2012年6月24日日曜日

甘楽カントリークラブ=群馬県南部に位置する正統派の丘陵コース。経営合理化進め、カジュアルなゴルフ場に大変身

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(入り口から「アコーディア グループ」の空気が漂う)
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(駐車場は広く、一部には屋根付の個所もあった)
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(グリーンに向かってぐっと上るホールが多かった=写真は1番)
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(立ち木と池とバンカー。美しい景色ほど攻略が難しい)

 開場は1975年(昭和50年)。すでに37年の歴史を持つ。コース設計は名匠、安田幸吉氏。過去にはメジャー大会「日本女子オープンゴルフ選手 権」を開催(1984年)した実績もある。そんな名コースの運営会社が2006年(平成18年)に経営破たん。「アコーディア・ゴルフ」グループ入りして 再建を図っている。「群馬県の経済人が多数会員になっていた名門ゴルフ場」も今では敷居がぐっと低くなった。

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(車寄せスペースは簡素な造り)

 6月下旬の休日。到着したクラブハウスは平屋建てで、シンプルなデザイン。車寄せに張り出した屋根は大きいものの豪華さはなく、質素と言っても良いくらいだ。出迎えのスタッフさんも不在。

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(キャディバッグ運びは女性スタッフさんが1人で奮戦)

 自分で荷物をクルマから下ろしていると、バッグ運搬用の乗用カートに乗って、女性スタッフさんが慌しくやってきた。
 客の「出迎え」とバッグ置き場への「バッグ運搬作業」の2役を1人でこなしているのだ。

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(側の宿泊ロッジ。今は使っておらず、うら寂しい感じがした)

 振り向くと、駐車場の一角に和風の建物が見える。「以前は宿泊ロッジとして使用していましたが、5年前にアコーディアグループに入ってからは閉まったままです」と、その女性スタッフさん。

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(受付。周辺は意外なほどゆったりしていた)
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(アコーディア系らしく関連商品の販売には熱心。左手奥が正面玄関)

 クラブハウスの内部は思った以上に広かった。アコーディア系列のゴルフ場らしく、フロアにはゴルフ関連商品や土産物がたくさん陳列されている。だが、同グループの他のゴルフ場に比べれば、まだスペースに余裕がある。

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(ラウンジも広い。丸いソファーが印象的)

 ラウンジも通路を挟んで2ヶ所を確保。それだけ当初のフロア設計にゆとりがあったのだろう。

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(レストランのテーブルには様々なパンフレットが置かれていた。営業の熱心さが伝わる)

 レストランが別棟になっているのも特徴的。大きな窓、カジュアルな雰囲気。女性スタッフさんが朝の準備と、客の対応に忙しそうだ。
 入り口に「Accordia Breakfast 630」の大きな立て看板。聞けば、コーヒー、紅茶付きの各種洋食メニューが630円で食べられるという。
 コーヒーを単品で注文(280円)。テーブルの上を見て驚いた。透明シートに下に「辛子漬明太子」などの商品パンフレットが何枚も敷いてあるのだ。
 壁際には「ワンオン チャレンジ」の賞品や、土産用の食品などがドーンと並び、商魂のたくましさを感じる。

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(「ゴルフ場レストランから、素敵な夏の贈り物」。レストランには土産物などの商品が並ぶ)

 置かれたパンフレットを見ると「SUMMER GIFT」の文字が踊っている。産地直送ギフトの案内で、北海道や沖縄、神戸などの名産品が大半。残念ながら地元の物産とは関係ない品揃えだ。

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(木製で上質感のあるロッカー。窓際は明るかった)

 ロッカーは木製できれい。横幅もあり使いやすいが、扉に鏡が付いていない。トイレの個室は10。スペースは広いものの、ロッカーほど新しい感じではない。

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(キャディマスター室では誰もいないことが多かった。練習ボールのコインは受付で購入する仕組み)

 スタートまでに時間があったので練習場に向かう。キャディマスター室でボール(コイン)を購入しようとしたら、中にスタッフさんが居ない。ガラスに「コインは受付でも販売しております」の張り紙。
 受付に回り「キャディマスター室に誰もいませんでしたよ」と話しかけると、「ええ、担当者が動き回っていますから」と男性スタッフさん。
 
 この時、「なるほど」と分かった。経費削減の一環で人員が減り、1人で複数の業務をこなしているようなのだ。
 今の経営実態を考えればやむを得ないところだが、「ちょっとやり過ぎかもね」と東京から一緒にクルマで来た同伴者さん。

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(ドライビングレンジはシンプルな設計)

 ドライビングレンジは3方が高いネットで囲まれている。しかし「鳥かご」ではなく、開放感があり、ドライバーを振り回しても十分な距離が用意されている。前方の高いネットまでは200ヤード近くありそうだ。
 打席数は全部で10。1コインで25球320円。ボールは比較的きれい。

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(ドライビングレンジの一角にバンカー練習場がある)

 正面に向かって左サイドにバンカー練習場。「アプローチも出来ますよ」とキャディさんが話していたが、練習ボールが飛んできそうで、怖くてできない。

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(パター練習場は2面が使えた)
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(乗用カートは手動で運転するスタイル)
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(好天にもかかわらず「コース内走行」はできなかった)

 プレースタイルは乗用カート利用で「セルフプレー」と「キャディ付プレー」の選択性。キャディさんは現在、11人しか在籍しておらずセルフプレーが中心。キャディフィは3,360円(4バッグの場合)。

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(クラブハウスからは橋を渡ってコースに向かう)

 今回は甘楽CCの元メンバーさんに同伴をお願いしたので、セルフプレーを選んだ。
 「コースレイアウトを含め、昔の様子を良く知っている」方なので、現状との比較に貴重な意見を伺えそうだ。

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(ティインググランドには石版が埋め込まれていた。ちょっとした高級感がある)
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(1番ミドルホール。真っ直ぐでスタートしやすい感じがした)

 この日のスタートはOUTコース1番ミドルコースから。少し下り、グリーンに向かって緩やかに上る真っ直ぐなレイアウト。
 赤松林によってしっかりセパレートされており、林間コースを思わせる静かな佇まいだ。
 グリーンは2つ。共にベント芝。朝、男性スタッフさんにグリーンの速さを尋ねたところ「計測していないのですが、9フィートから10フィートくらい」と曖昧な返事。
 元メンバーさんは「そんなに速くない。8フィートあるかどうかだろう」と早速、手厳しいひと言。
 実際にラウンドしてみた全体の印象は「オーソドックスで雄大なレイアウト。それでいてホールごとに変化があり、面白いコース」というものだった。
 総距離はバックティから6,582ヤード、レギュラーティから6,194ヤード、レディースティでは5,506ヤード。
 コースレートはバックティから70.3、レギュラーティから68.9。距離が長くないので、その分、難易度も抑えられているようだ。

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(ピン位置は旗の色で識別。「手前」「中央」「奥」と大雑把。上級者は不満顔だった)
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(「青」い旗はピン位置がグリーン奥であることを示す)
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(避雷小屋の数は多いが、老朽化したものも目に付いた)

 特に印象に残ったのは4番、5番、6番、7番、8番、10番、11番、12番、13番、18番の各ホール。

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(4番ショートホール。左右が離れていて別々のホールのようだ)

 4番は左右のグリーンが大きく離れたショートホール。2つのコースを1つのティインググランドから打つような感じだ。

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(5番は左ドッグレッグホール。モニターで前の組の位置を確認)
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(ブラインドホールにはこうした表示板が設置されていた)

 5番は左にドッグレッグしたミドルホール。ティインググランド脇に安全確保のためのモニターが設置されている。2打目地点、曲がった先の景観が美しい。

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(ラフに打ち込むと大きな樹木が邪魔をする。こうした設計がしばしば見られた)
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(6番ホール。美しい景観だが、池の真ん中に奇妙な物体が顔を出していた)
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(前方特設ティは多い)
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(各ホールでティインググランドから230ヤード地点に黄色い吹流しが立っていた)

 6番ではティインググランドを囲むように池が配されていた。左右の松林、遠方の山並みが水面に映り、景観も美しい。ロングホールで距離は535ヤード(バックティから)。ハンディキャップ「1」。

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(グリーン近くに配された池が難易度を高める)

 7番はグリーン手前の池が悩ましかった。左グリーンなら問題ないが、この日は右グリーンを使用。第2打が池越えとなる。上手く越えられてもグリーン手前と奥にバンカー。

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(OUTコースの売店。「松籟亭」の文字がまぶしかった)

 ちょっと横道にそれるが、ここの売店には「松籟亭」(しょうらいてい)の看板が出ていた。
 長野県上田市の名料亭「松籟亭」と何か関係があるのだろうか?女性スタッフさんに聞いてみたが、分からなかった。

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(8番ショートホールは日本庭園風の佇まい)
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(アジサイの花が梅雨時期であることを思い出させた)

 8番は日本庭園風にデザインされたショートホール。満開のアジサイの花が「頑張って」と応援してくれているようだ。
 コース内は樹木の種類が多い。松、杉、ケヤキ、紅葉、桜、梅、竹・・・。ゆったりとレイアウトされているので「防球ネット」は皆無。周辺民家もほとんど見えない。高圧線や鉄塔などの人工物も目に入らない。
 「自然を堪能できますね」と喜んでいたら、地元の元メンバーさんに「群馬県ではこれが当たり前。東京の方に行くと無理して造ったコースが多い。そちらの方が問題」と笑われた。

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(10番ミドルホール。2打目地点で左右に大きく分かれる設計)
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(フェアウエーにはうねりのある場所も)

 INコースは前半が特に面白かった。10番は2打目地点から左右に分かれる“2股ホール”。

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(短い11番ホールにはバンカーがたっぷりあった)

 11番のミドルホールは313ヤード(バックティから)しかない。ただし、バンカーが並んでいるので、簡単と侮ってはいけない。

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(上級者さんは常に同じリズムでスイングする。参考にしたい)
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(乗用カートに搭載されていたレイアウト図。コースの攻め方が記載されているが、その通りにはならない)
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(美しい12番ホール。じっと戦略を練る)

 12番はゴルフ場が「名物ホール」と呼ぶ美しいミドルだった。真っ直ぐに伸びたフェアウエーの先に上毛三山(赤城、榛名、妙義)が望める。
 この日は好天ながら遠くが霞み、山姿がうっすら見える程度だったが、それでも上州の雄大さは伝わってきた。

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(13番はグリーンに向かって長く上り傾斜が続く)
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(砲台グリーンには手こずらされた)

 一番難しく感じたのが続く13番ミドルホール。距離は417ヤード(バックティから)なのだが、グリーンまで延々と上り傾斜が続き、距離感を迷わせる。元メンバーさんも「ここはなかなかパーが取れない」。
 フェアウエーは比較的広く、平坦なホールもあるが、13番のようにグリーンに向かって打ち上げとなるホールが少なくない。このコースの特徴の一つで、見た目以上に難しく感じられた理由だ。
 フェアウエーの大きなうねりや細かなアンジュレーションもプレーヤーに高い技術を要求する。
 多くのホールで2グリーンの間にしっかりとしたバンカーが配されている。これも難易度を高める重要な仕掛け。ホールごとに現れる「池」「立ち木」「バンカー」・・・。気の抜けるところがない。
 これでラフを伸ばし、グリーンを速くしたら相当、難しくなりそうだ。昔、「日本女子オープン選手権」を開催したコースというのも納得できる。

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(見事なアプローチで「OKパー」。グリーンの状態は良かった)
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(16番では珍しく眼下に町並みが見えた)
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(INコースの売店。女性スタッフさんが明るく対応)
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(「キャディ付プレー」を選択することも出来る)
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(丘陵コースだが、林間コースと言っても良いホールもある)
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(フェアウエーバンカーではコンパクトなスイングを心がけたい)

 13番のティインググランド近くに、独立したトイレがあった。16番の売店で「OUTコースに専用トイレは無かったですよね」と確認すると、女性スタッフさんが「木に囲まれて良く見えないんですけど、5番ホールに同じようなトイレがあるんですよ」と教えてくれた。

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(一部だけだがベアグランドもあった)
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(最終18番ホールは大きな打ち下ろし、右ドッグレッグ。雄大だが、ティショットが難しかった)

 最終18番は一転、トリッキーな丘陵コースの様相。緩やかに右ドッグレッグしたロングホールで、左の山を怖がり右サイドを狙うと、落とし所にバンカーが口を開けて待っているという巧妙な設計。
 こうしたブラインドホールには、コースレイアウト図を描いた特別の案内板が設置されているので助かった。キャディさんなしのセルフプレーの時は特に有り難い。
 セルフプレーを手助けしようという工夫は他にも多く見られた。

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(次のホールへ。こうした案内板があれば迷わない)
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(池までの距離を特別に表示。初来場のアベレージゴルファーには有り難い工夫だ)
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(14番のショートホールにはこんな表示も。打ち下ろし分を差し引いてクラブを選択したい)

 例えば、10番ホールの先のカート道路に「11 TEE →」の標識。迷わずに移動できる。12番のティインググランド脇には「池まで252ヤード」の案内表示。
 14番の打ち下ろしショートホールでは「本日のピンまでの距離」の隣に「下り-5y」のアドバイス。

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(残り50ヤード近辺にはこんな表示があった)

 全てのホールではないが、グリーン手前のフェアウエー中央に、白い円でグリーンまでの残り距離が表示されていた。

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(緑色の「ワンペナ杭」。新しいローカルルールとか)

 「ローカルルール」として「NEW ワンペナ杭」という珍しいものまで登場した。
 ティショットをOBした際に前進4打目で打てる「特設ティ」もかなり前に設けられ、進行を楽にしている。
 「さすがに変」と同伴者さんと顔を見合わせたのが、ショートホールで実施中の「ワンオン チャレンジ」(参加費1,050円)だった。
 肝心の対象ホールにスタッフさんはおらず、その前のティインググランド脇にある売店で、女性スタッフさんに参加を申し込む仕組み。スタッフさんはここでも「1人2役」だ。
 元メンバーさんに「(スタッフさんが見ていないので)これなら全員オンしちゃいますよね」と言うと、「構わないんです。後で抽選があり、もらえる賞品が違いますから」。
 最終的にゴルフ場側がちゃんと儲かる計算になっているそうだ。
 続けて「今でもいいコースですね」と感想を漏らすと、「メンテナンスが昔とはだいぶ違う」と苦言を呈し始めた。
 初参加のアベレージゴルファーには「現状でもまずまず」と思えるが、「かつてはもっと素晴らしかった」。
 「進行も悪い」とバッサリ。「前後を気にしないセルフプレーヤーが増え、待たされることが多くなった」というのだ。確かにこの日もハーフで2時間半余りかかり、イライラする場面があった。
 渋滞したのは当日の来場組数が多かったこともあるが、それ以上に人員を減らしたため、「プレーヤーに進行遅れを注意する巡回員がいなくなったことが大きい」とみられる。
 余談だが、午前中のプレーが終わった時点で、クラブハウス近くにいたキャディさんに「随分、待たされましたよ」と嘆いたら、平然と「午後はもっと時間が掛かるかもしれませんよ」。
 その冷たい口調に一同、「あの言い方はないよな」。ホスピタリティに課題が残りそうだ。
 レストランも「経営主体が変わる前と後では様変わりした」そうだ。「昔は静かで落ち着いた雰囲気。今は若い人が増えたこともあってガヤガヤしている」。
 カジュアルな運営を好む人もいるので、軽々に善し悪しを判断することはできないが、昔の良さを知っている人はひと言、ぼやきたくもなるのだろう。
 選べるランチメニューは15種類と豊富。「信州黒蕎麦御膳」が最も高く1,680円、名物料理の「上州麦豚暴れ丼 甘楽風」は1,570円、「上州豚ロースかつ膳」(1,570円)、「ヒレカツカレー」(1,260円)など特産の豚肉を用いたメニューが目立つ。
 最も安いのが「オリジナルビーフカレー」で1,050円。

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(ランチで勧められた「冷やし中華そば」=単品)

 テーブルの上に「冷やし中華対決」と書かれた派手なパンフレットがあった。「冷やし中華 VS 冷やし坦坦麺」の組み合わせ。単品で1,260円。豪華な料理写真につられて「冷やし中華」を注文。
 運ばれてきた料理は一般的なレベル。「街の中華料理屋さんで食べたら600円台だろう」ともう1人の同伴者さんも厳しい。関係者の皆さんには“愛のムチ”と受け止めて頂きたい。

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(レストランからの眺め。OUTコースのスタートの様子が見える)
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(脱衣場の手前には中庭があった。バブルの余韻か)
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(脱衣場。棚に開けられた穴にカゴがすっぽりと入る)
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(大きな窓が特徴の浴室。パター練習場が見えた)

 一般ゴルファーの立場からみると、アコーディアグループに入って良くなった点もたくさんある。
 会員の同伴や紹介なしで誰でも予約できる敷居の低さが第一。プレー料金が安くなったことも大きい。
 春秋のハイシーズンの料金は平日が7,500円、休日が14,000円。夏冬のOFFシーズンは平日で6,580円、休日で11,000円。
 7時台、10時台のスタートだと、この料金よりさらに400円から1,000円程安くなる。
 いずれも「昼食付」。昼食は1,260円のメニューまでOKで、他も追加料金を払えば食べられる仕組みだ。
 もし8月の平日に、7時台(もしくは10時台)スタートでプレー(料金6,180円)すれば、昼食代を除いた実質のプレー代は4,920円と5,000円を下回る。
 「昔のことはさておき、このコースで、この値段ならアベレージゴルファーには嬉しい」というのが東京組の評価だった。
 住所は群馬県南部の甘楽郡甘楽町。今回はクルマで来場した。
 早朝に東京を出発。関越自動車道を走り、藤岡JCTから上信越自動車道へ。吉井ICで降り、ゴルフ場までゆっくり走っても2時間弱の行程。高速道路を出てからは10分ちょっとで到着できた。
 電車利用なら東京駅7:08分発の上越新幹線「とき305号(新潟行)」が便利。高崎駅に8:08分に到着し、8:15分発のクラブバスがある。新幹線の運賃は自由席利用でも片道4,290円と高い。
 クラブバスは予約制で8:15分発と9時発の2便。帰りも2便あり、「出発時間については柔軟に対応します」と女性スタッフさん。
 高崎駅からゴルフ場まで30分余り掛かるのが難だが、最近はコストを減らすためにクラブバスを廃止するところが多いので、「あるだけでも良し」としたい。
 アコーディアグループ入りして利用しやすくなった点に「柔軟なプレースタール」もある。
 「2サム」は休日でも可能。午前、午後の「スループレー」プランや「1.5ラウンド保証プラン」もある。コースコンディション次第だが、条件が良ければ乗用カートの「コース内乗り入れ」も可能。
 1人で参加できる「オープンコンペ」を毎月、最終週の水曜日に実施。「特得コンペパック」などコンペ開催にも積極的に応じている。「バスパック」もある。
 バックティの使用には「ハンディキャップが15以下」という制約があるが、受付で確認したところ、「要は進行が遅れなければ良いので、それさえ気をつけていただければ(HC条件を満たしていなくても)大丈夫ですよ」と緩やか。
 ランチタイムには「売店ドリンク半額券」などを提供。夕方の精算時には「ご来場者様限定。特別優待チケット」を手渡してくれた。旺盛なサービス精神に思わず頬が緩む。
 メンバーさんの神経を逆なでするような場面もないではないが、一般のアベレージゴルファーにとっては名前の通り、甘く、楽しいゴルフ場へと大きく変身していた。

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