した写真を多数掲載)
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(個室も用意されている)

 施設の売り物は伝統、気品、クラブライフといったところか。壁や柱には歴史的な写真が飾られ、ラウンジや個室には重厚さが漂う。

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(レストラン。豪奢でないのがかえって良いのかもしれない)

 レストランは明るいが、内装や椅子、テーブルは意外とシンプル。大きな窓から眺められる景色もパター練習場が見えるくらいで、面白みに欠ける。
 ランチメニューは12種類。ビーフカレーが1,400円で最も安く、上は松花堂弁当の2,000円まで。
 「お薦めは」と尋ねたら、地元の「フジザクラポーク」使用の「豚角煮膳」(1,800円)と「カツサンド」(1,500円)を紹介された。
 朝食メニューは「和定食」「洋定食」(ともに1,400円)、「朝カレー」(900円)など6種類。価格は朝、昼とも高めだ。
 印象に残ったのが地ビール「富士桜高原麦酒」の美味しさと、女性スタッフさんの丁寧な接客だった。
 山梨県の郷土料理といえば「ほうとう」。「メニューにないですね」と聞くと女性スタッフさんが「寒い時期にだけ提供しています。申し訳ありません」。
 ここまでなら普通の対応だが、数分後に戻って来て「近くに『小作』というレストランがあります。人気店です。いつでも美味しいほうとうが食べられますよ」。心遣いが嬉しかった。
 同時に朝、受付の女性スタッフさんが細かな質問にも懇切丁寧に答えてくれたシーンを思い出した。スタッフ教育が行き届いていると感じた。

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(開放的なドライビングレンジ。白いボールが多かった)

 施設面で素晴らしいと感じたのは練習場。ドライビングレンジは20打席。50ヤード、100ヤード、130ヤード、180ヤード、220ヤードと小刻みに表示があり260ヤードまで打てる。
 コースと同様、左右を樹木で囲まれた平坦なレイアウト。開放感があり、天気が良ければ正面に富士山を望める。
 「富士山に向かって打ち放つレンジは、なかなかないでしょう」とキャディマスター室の男性スタッフさんも自慢げだ。ボールは35球525円。これは少し高い。

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(速いグリーン。パター練習には時間を掛けたい)

 近くにはバンカー練習場もある。パター練習場は広く利用しやすかった。
 東京からの「アクセス」はどうか。当日は新宿駅発7:30分の特急電車「あずさ3号」で大月駅へ(到着は8:31分)。そこで地元の方にピックアップしてもらい、クルマでゴルフ場に向かった。到着時間は9:07分。これだと1時間半程度で済む。
 しかし通常のルートだと、大月駅から富士急行線に乗り換え河口湖駅へ(到着は9:33分)。そこからタクシーで約15分。到着が10時近くになってしまう。
 「遅い時間にスタートし1ラウンド。近くで一泊。翌日にもう1ラウンド」という日程なら問題ないが、日帰りとなるときつい。東京都・西部や神奈川県在住以外の方はかなりの早起きを強いられる。
 実際にはクルマで往復する方が多い。都心から中央自動車道河口湖ICを経由してゴルフ場までは1時間40分程度の行程。
 気掛かりなのは「アクセス」よりも「プレー料金」(全てキャディ付、乗用カート利用)だ。
 前述したように12月中旬から3月末まではクローズ。このため年間で最も安いのはクローズ直前の12月料金となる。平日13,100円、土曜日18,500円、日曜日17,500円。
 クローズ明けの4月は平日が16,400円から18,800円。土曜日25,500円、日曜日24,500円。
 5月以降、暖かくなるに従って値上がりし、8月は平日23,800円、土曜日31,800円、日曜日30,800円。飲食代や交通費を加算すれば3万円を大きく超える。
 プライドや格式が邪魔をするのか、魅力的な割引プランもない。「薄暮プレー」(15時以降のスタート)の実施が目立つ程度だ。これは残念。
 メンバーさんに「やはり高級接待コースですね」と話しかけたら、「グリーンが難しく、ゲストの方が機嫌を悪くしてしまう心配があるので、接待には不向きでしょう」。「なるほど、確かに」。
 次回はとりあえず「トーナメント(2012年は8月30日~9月2日)観戦」とし、再挑戦は秋以降、パターの腕を磨いた上で、としたい。

320
(帰りの車の中で、山頂がやっと顔を出した)

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